公表されている会計基準等の適用時期(2023年4月30日現在)

EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 廣瀬 由美子

1. 2023年3月期

1-1 2023年3月期から適用されるもの】

区分 会計基準等
適用時期
内容
時価の算定に関する会計基準の適用指針(投資信託等に関する取扱い)
  • 時価の算定に関する会計基準の適用指針(改正企業会計基準適用指針第31号)
  • 2021年6月17日公表
  • 2022年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる
  • 2022年3月31 日以後終了する連結会計年度及び事業年度における年度末から適用することができる
  • 投資信託財産が金融商品である投資信託の時価
    • 市場における取引価格が存在する: 当該価格
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がない: 基準価額(ただし、会計基準における時価の定義を満たす、他の算定方法により算定された価格の利用を妨げるものではない)
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がある: 時価算定会計基準と整合する評価基準が用いられている場合、基準価額を時価とみなすことができる
  • 投資信託財産が不動産である投資信託の時価
    • 市場における取引価格が存在する: 当該価格
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がない: 基準価額
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がある場合: 基準価額を時価とみなすことができる
  • 基準価額を時価とみなす取扱いを適用した投資信託の注記
    • 基準価額を時価とみなす取扱いを適用しており、時価のレベルごとの内訳等に関する事項を注記していない旨
    • 貸借対照表計上額の合計額
    • 期首残高から期末残高への調整表
    • 解約等に関する制限の内容ごとの内訳(信託財産が金融商品である投資信託の場合)
  • 貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合等への出資の注記(時価の注記は要しない)
    • 時価の注記を要しないとする取扱いを適用しており、時価の注記を行っていない旨
    • 貸借対照表計上額の合計額
グループ通算制度
  • グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い(実務対応報告第42号)
  • 2021年8月12日公表
  • 2022年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2022年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の期末から適用することができる
  • 適用範囲
    • グループ通算制度を適用する企業の連結(個別)財務諸表及び連結納税制度から単体納税制度に移行する企業の連結(個別)財務諸表
    • 通算税効果額の授受を行うことを前提としており、通算税効果額の授受を行わない場合の会計処理及び開示については取り扱っていない
  • 会計処理
    • 連結納税制度とグループ通算制度の相違点に起因する会計処理及び開示を除き、連結納税制度における実務対応報告第5号等の会計処理及び開示に関する取扱いを踏襲
    • 連結財務諸表においては、「通算グループ内のすべての納税申告書の作成主体を1つに束ねた単位」に対して税効果会計を適用する
    • 繰延税金資産の回収可能性の判断に係る企業の分類について連結納税制度における取扱いを踏襲
    • 適用時、加入時及び離脱時の取扱いについて連結納税制度における取扱いを踏襲
  • 表示
    • 通算税効果額は、法人税及び地方法人税を示す科目に含めて、損益計算書に表示する
    • 通算税効果額に係る債権及び債務は、未収入金や未払金などに含めて貸借対照表に表示する
    • 法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について、通算グループ全体の繰延税金資産の合計と繰延税金負債の合計を相殺して、連結貸借対照表の投資その他の資産の区分又は固定負債の区分に表示する
税効果会計
  • グローバル・ミニマム課税に対応する法人税法の改正に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い(実務対応報告第44号)
  • 2023年3月31日公表
  • 公表日(2023年3月31日)以後適用
  • 範囲
    • 「税効果会計に係る会計基準」が適用される連結財務諸表及び個別財務諸表に適用する
  • 会計処理
    • 改正法人税法の成立日以後に終了する連結会計年度及び事業年度の決算(四半期決算を含む)における税効果会計の適用にあたっては、グローバル・ミニマム課税制度の影響を反映しない
  • 開示
    • 本実務対応報告を適用した旨を開示することは求められていない

1-2 2023年3月期から適用することが可能なもの】

区分 会計基準等 適用時期 内容

電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い

  • 電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(実務対応報告第43号)
  • 2022年8月26日公表
  • 2023年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用
  • 公表日(2022年8月26日)以後終了する事業年度及び四半期会計期間から適用することができる
  • 適用範囲
    • 株式会社が電子記録移転有価証券表示権利等を発行又は保有する場合の会計処理及び開示が対象
    • 電子記録移転有価証券表示権利等とは、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第1条第4項第17号に規定される権利をいい、金融商品取引法第2条第2項に規定される有価証券とみなされるもの(みなし有価証券)のうち、電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値に表示される場合に該当するもの
  • 会計処理
    • 発行および保有の会計処理 は基本的に従来のみなし有価証券の発行及び保有の会計処理と同様に取り扱う
  • 表示方法及び注記事項
    • みなし有価証券が電子記録移転有価証券表示権利等に該当しない場合に求められる表示方法及び注記事項と同様

2. 2024年3月期

2-1 2024年3月期以降に適用されるもの】

区分 会計基準等 適用時期 内容
電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い
  • 電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(実務対応報告第43号)
  • 2022年8月26日公表
  • 2023年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用
  • 公表日(2022年8月26日)以後終了する事業年度及び四半期会計期間から適用することができる
  • 適用範囲
    • 株式会社が電子記録移転有価証券表示権利等を発行又は保有する場合の会計処理及び開示が対象
    • 電子記録移転有価証券表示権利等とは、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第1条第4項第17号に規定される権利をいい、金融商品取引法第2条第2項に規定される有価証券とみなされるもの(みなし有価証券)のうち、電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値に表示される場合に該当するもの
  • 会計処理
    • 発行および保有の会計処理 は基本的に従来のみなし有価証券の発行及び保有の会計処理と同様に取り扱う
  • 表示方法及び注記事項
    • みなし有価証券が電子記録移転有価証券表示権利等に該当しない場合に求められる表示方法及び注記事項と同様
法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準等
  • 法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(改正企業会計基準第27号)
  • 包括利益の表示に関する会計基準(改正企業会計基準第25号)
  • 税効果会計に係る会計基準の適用指針(改正企業会計基準適用指針第28号)
  • 2022年10月28日公表
  • 2024年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2023年4月1日以後開始する年度の期首から適用することができる
  • 税金費用の計上区分
    • 当事業年度の所得に対する法人税等を、その発生源泉となる取引等に応じて、損益、株主資本及びその他の包括利益に区分して計上
  • グループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果
    • 連結会社間で子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べ、売却した企業の個別財務諸表において、売却損益に係る一時差異に対して繰延税金資産又は繰延税金負債が計上されているときは、連結決算手続上、当該一時差異に係る繰延税金資産又は繰延税金負債を消去する
    • 購入側の企業による当該子会社株式等の再売却等の意思決定がなされた時点において、当該消去額を戻し入れる
    • 子会社に対する投資に係る連結財務諸表固有の一時差異について、予測可能な将来の期間に子会社株式の売却(売却損益を繰り延べる場合)を行う意思決定又は実施計画が存在しても、当該一時差異に係る繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しない

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