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収益認識基準特集!

最終更新日: 2018.10.18
EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 森田 寛之

2018年3月30日に企業会計基準委員会より企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下、これらを合わせて「収益認識基準」という)が公表されました。原則適用は2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からとなっていますが、2018年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から早期適用が可能である等、現在多くの企業にとって注目度の高い会計基準となっています。

そこで今回は収益認識基準特集!として、EY新日本有限責任監査法人のウェブサイトにて公開している記事をカテゴリー別に分類し、紹介します。

1. 収益認識基準のポイントまとめ

我が国においては、これまで収益認識に関する包括的な会計基準が開発されてきませんでした。一方で、国際的な会計基準ではIFRS第15号が2018年1月1日、米国会計基準のTopic606が2017年12月15日より後に開始する事業年度から既に適用されています。

このような背景の下、企業会計基準委員会は2015年3月に我が国における収益認識に関する包括的な会計基準の開発に向けた検討に着手することを決定した後、2017年7月20日に収益認識に関する会計基準の公開草案の公表を皮切りに議論を重ね、2018年3月30日に収益認識基準を公表するに至りました。収益認識基準の開発方針として国際的な比較可能性を重視してきたため、当該基準は基本的にIFRS15号の原則を全て取り入れています。

収益認識基準は、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するように、収益を認識することを基本原則としています(企業会計基準第29号 第16項)。この原則に従って収益を認識するために、収益認識基準では5つのステップを適用し収益を認識することを求めています(同 第17項)。なお、我が国のこれまでの実務等を配慮して、重要性等に関する代替的な取扱いも認められています(企業会計基準適用指針第30号 第92項~第104項)。

EY新日本有限責任監査法人では、前述の5つのステップを中心に収益認識基準のポイントを解説しています。

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2. 開示への影響

収益認識基準の公表により財務諸表等規則等において収益認識に関する注記(財務諸表等規則第8条の32、連結財務諸表規則第15条の26)が追加されました。具体的には、顧客との契約から生じる収益について財務諸表提出会社の主要な事業における主な履行義務の内容、及び財務諸表提出会社が当該履行義務に関する収益を認識する通常の時点についての注記が必要となります。また、①棚卸資産及び工事損失引当金の注記、②売上高の表示方法、③割賦販売売上高の表示方法の規定は削除されることとなりました。

上記規定は2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から原則適用となり、2018年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から早期適用することが認められています。適用時期については、いずれも収益認識基準と同様になります。

また、会社計算規則については2018年7月30日に会社計算規則の一部を改正する省令案が公表されており、収益認識に関する注記について注記表に区分表示することが提案されています。

3. 業種別の解説

収益認識については業種別にさまざまな論点が存在します。収益認識基準の適用に際しては、取引内容を再検討し、収益認識基準に照らした整理が求められます。

EY新日本有限責任監査法人が毎月発刊しています情報センサーでは、収益認識基準の公表前の2016年12月の第1回の小売業より、第11回の外食産業まで収益認識に関する業種固有の論点を紹介しています。

4. 導入のポイント

売上高は、財務諸表を利用する人々にとって最も重要な指標の1つであり、収益認識基準の適用による導入のインパクトは大きいと考えられ、慎重な対応が求められます。収益認識基準の導入に当たっては、会計的な対応のみならず業務フローの変更やITの対応等も必要となるため、商流の数や種類によっては想定以上のコストがかかることがあります。

以下では影響度調査から導入後の対応まで五段階のフェーズに分割し、導入のアプローチを紹介しています。

5. その他の記事

その他、収益認識基準の適用に当たって参考となる記事を紹介します。