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【事例分析】比較情報 遡及適用等がある場合の「主要な経営指標等の推移」開示分析

2013.05.07
新日本有限責任監査法人 ナレッジセンター・リサーチ

平成24年3月期より、「会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準」および「会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」(以下、「過年度遡及会計基準等」といいます)が適用され、「比較情報」という考え方が導入されました。

(ご参考)比較情報に関する解説

そこで、「比較情報」をテーマに、適用初年度の開示分析として、【主要な経営指標等の推移】の開示状況を分析いたしました。なお、検索範囲の網羅性については、確保されていないことを申し添えます。

調査日:
平成25年4月20日

調査対象期間:
平成24年3月31日

調査対象書類:
有価証券報告書

調査対象会社:
平成24年4月2日現在、以下の条件に該当する1,237社
  • 3月31日決算
  • 東証1部に上場している
  • 日本基準を適用している
  • 連結財務諸表を作成している

<前提条件>

過年度遡及会計基準等の適用により、会計方針の変更等や表示方法が変更された場合、原則として、過去より変更後の会計方針や表示方法を用いていたかのように会計処理を行ったり、表示方法を変更したりすることになります。(過年度遡及会計基準4項(9)・(10)、6項、14項)。
同様に、過年度遡及会計基準等の適用により、会計方針の変更等や表示方法が変更された場合に、有価証券報告書の【主要な経営指標等の推移】の記載においても、前連結会計年度および前事業年度については遡及して開示を行うことが必須とされておりますが、前連結会計年度より前および前事業年度より前のものについては遡及して開示を行うことが可能となっております(「企業内容等の開示に関する留意事項について」(企業内容等開示ガイドライン)24-5-7、5-12-2)

そこで今回は、企業内容等の開示に関する内閣府令 第三号様式(記載上の注意)(5) 主要な経営指標等の推移のうち、a最近5連結会計年度に係る次に掲げる主要な経営指標等の推移に着目し、開示事例を分析いたしました。

(イメージ)

【主要な経営指標等の推移】
決算年月 第11期 第12期 第13期 第14期 第15期
平成21年3月 平成22年3月 平成23年3月 平成24年3月 平成25年3月
売上高 百万円 *,*** *,*** *,*** *,*** *,***
経常利益 ** ** ** ** **
当期純利益 ** ** ** ** **

(以下省略)

  • 灰色の網掛け(遡及処理を行う必要がある)
  • 黄色の網掛け(遡及処理を行うことが可能である)

 

1.会社数

遡及処理の開示年度 前連結
会計年度
のみ
前連結会計年度以前も
遡及処理を行っている
総計
過去
2年
過去
3年
過去
4年
項目名          
①会計基準等の改正に伴う会計方針の変更の場合 「1株当たり当期純利益に関する会計基準」および「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」(以下、「1株当たり当期純利益に関する会計基準等」といいます) 47(*1) 4 1 2 54
②①以外の正当な理由による会計方針の変更(自発的な会計方針の変更)の場合 有価証券報告書提出会社が会計方針を変更 7(*1) - - 2 9
子会社または関連会社が会計方針を変更 4 - - - 4
小計 11 - - 2 13
表示方法の変更 6 - - 4 10
総計 64 4 1 8 77
  • (*1)①および②を開示している場合は、それぞれを1社としてカウントしています。
  • (*2)1株当たり当期純利益に関する会計基準等の適用に伴う以下の事例については、上記の会社数には含めておりません。
  • 潜在株式は存在するものの、希薄化効果を有さないこととなったため、開示していない会社7社
  • 遡及処理の影響が軽微のため、遡及処理を行っていない会社3社
  • 遡及処理を行った結果、影響がない旨明記している1社

【主要な経営指標数の推移】 遡及処理開示年数(*)

主要な経営指標数の推移

【主要な経営指標数の推移】 遡及処理開示年数(*)項目別内訳

主要な経営指標数の推移 - 項目別内訳
  • (*)会計基準等の改正に伴う会計方針の変更および会計基準等の改正以外の正当な理由による会計方針の変更を開示している場合は、それぞれを1社としてカウントしています。

2.会社一覧

こちらからダウンロードしてご覧いただけます (80KB)

3.事例

①前連結会計年度のみ遡及処理を行っている事例

会社名:武田薬品工業(株)

平成24年3月期 有価証券報告書
第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次 第131期 第132期 第133期 第134期 第135期
決算年月 平成20年3月 平成21年3月 平成22年3月 平成23年3月 平成24年3月
売上高 百万円 1,374,802 1,538,336 1,465,965 1,419,385 1,508,932
~略~
1株当たり当期純利益 418.97 289.82 377.19 314.01 157.29
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 - 289.80 377.14 313.96 157.26

~略~
(欄外注記)
3 当連結会計年度より、「1株当たり当期純利益に関する会計基準」(企業会計基準第2号 平成22年6月30日)および「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第4号 平成22年6月30日)を適用しております。当該会計方針の変更は遡及適用され、第134期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の金額については、遡及適用後の数値を記載しております。

~略~
【会計方針の変更】
(「1株当たり当期純利益に関する会計基準」等の適用)
当連結会計年度より、「1株当たり当期純利益に関する会計基準」(企業会計基準第2号 平成22年6月30日)および「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第4号 平成22年6月30日)を適用しており、潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額の算定方法を一部変更しております。
本会計方針の変更は前連結会計年度の期首より遡及適用されるため、前連結会計年度は遡及適用後の数値を表示しておりますが、この変更による影響は軽微であります。

②前連結会計年度以前を含めて、組み替えて開示を行っている事例

会社名:(株)イエローハット

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移

回次 第50期 第51期 第52期 第53期 第54期
決算年月 平成20年3月 平成21年3月 平成22年3月 平成23年3月 平成24年3月
売上高 (百万円) 106,744 89,831 90,836 95,178 103,110
経常利益 (百万円) 291 999 2,975 5,191 7,188

~略~
(欄外注記)
5.当連結会計年度より当企業集団におけるクレジット関連手数料等に関する計上方法の変更を行っており、第53期以前の売上高については組み替えて表示しております。計上方法の変更に関しては「第5.経理の状況[連結財務諸表等][表示方法の変更]」をご参照下さい。
【表示方法の変更】
(連結損益計算書)
従来、当企業集団におけるクレジット関連手数料等については、「営業外収益」の「受取手数料」に含めて計上しておりましたが、当連結会計年度より「売上高」に含めて計上することに変更いたしました。この変更は、クレジット関連手数料等をカー用品等販売事業の主たる営業収益の一部であると位置付けたことから、当企業集団の営業活動の実態をより適切に表示するために行ったものであります。
当該表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度連結損益計算書の「売上高」および「営業外収益」の「受取手数料」に計上されていた金額はそれぞれ948億92百万円、4億55百万円でしたが、当該表示方法の変更により、「営業外収益」の「受取手数料」に計上されていた金額のうち2億86百万円を「売上高」に組み替えて表示しております。

検索範囲の網羅性については確保されていません。あらかじめご了承ください。


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