業種別会計
卸売業

第2回:販売管理

2010.11.05
新日本有限責任監査法人 卸売業研究会
公認会計士 牧野幸享/森住曜二

1.卸売業における販売管理

(1)販売取引の特徴

①販売取引の種類

卸売業の販売取引は、主として商品の供給者と需要者との仲介を行うものですが、以下のような要素の組み合わせで、様々な種類の販売取引が発生することとなります。

売上先 在庫 契約主体 取引対象
国内
(国内取引)
あり
(非直送取引)
本人
(本人取引)
物品
(物品販売取引)
海外
(輸出取引)
なし
(直送取引)
代理人
(代理取引)
サービス
(役務提供取引)

  • 売上先による区分
    販売取引は、売上先が国内もしくは海外かで、「国内取引」と「輸出取引」とに区分することができます。そして、「輸出取引」の多くは外国通貨で決済される「外貨建取引」に区分されます。
  • 在庫の有無による区分
    卸売業者が仕入れた商品を自己の在庫として保管し、その後販売する取引を「非直送取引」または「見越取引」といい、供給者であるメーカーなどから需要者である小売業者などへ直接商品が送付される取引を「直送取引」または「出合取引」といいます。「直送取引」では、売買が同時に計上されることが多いようです。
  • 契約主体による区分
    卸売業者が契約の本人当事者として供給者及び需要者の双方と契約を締結する「本人取引」と、供給者と需要者の間で直接売買契約が締結され、卸売業者は代理人として機能する「代理取引」とに区分することができます。
  • 取引対象による区分、その他
    取引対象に応じて、「物品販売取引」と「役務提供取引」とに区分することができるだけでなく、海外の仕入先及び売上先の取引の仲介を行う「三国間貿易(仲介貿易)」など、卸売業では他の業種に比べ、様々な種類の販売取引が営まれています。

②リベート

卸売業の一部の分野では、販売取引に関連して受領するリベートが、重要な取引構成要素となる場合があります。リベートは、価格補償リベートや販売目標達成リベートなど、その目的や性質に応じて区分することができるほか、売上高比例や段階比例、ゼロサム、単価制、総額制など、その算定方法に応じても区分することができます。

取引の流れ(その1)

取引の流れ(その1)

取引の流れ(その2)

取引の流れ(その2)