業種別会計
電機産業

第5回:リベート取引に関する会計処理と内部統制の特徴

2016.10.18
新日本有限責任監査法人 テクノロジーセクター
公認会計士 松本貴弘/渡邊裕介/小島慎一

リベート取引に関する会計処理と内部統制の特徴

1. リベート取引に関する会計処理

コンシューマ産業の取引慣行として、家電量販店をはじめとした顧客企業にリベートを支払うことがあります。リベートは売上割戻とも呼ばれ、ボリュームディスカウント、販売促進費、販売助成金、協賛金などの名目で支払われるものです。

リベートの会計処理においては、各企業のリベートの支払目的に応じて多様な取扱があるため、リベートに関する会計処理は、売上高から控除する処理と販売費及び一般管理費として処理する方法のいずれも行われています。日本の会計基準では、リベートに関する会計基準が存在しないため、取引条件及びその支払の実態に応じて、個別に判断する必要があります。 売上高から控除する処理は、リベートが販売価額の一部減額、売上代金の一部返金という性格を有する場合に採用されていると考えられます。ただし、リベートの条件は様々であり、場合によっては期末時点でリベート金額が確定しない場合もあり得ます。その場合は、必要に応じて引当金等として計上することになります。

販売費及び一般管理費とする処理は、リベートが顧客企業に対する販売促進費等の経費の補填としての性格を有する場合に採用されていると考えられます。

2. リベート取引に関する内部統制の特徴

リベート取引は契約締結時に販売価額の減額又は代金の支払が確定していないことが多いと思われます。そのため、事後的にリベート金額を決定する場合において、リベート取引自体の正当性及び金額の妥当性を確保するために、適時かつ適切な外部交渉及び社内承認を行う内部統制を整える必要があります。

また、リベート取引は販売実績等に基づいて計算することも多いため、リベートの計上漏れが発生する可能性があります。この計上漏れを防止するために実績計算にシステムを導入し、結果を人為的にチェックする統制を実施する企業もあります。

さらに、リベートの性格が販売価額の減額や売上代金の返金という性格を有したものなのか、もしくは顧客に対する販売促進費等の経費の補填という性格を有したものなのかによって、売上高から控除するのか販売費及び一般管理費として計上するのか会計処理が変わってきますので、リベートの性格を適切に把握できる体制を整備することが必要となります。

まとめ

これまでに解説のとおり、電機産業は非常に幅が広くすべての製造業の要素を何かしら含んでいる業界といえます。従って、会計基準等の変更にも大きく影響を受けることがあると考えられ、今後の会計基準等の動向に十分留意する必要があります。

参考文献

  • 『図解半導体業界ハンドブックVer.2』 著者 半導体産業新聞編集部 東京経済新報社
  • 『図解入門業界研究 最新半導体業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』 編著 センス・アンド・フォース 秀和システム
  • 『図解入門業界研究 最新電気業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』 著者 福井 晋 秀和システム

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