早期退職支援制度実施に伴う未認識項目の取扱い

2015年12月14日
カテゴリー 会計実務Q&A

Question 

早期退職支援制度の実施に伴って大量退職が見込まれていますが、未認識数理計算上の差異、会計基準変更時差異及び過去勤務費用の未処理額(以下、未認識数理計算上の差異等)はどのように取り扱われますか。

Answer 

「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」第8項において、「大量退職」とは、工場の閉鎖や営業の停止等により、従業員が予定より早期に退職する場合であって、退職給付制度を構成する相当数の従業員が一時に退職した結果、相当程度の退職給付債務が減少する場合と定義されています。 まず、早期退職支援制度の実施前の基礎率に基づいて数理計算した退職給付債務と、実施後の基礎率に基づいて数理計算した退職給付債務を比較して、上記規定に定める「相当程度の退職給付債務が減少する場合」に当たるかどうか、を判定します。
そして「相当程度の退職給付債務が減少する場合」に当たると判定される場合には、大量退職における退職給付の支払い等を伴う減少部分の会計処理については、退職給付制度の一部終了に準じるので、終了部分に対応する未認識数理計算上の差異等を終了した時点における退職給付債務の比率、その他合理的な方法により算定し、損益として認識することになります。認識される当該損益は、退職給付制度の終了という事象に伴って生じたものであるため、原則として、特別損益に表示することになります。
また、大量退職の結果、平均残存勤務期間が短縮又は延長した場合には、従来の費用処理期間を短縮又は延長する必要があります。(「退職給付に関する会計基準の適用指針」第40項参照)

根拠条文

  • 「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」第8項、第10項

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