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関連当事者の開示に関する会計基準の概要

第1回:関連当事者の開示

2008.11.13
(2019.03.20更新)
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 七海健太郎
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 中村崇
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1.はじめに

会社と関連当事者との取引は、対等な立場で行われているとは限らず、会社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすことがあります。そのため、その取引の実行にあたっては、取引の合理性を十分に検討し承認するための仕組みが整備されていることが重要と考えられます。また、関連当事者が取締役である場合は利益相反取引としての承認にも留意する必要があります。

関連当事者の開示は、会社と関連当事者との取引や関連当事者の存在が財務諸表に与えている影響を財務諸表利用者が把握できるように、適切な情報を提供するためのものです。

財務諸表の注記事項としての関連当事者の開示については、平成18年10月17日に公表された「関連当事者の開示に関する会計基準」(以下、会計基準)及びその適用指針において、その内容が定められています。

第1回である本稿で、関連当事者の開示の概要を解説し、第2回以降は、開示フローに従い項目ごとに解説します。なお、文中意見にかかわる部分は私見であることをあらかじめお断りしておきます。

2.関連当事者の開示フロー

関連当事者の開示は下記のようなフローに沿って開示対象か否かを検討します。今回のシリーズではこの開示フローでのポイントごとに論点の解説を行います。また、このシリーズでの解説は財務諸表等規則(以下、財規)による開示を前提としていますが、会社法における関連当事者取引の開示検討の基本的なフローも同様となります。

なお、会社法における関連当事者取引に関する注記は、会社計算規則(以下、計規)第112条に定められていますが、財規との開示の違いについては第8回に記載しています。

図1 開示フロー

開示フロー 図表

関連当事者の範囲について、会社との関係から本適用指針に記載されている四つのグループに区分し、要約すると図2のとおりとなります。

図2 関連当事者の範囲

(下図をクリックすると拡大します)

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