国際財務報告基準
(IFRS、国際会計基準)
保険IFRSアラート

IASBはIFRS第17号「保険契約」の適用日を2021年1月1日に設定

2017.02.08

保険契約をとりまくIFRSの審議の進捗状況を解説します。

重要ポイント
  • IASBは、IFRS第17号の強制適用日を2021年1月1日に設定した。企業がIFRS第9号及びIFRS第15号を適用する場合は、早期適用も認められる。
  • IASBは、集約のレベル、移行措置、ビルディング・ブロック・アプローチ及び変動手数料アプローチの適用要件を変更することで、フィールドテストの際に提起された懸念に対応している。

概要

国際会計基準審議会(以下、「IASB」又は「審議会」)は、11月に行われた会議で、IFRS第17号「保険契約」のフィールドテスト及び草案作成の際に提起された課題のいくつかを討議し、同基準の適用日に関して合意した(IFRS第17号は、IASBの保険契約プロジェクトであるIFRS第4号フェーズⅡの過程で開発が進められている新たな基準名である)。

これまでの経緯

IASBのウェブサイトでは、この会議に先立つ保険契約の会計モデルに関する暫定的な決定について、以下をはじめとする情報を掲載している。

  • 同プロジェクトのこれまでの進捗に関する全体の要約と暫定的決定の概要を記述した、審議会のカバー・ノートと本文 ifrsウェブサイトへ
  • 同プロジェクトとモデル案に関するさらに詳細な情報 ifrsウェブサイトへ

今後の展開

本会議で行われた決定を受けて、審議会はIFRS第17号に関する再審議を完了した。IASBスタッフは2016年11月の会議で下された決定をIFRS第17号の改訂案に反映させるため引き続き作業に取り組み、外部識者にIFRS第17号改訂案の重大欠陥の有無についてのレビューを依頼する予定である。

審議会は2017年上半期にIFRS第17号の公表を予定している。

EYの見解

IASBは11月の会議で決定を下したことで、何年も検討を重ねた後に再審議に付すことに終止符を打ったとみられる。これは、2017年上半期の最終基準の公表に向けて、IASBが力を注いでいるという明確なシグナルであろう。

11月の会議で下された決定の多くは、明らかにフィールドテストのフィードバックを反映したもので、審議会による提案の明瞭性と実施可能性に関するフィードバックを検討し、それに応えようとする審議会の意向を表していた。集約のレベルに関する改訂案は、契約開始時における不利な契約の識別や基準のドラフティングの過程で検討の必要のある相互扶助(mutualisation)の適用に関しては未確定な部分もあるものの、契約のグルーピングを決定するためのアプローチについて、トップダウンで進めようとする審議会の明確な意向が見て取れる。移行措置の要求事項は引き続き複雑だが、企業ごとの状況に合わせてより適切に基準を適用できるよう、より多くの選択肢を企業に与えている。

2017年上半期の最終基準の公表に基づいて、適用開始日が2021年となることで、保険会社にはおよそ3年半の導入期間が設けられる。IASBはこの導入までの期間を他の基準と比べれば比較的長いとしているものの、IFRS第17号は複雑なため、企業に待つ余裕はなく、導入に向けた準備を直ちに開始する必要があるだろう。




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