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【事例分析】定率法から定額法に変更した事例

2013.04.05
新日本有限責任監査法人 ナレッジセンター・リサーチ

有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更している会社が増加しています。背景には、中期経営計画の策定や、海外への生産拠点移管を契機に、固定資産の減価償却方法を見直す場合等があげられます。そこで、有形固定資産の減価償却方法について、定率法から定額法に変更している会社の開示状況を調査いたしました。なお、検索範囲の網羅性については、確保されていないことを申し添えます。

調査日:
平成24年12月27日

調査対象期間:
第1四半期決算日が、平成24年6月30日

調査対象書類:
四半期報告書

調査対象会社:
四半期報告書提出会社 2,505社

調査に際して使用した主なキーワード:   定率法 定額法 変更 を含む

1.会計方針の開示状況

(1)採用している会計基準(連結(*))
会計基準 会社数
日本基準 77
SEC基準 5
合計 82

(*)四半期連結財務諸表を作成していない会社(1社)については、日本基準に含めて集計しています。

(2)上場区分
区分(*) 会社数
東証一部 66
東証二部 5
大証二部 1
名証二部 1
ジャスダック 8
東証マザーズ 1
合計 82

(*)上記区分は、重複上場している会社について 、最も流動性の高い取引所を 集計しています。

(3)業種別トレンド
業種名 会社数 業種名 会社数
電気機器 13 非公開 2
化学 9 食料品 2
輸送用機器 8 ガラス・土石製品 2
機械 5 鉄鋼 2
医薬品 5 精密機器 1
卸売業 5 銀行業 1
非鉄金属 4 証券、商品先物取引業 1
金属製品 4 水産・農林業 1
情報・通信業 4 建設業 1
小売業 4 電気・ガス業 1
繊維製品 3 保険業 1
サービス業 3    
    総計 82

採用している会計基準(連結)

上場区分

業種別トレンド

2. 会社一覧(合計82社)

業種 証券
コード
会社名 取引所 第1四半期
決算日
会計基準
水産・農林業 1378 (株)雪国まいたけ 東証二部 平成24年6月30日 日本基準
建設業 1929 日特建設(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
食料品 2052 協同飼料(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
2282 日本ハム(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 SEC基準
繊維製品 3101 東洋紡(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
3105 日清紡ホールディングス(株) 東証一部、
大証一部、
名証一部、
札証上場、
福証上場
平成24年6月30日 日本基準
3515 (株)フジコー JQS 平成24年6月30日 日本基準
化学 4005 住友化学(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4023 (株)クレハ 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
4044 セントラル硝子(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4046 ダイソー(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4182 三菱瓦斯化学(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
4183 三井化学(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
4188 (株)三菱ケミカルホールディングス 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4217 日立化成工業(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4970 東洋合成工業(株) JQS 平成24年6月30日 日本基準
医薬品 4503 アステラス製薬(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4506 大日本住友製薬(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4507 塩野義製薬(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4508 田辺三菱製薬(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
4568 第一三共(株) 東証一部、
大証一部、
名証一部
平成24年6月30日 日本基準
ガラス・土石製品 5334 日本特殊陶業(株) 東証一部、
名証一部
平成24年6月30日 日本基準
5352 黒崎播磨(株) 東証一部、
福証上場
平成24年6月30日 日本基準
鉄鋼 5446 北越メタル(株) 東証二部 平成24年6月30日 日本基準
5486 日立金属(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
非鉄金属 5711 三菱マテリアル(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
5812 日立電線(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
5816 オーナンバ(株) 東証二部、
大証二部
平成24年6月30日 日本基準
5821 平河ヒューテック(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
金属製品 3422 (株)丸順 名証二部 平成24年6月30日 日本基準
5970 (株)ジーテクト JQS 平成24年6月30日 日本基準
5989 (株)エイチワン JQS 平成24年6月30日 日本基準
9922 日立機材(株) 東証二部 平成24年6月30日 日本基準
機械 6218 エンシュウ(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
6305 日立建機(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
6409 (株)キトー 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
6460 セガサミーホールディングス(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
6581 日立工機(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
電気機器 6501 (株)日立製作所 東証一部、
大証一部、
名証一部
平成24年6月30日 SEC基準
6651 日東工業(株) 東証一部、
名証一部
平成24年6月30日 日本基準
6707 サンケン電気(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
6727 (株)ワコム 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
6751 日本無線(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
6756 (株)日立国際電気 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
6758 ソニー(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 SEC基準
6796 クラリオン(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
6859 エスペック(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
6878 長野日本無線(株) 東証二部 平成24年6月30日 日本基準
6910 (株)日立メディコ 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
6911 新日本無線(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
7752 (株)リコー 東証一部、
大証一部、
名証一部、
札証上場、
福証上場
平成24年6月30日 SEC基準
輸送用機器 7226 極東開発工業(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
7229 (株)ユタカ技研 JQS 平成24年6月30日 日本基準
7230 日信工業(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
7267 本田技研工業(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 SEC基準
7274 (株)ショーワ 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
7296 (株)エフ・シー・シー 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
7298 八千代工業(株) JQS 平成24年6月30日 日本基準
7313 テイ・エス テック(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
精密機器 7702 (株)ジェイ・エム・エス 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
電気・ガス業 9531 東京瓦斯(株) 東証一部、
大証一部、
名証一部
平成24年6月30日 日本基準
情報・通信業 3789 ソネットエンタテインメント(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
4739 伊藤忠テクノソリューションズ(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
9422 アイ・ティー・シーネットワーク(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
9640 (株)セゾン情報システムズ JQS 平成24年6月30日 日本基準
卸売業 8012 長瀬産業(株) 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
8036 (株)日立ハイテクノロジーズ 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
8133 伊藤忠エネクス(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
9885 (株)シャルレ 大証二部 平成24年6月30日 日本基準
9895 (株)コンセック JQS 平成24年6月30日 日本基準
小売業 4775 総合メディカル(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
8252 (株)丸井グループ 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
8279 (株)ヤオコー 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
9828 元気寿司(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
銀行業 8367 (株)南都銀行 東証一部、
大証一部
平成24年6月30日 日本基準
証券、商品先物取引業 8698 マネックスグループ(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
保険業 8729 ソニーフィナンシャルホールディングス(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
サービス業 2158 (株)UBIC 東証マザーズ 平成24年6月30日 日本基準
2413 エムスリー(株) 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
9792 (株)ニチイ学館 東証一部 平成24年6月30日 日本基準
N/A N/A (株)札幌北洋ホールディングス(*2) 非公開 平成24年6月30日 日本基準
N/A 日立ツール(株) 非公開 平成24年6月30日 日本基準

(*1)会社名は、四半期報告書提出日時点における会社名です。
(*2)(株) 札幌北洋ホールディングスは、(株) 北洋銀行を存続会社とする吸収合併を平成24年10月1日に実施しています。

3. 事例

会社名:エスペック(株) 第1四半期決算日:平成24年6月30日
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
従来、当社および国内子会社は有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法については、定率法(ただし、平成10年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)を除く)を採用しておりましたが、当第1四半期連結会計期間より定額法へ変更しております。
この変更は、会社を取り巻く経営環境の変化に対応して、今後は国内市場においては顧客の設備更新需要を中心として、安定的な成長を目指すこととし、海外市場では、現地での生産体制をより強化する方針としたことを契機として、設備の使用方法に照らした償却方法を再検討した結果、今後は現有設備を長期安定的に使用するための維持・更新を目的とした投資が中心となり、投資効果が収益に対して長期安定的に貢献することが見込まれることから、取得原価を耐用年数にわたって均等配分する定額法による減価償却がより合理的であると判断したことによるものです。
これにより、従来の方法によった場合と比較して当第1四半期連結累計期間の減価償却費は44百万円減少し、営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益はそれぞれ39百万円増加しております。
会社名:(株) キトー 第1四半期決算日:平成24年6月30日
【会計方針の変更等】
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
従来、当社は有形固定資産の減価償却方法については、主として定率法(ただし、平成10年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備は除く)については定額法)を採用しておりましたが、当連結会計年度より定額法に変更しております。
この変更は、中期経営計画における投資計画の検討を機に、有形固定資産の減価償却の方法について再度検討したことによるものであります。その結果、使用期間中に長期安定的に稼動していること、急激な技術的陳腐化は見られないことが確認されました。また、当社の製品需要実態から、今後の投資においても同様の状況が見込まれ、投資効果が平均的に生ずると見込まれるため、有形固定資産の減価償却方法として定額法を採用することが費用配分の観点から合理的であり、経済実態をより適切に反映できると判断し、今回の変更を行うものであります。
これにより、従来の方法によった場合に比べ、当第1四半期連結累計期間の減価償却費は31百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前四半期純利益はそれぞれ19百万円増加しております。
なお、この変更がセグメントに与える影響は、当該箇所に記載しております。
会社名:新日本無線(株) 第1四半期決算日:平成24年6月30日
【会計方針の変更等】
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
有形固定資産の減価償却方法の変更
当グループは、従来、有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について主として定率法(ただし、四半期連結財務諸表提出会社及び国内連結子会社は、平成10年4月1日以降取得した建物(建物付属設備は除く)については定額法)を採用しておりましたが、当第1四半期連結会計期間から、すべての有形固定資産の減価償却方法について定額法に変更いたしました。
この変更は、前期から推進している事業構造改革の一環として生産体制の再構築及び製品構成の見直しを行い、今後生産設備の稼働状況がより安定的になると見込まれることから、これを契機に減価償却方法の見直しを行った結果、今後は耐用年数にわたって取得原価を均等配分することが固定資産の使用実態に即しており、より適切と判断したためであります。
この変更により、従来の方法によった場合と比較して、当第1四半期連結累計期間の減価償却費は233百万円少なく、営業利益は150百万円多く、経常損失及び税金等調整前四半期純損失はそれぞれ150百万円少なく計上されております。
なお、当社の親会社 日清紡ホールディングス(株) と有形固定資産の減価償却方法が同一となりました。
以上
検索範囲の網羅性については確保されていません。あらかじめご了承ください。


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