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子会社株式の追加取得により連結上の資本剰余金が計上されている子会社を親会社が吸収合併した場合の取扱い

2017.10.20

Question

当社(P社)は、設立時から80%の持分を所有している連結子会社S社(S社株式の帳簿価額800)について、平成25年9月改正の連結財務諸表に関する会計基準が適用される連結会計年度の期首(H27.4.1)に連結子会社(S社)株式を追加取得(追加取得額900)し、100%の持分比率にした上で、翌連結会計年度期首(H28.4.1)にS社を吸収合併します。S社株式の追加取得により連結財務諸表で計上された資本剰余金は、P社の個別財務諸表における合併処理上も計上されることになるのでしょうか。 S社のB/Sは以下のとおりです。

S社のB/S H27.4.1 H28.3.31
諸資産 4,000 5,000
諸負債 1,000 1,000
資本金 500 500
資本剰余金 500 500
利益剰余金 2,000 3,000
負債・純資産計 4,000 5,000

Answer

子会社株式の追加取得により連結財務諸表で計上される資本剰余金は、親会社が当該子会社を吸収合併したときには、親会社の個別財務諸表上は抱合せ株式消滅差損益に含まれることになります。
なお、連結財務諸表上、親会社の個別財務諸表で計上された抱合せ株式消滅差損益は、取得後利益剰余金及び資本剰余金に振り替えることになります。

【設例】
H28.3期

<P社の個別財務諸表の仕訳>
追加取得

(借) (貸)
S社株式 900 現金 900

<P社の連結財務諸表の仕訳>
開始仕訳

(借) (貸)
資本金 500 S社株式 800
資本剰余金 500 非支配株主持分 600
利益剰余金(期首) 400

追加取得

(借) (貸)
非支配株主持分 600 S社株式 900
資本剰余金※1 300
  • ※1 H27.4.1のS社株式の追加取得額  900
  •    上記の追加取得による持分増加   600
  • 差額:資本剰余金         300
  • ※2 非支配株主持分への利益配分仕訳は省略する。

H29.3期

<P社の個別財務諸表の仕訳>
合併仕訳

(借) (貸)
諸資産 5,000 諸負債 1,000
S社株式 1,700
抱合せ株式消滅差益※ 2,300

※取得後利益剰余金持分額2,600(=2,000×80%+1,000×100%)-追加取得による連結上の資本剰余金 300=2,300

<P社の連結財務諸表の仕訳>
開始仕訳

(借) (貸)
資本金 500 S社株式 800
資本剰余金 500 非支配株主持分 600
利益剰余金(期首) 400
非支配株主持分 600 S社株式 900
資本剰余金 300

開始仕訳の戻し

(借) (貸)
S社株式 800 資本金 500
非支配株主持分 600 資本剰余金 500
利益剰余金(期首) 400
S社株式 900 非支配株主持分 600
資本剰余金 300

抱合せ株式消滅差益の消去

(借) (貸)
抱合せ株式消滅差益 2,300 利益剰余金(期首) 2,600
資本剰余金 300

根拠条文

  • 「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」
    第206項(2)①ア,第208項


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