四半期で有価証券評価損を計上し、その後時価が回復した場合の損益計算書上の表示

2010年12月13日
カテゴリー 会計実務Q&A

Question 

第1四半期に有価証券の減損処理に基づく評価損を計上した場合、第2四半期以降の損益計算書上の表示はどのようになるでしょうか。

Answer 

四半期洗替え法を採用する場合と四半期切放し法を採用する場合で、損益計算書の表示は異なります。

事例

  • 取得原価1,000の有価証券の第1、第2、第3四半期末及び年度末の時価は、それぞれ400、450、450、480となっている。

(四半期切放し法を採用する場合)

第2四半期以降で時価が回復している場合であっても、取得原価が減損処理後の金額に付け替えられているため、評価損を戻し入れることは認められません。
したがって、その後の四半期及び年度の評価損は、第1四半期において計上された金額のまま損益計算書に表示されます。

(四半期洗替え法を採用する場合)

第2四半期以降に時価が回復している場合には、各四半期及び年度の時価と当初の取得価額1,000との差が評価損となり、次のような損益計算書の表示が考えられます。

損益計算書 1Q  2Q 3Q 連結会計年度
3か月 累計
3か月 累計
営業外又は特別利益            
(投資有価証券評価損戻入益) 50



特別損失            
(投資有価証券評価損) 600
550
550 520

根拠条文

  • 「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」第4項

この記事に関連するテーマ別一覧

四半期

企業会計ナビ

企業会計ナビ

会計・監査や経営にまつわる最新情報、解説記事などを発信しています。 

一覧ページへ