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10分でわかる経済の本質 
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の含意と日本への影響

2015.04.23
※ EY総合研究所は2017年6月30日をもって解散いたしました。 下記の掲載内容は公開時の情報となります。

10分でわかる経済の本質 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の含意と日本への影響 アジアのインフラ整備支援を目的とした「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の創設メンバーが、57カ国にものぼることが判明した。中国主導であることから、米国が参加を見合わせるよう友好国に働きかけを行ったにもかかわらず、先進国や米国の同盟国も多く含まれる結果となった。既存の国際開発銀行の改革が進まない中、世界的に余剰になっている資金を、旺盛なアジアのインフラ投資需要につなげる、というAIIBのコンセプトが世界のニーズに合致していたということだろう。ただ、AIIBのインフラ融資を通じて、国内の資金余剰・生産力過剰の解消を図ろうとする中国の意図は、十分には達せられないだろう。これは、国益重視の中国の支援政策に限界が見え始めていることや、国内経済の不均衡が大きすぎることなどによるものである。AIIB創設の日本への直接的な影響は大きくないものの、米国の対中戦略が転換すると、間接的には大きな影響が及ぶ。日米もいずれAIIBに参加するとみられるが、AIIB創設の含意と影響については、地政学的観点からの慎重な議論が必要だと思われる。