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2021.01.06
地区事務所新潟事務所

【新潟事務所】監査業界におけるDXのご紹介

新潟事務所 シニアマネージャー 見上 洋介

皆様こんにちは、新潟事務所の見上(みかみ)です。
寒い日々が続いていますね。雪や冬の季節も好きですが、やはり春が待ち遠しいですね。
今回は、近年注目されているデジタルトランスフォーメーション(DX・DT。以下"DX")について、監査業界における動向をご紹介したいと思います。
少しでも今後の会計士キャリアのご参考となりましたら幸いです。

DXとは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念です。ほかには、デジタルシフトなどと呼ばれることもあります。IT先進国である北欧のスウェーデンの大学教授が提唱した概念とされています。
とても幅の広い概念ですが、我々のクライアントが営むビジネスの観点からは、企業がITを利用して従来の事業活動や事業範囲を根底から変化させる、といった捉え方をされることが多いように思います。例えば、GPSや高速通信技術・高度なセンサー技術などを駆使した自動運転技術は、これまでの「車を売る」ビジネスから「ヒトやモノを届けるサービスの提供」というビジネスへと変革をもたらしつつあります。

このように、我々監査法人のクライアントである企業におけるDXの浸透が、監査においてもDXが推し進められている理由の1つであり、また更なる高品質な監査業務の提供という観点からも必要とされている背景であると考えられます。
では具体的に監査におけるDXとはどのようなものか、ご紹介したいと思います。

1つ目は、手作業の自動化です。
例えば、監査においては膨大なデータの中からテストするサンプル取引を抽出することがあります。この手続は、母集団とする膨大な行数のエクセルファイルをあれこれと加工しフィルタをかけ、そこから何十何百というデータを1つ1つコピペして集めてくる、という作業です。これをITを使って自動化すると、そのデータを母集団とするか、そこからどのようなタイプのデータを対象とするか、必要なサンプル数は何件か、といった情報を登録するだけで、あとは自動的に加工とサンプル抽出をITが行ってくれることになり、相当数の時間が効率化されます。

2つ目は、監査アプローチの高度化です。
やや極端な表現をすると、従来の監査アプローチはより大きな塊のデータに対して沢山のランダムテストをするといったイメージでした。テスト対象には、異常な取引もあれば、必ずしもリスクの高くない標準的な取引も含まれていました。しかしながら、膨大な量のデータを高速かつ多面的に分析することが可能となったことで、膨大なデータから標準的なパターンを学習し、標準的なパターンから外れた"異常"なデータだけを検出しテストするといったアプローチが開発されています(下図はイメージです)。

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このように監査業界においてもDXが着々と浸透しつつあり、これにより我々監査人の監査時間と仕事がどんどん減っている、わけではありません。むしろ"濃度"で言えば高くなっています。
1つ目の例で言えば、データの加工や抽出といった相対的に単純な作業を減らし、どのようなデータをテストすべきか、そもそもこのデータはどのような意味を持つのか、といったより本質的な業務へと監査のリソースを集中させることが必要とされています。2つ目の例においても、何が標準的な、何が異常なパターンであり、それを裏付ける証拠は何か、異常なデータはエラーなのかどうか、といったポイントに監査人はより力を注ぐことになります。

これからの監査の現場において、今まで以上にITに関する知識や経験が重要になってくることは間違いありません。STEAM人材という言葉なんかも聞くことがあるかもしれません。STEAMとはScience、Technology、Engineering、Art、Mathematics の頭文字を取った造語で、STEAM人材とはこれらを統合的に学んだ人材のことです。

しかし、単にITの知識や資格を持つだけではなく、様々な分野、新たな物事に興味を持ち、積極的に1歩を踏み出す行動力こそがこれからの時代も変わらず、むしろ今まで以上に必要になると思います。
少し大げさに描きましたが、ITを使いこなすには知識も必要ですが、それと同じ以上に興味や意欲を持つことが大切だと思っています。私もガチガチの文系ですが、人に聞いたり資料を見たりネットを彷徨ったりして今のところ何とかなっています。

これからも新しいことにプロアクティブに取り組んでいける方々と共に働いていけることを楽しみにしています。

【以下は法人説明会のご案内です】
法人説明会は随時開催しておりますので、お気軽にご連絡ください。
 ・新型コロナウイルス感染防止のため1~3名ずつの少人数で開催しております。
 ・希望される方にはオンラインでの説明会も実施しております。

◆対象:2020年公認会計士試験論文式試験受験者及び過年度合格者
◆日時:9:00~19:00の間で随時開催(土日祝日可)  
◆所要時間:1時間程度
◆会場:EY新日本有限責任監査法人 新潟事務所
   (新潟市中央区東大通一丁目3番10号大樹生命新潟ビル7階)
◆内容:新潟事務所概要、オフィスツアー等
◆持ち物:筆記用具
※オンラインでの参加の場合は、カメラ・音声機能付きのPC又はモバイル端末(タブレット、スマートフォン)が必要になります。「Microsoft Teams」での開催を予定しておりますが、詳細はご予約時にご案内いたします。

◆お申し込み方法 : 電話もしくはメールにてご予約をお願いいたします。
ご希望の日時(午前、午後、夕方)、参加方法(現地又はオンライン)を第3希望までご連絡ください。調整の上、折り返しご連絡させていただきます。
 ≪連絡先≫ 
・TEL:025-245-4611
・メール:Ryoko.Wakatsuki@jp.ey.com
      Yumi.Kanno@jp.ey.com
◆お申し込み期限:参加希望日の前々日の17:30まで