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「収益認識に関する会計基準」等(表示・注記)のポイント

2020.04.20
EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 横井 貴徳

<ASBJから2020年3月31日に公表>

2020年3月31日に、ASBJより、以下の会計基準等(以下「本会計基準等」という。)が公表されています。

  • 改正企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下「改正会計基準」という。)
  • 改正企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下「改正適用指針」という。)
  • 改正企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」(以下「改正四半期会計基準」という。)
  • 改正企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」
  • 改正企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」

ASBJは、2018年3月30日に、我が国における収益認識に関する包括的な会計基準として、以下の企業会計基準及びその適用指針を公表しました。

  • 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下「2018年会計基準」という。)
  • 企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」

2018年会計基準においては、注記について、2018年会計基準を早期適用する場合の必要最低限の注記(企業の主要な事業における主な履行義務の内容及び企業が当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点))のみ定め、2018年会計基準が適用される時(2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首)までに、注記事項の定めを検討することとしていました。

また、収益認識の表示に関する次の事項についても同様に、財務諸表作成者の準備期間を考慮した上で、2018年会計基準が適用される時までに検討することとしていました。

  • (1)収益の表示科目
  • (2)収益と金融要素の影響(受取利息又は支払利息)の区分表示の要否
  • (3)契約資産と債権の区分表示の要否

その後、ASBJでの審議を経て2019年10月に公開草案が公表され、2020年1月10日を期限として広くコメントの募集が行われました。本会計基準等は、寄せられたコメントを検討し、公開草案の修正を行った上で公表されたものです。

Ⅰ. 公開草案からの主な変更点

1. 表示

契約負債を貸借対照表において他の負債と区分して表示しない場合には、契約負債の残高を注記することが追加的に求められています(改正会計基準第79項)。

2. 注記事項

(1) 開示目的

開示目的に照らして重要性に乏しいと認められるか否かの判断は、定量的な要因と定性的な要因の両方を考慮する必要があり、その際、定量的な要因のみで判断した場合に重要性がないとは言えない場合であっても、開示目的に照らして重要性に乏しいと判断される場合もあると考えられる旨が明確化されています(改正会計基準第第168項)。

(2) 収益の分解情報

企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(以下「セグメント情報等会計基準」という。)に基づいて開示される売上高に関する情報が、本会計基準における収益の会計処理の定めに基づいており、かつ、一定の場合には、セグメント情報に追加して収益の分解情報を注記する必要はないものと考えられる旨が明確化されています(改正適用指針第191項)。

(3) 残存履行義務に配分した取引価格

開示目的に照らして残存履行義務の注記に含めるか否かを決定するにあたっては、収益の分解情報を区分する単位(分解区分)ごと(複数の分解区分を用いている場合には分解区分の組み合わせ)又はセグメントごとに判断することも考えられる旨、この場合には残存履行義務の注記に含めた分解区分(分解区分の組み合わせ)又はセグメントを注記することが考えられる旨が明確化されています(改正会計基準第205項)。

3. 連結財務諸表を作成している場合の個別財務諸表における表示及び注記事項

連結財務諸表を作成している場合の個別財務諸表においては、改正会計基準第78-2項、第78-3項及び第79項の表示及び注記に関する定めを適用しないことができることが明確化されています(改正会計基準第80-25項)。

4. 適用範囲の見直しを行ったもの

本会計基準等の適用範囲の見直しを行い、「暗号資産及び電子記録移転権利に関連する取引」が、本会計基準等の範囲から除外されています(改正会計基準第3項(7)及び第108-2項)。

5. 見直した設例

[設例12]について、2018年適用指針では仕訳が示されていましたが、仕訳を示すことによりかえって混乱する可能性があるため、仕訳が削除されています。また、[設例13]について、[設例28]を新設したことに伴い、仕訳が一部変更されています。

Ⅱ. 本会計基準等の概要

1. 表示

(1) 顧客との契約から生じる収益の区分表示又は注記及び表示科目(改正会計基準第78-2項、第155項及び第156項並びに改正適用指針第104-2項)

顧客との契約から生じる収益の額を、適切な科目をもって損益計算書に表示するか、注記することになります。また、顧客との契約から生じる収益は、例えば、売上高、売上収益、営業収益等として表示することになります。

(2) 貸借対照表上の表示科目(改正会計基準第79項及び改正適用指針第104-3項)

2018年会計基準では、契約資産、契約負債又は債権を、適切な科目をもって貸借対照表に表示するとしていました。本会計基準等では、契約資産、契約負債又は顧客との契約から生じた債権について、下記の例が挙げられています。

  • 契約資産...契約資産、工事未収入金等
  • 契約負債...契約負債、前受金等
  • 顧客との契約から生じた債権...売掛金、営業債権等

(3) 契約資産と顧客との契約から生じた債権及び契約負債の区分表示又は注記の要否(改正会計基準第79項及び第159項)

2018年会計基準では、契約資産と債権を貸借対照表において区分表示せず、かつ、それぞれの残高を注記しないことができることとし、当該区分表示及び注記の要否は、2018年会計基準が適用される時までに検討することとされていました。

本会計基準等においては、当該記載を削除し、改正会計基準第79項に従って、契約資産と顧客との契約から生じた債権のそれぞれについて、貸借対照表に他の資産と区分して表示するか、貸借対照表に他の資産と区分して表示しない場合は、それぞれの残高を注記することになります。

また、契約負債を貸借対照表において他の負債と区分して表示しない場合には、契約負債の残高を注記することになります。

(4) 顧客との契約に重要な金融要素が含まれる場合の取扱い(改正会計基準第78-3項及び第157項)

顧客との契約に重要な金融要素が含まれる場合、顧客との契約から生じる収益と金融要素の影響(受取利息又は支払利息)は、損益計算書において区分して表示することになります。

(5) 顧客との契約から生じた債権又は契約資産について認識した減損損失の開示(改正会計基準第158項)

国際財務報告基準(IFRS)第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という。)において要求されている顧客との契約から生じた債権又は契約資産について認識した減損損失の開示に関しては、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)の見直しと合わせて検討することとし、本会計基準等において当該開示は求めないこととされています。

2. 注記事項

(1) 注記事項の開発にあたっての基本的な方針(改正会計基準第101-2項から第101-6項)

注記事項の検討にあたっての基本的な方針として、次の対応が行われています。

  • 包括的な定めとして、IFRS第15号と同様の開示目的及び重要性の定めを改正会計基準に含める。また、原則としてIFRS第15号の注記事項のすべての項目を改正会計基準に含める。
  • 企業の実態に応じて個々の注記事項の開示の要否を判断することを明確にし、開示目的に照らして重要性に乏しいと認められる項目については注記しないことができることを明確にする。

(2) 重要な会計方針の注記(改正会計基準第80-2項、第80-3項及び第160項から第165項)

顧客との契約から生じる収益に関する会計方針として、次の項目を注記することになります。

2018年会計基準の早期適用時の注記事項(2018年会計基準第80項)である「企業の主要な事業における主な履行義務の内容」及び「企業が当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)」については、重要な会計方針に含めて記載することになります。

  • 企業の主要な事業における主な履行義務の内容
  • 企業が当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)

ただし、上記の項目以外にも、重要な会計方針に含まれると判断した内容については、重要な会計方針として注記することになります。

(3) 収益認識に関する注記

  • 開示目的(改正会計基準第80-4項及び第80-6項、第166項から第168項及び第171項)
    「注記事項の開発にあたっての基本的な方針」に記載した基本的な方針のもと、顧客との契約から生じる収益に関する情報を注記するにあたっての包括的な定めとして開示目的「顧客との契約から生じる収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性を財務諸表利用者が理解できるようにするための十分な情報を企業が開示すること」が設けられています。開示目的を達成するための収益認識に関する注記として、次の項目が示されています。
    1. 収益の分解情報(下記③参照)
    2. 収益を理解するための基礎となる情報(下記④参照)
    3. 当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報(下記⑤参照)

    必要な注記を検討するにあたっては、開示目的に照らして重要性を考慮すべきであると考えられるため、本会計基準等では、重要性に乏しい情報の注記をしないことができることが明確にされています。

    なお、開示目的に照らして重要性に乏しいと認められるか否かの判断は、定量的な要因と定性的な要因の両方を考慮する必要があり、その際、定量的な要因のみで判断した場合に重要性がないとは言えない場合であっても、開示目的に照らして重要性に乏しいと判断される場合もあると考えられる旨が結論の背景に記載されています。

  • 収益認識に関する注記の記載方法等(改正会計基準第80-7項から第80-9項、第169項、第170項、第172項及び第173項)
    収益認識に関する注記の記載方法等は、次のとおりです。
    1. 我が国においては、個別の会計基準で定める個々の注記事項の区分に従って注記事項の記載がなされていることが多いが、収益認識に関する注記を記載するにあたっては、本会計基準で示す注記事項の区分に従って注記事項を記載する必要はない。
    2. 重要な会計方針として注記している内容は、収益認識に関する注記として記載しないことができる。
    3. 収益認識に関する注記として記載する内容について、財務諸表における他の注記事項に含めて記載している場合には、当該他の注記事項を参照することができる。
  • (注記事項)収益の分解情報(改正会計基準第80-10項、第80-11項及び第174項から第178項並びに改正適用指針第106-3項から第106-5項、第190項及び第191項)
    当期に認識した顧客との契約から生じる収益について、収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性に影響を及ぼす主要な要因に基づく区分に分解した情報を注記することになります。

    また、セグメント情報等会計基準を適用している場合、収益の分解情報と、セグメント情報等会計基準に従って各報告セグメントについて開示する売上高との間の関係を財務諸表利用者が理解できるようにするための十分な情報を注記することになります。

    なお、セグメント情報等会計基準に基づいて開示される売上高に関する情報が、本会計基準における収益の会計処理の定めに基づいており、かつ、収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性に影響を及ぼす主要な要因に基づく区分に分解した情報として十分であると判断される場合には、セグメント情報に追加して収益の分解情報を注記する必要はないものと考えられる旨が結論の背景に記載されています。

  • (注記事項)収益を理解するための基礎となる情報(改正会計基準第80-12項から第80-19項及び第179項から第191項並びに改正適用指針第106-6項及び第106-7項)
    顧客との契約が、財務諸表に表示している項目又は収益認識に関する注記における他の注記事項とどのように関連しているのかを示す基礎となる情報として、次の事項を注記することになります。
    1. 契約及び履行義務に関する情報
    2. 取引価格の算定に関する情報
    3. 履行義務への配分額の算定に関する情報
    4. 履行義務の充足時点に関する情報
    5. 本会計基準の適用における重要な判断
  • (注記事項)当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報
    当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報として、「契約資産及び契約負債の残高等」及び「残存履行義務に配分した取引価格」を注記することになります。

    これらの注記については、財務諸表作成者から作成負担に対する懸念が寄せられており、これらの注記を求めることの要否について別途検討が行われました。その結果、これらの注記は、IFRS第15号においても、実務上の負担を考慮し、当初の提案から一定の軽減を図った上で、有用性の観点から要求されたものであることから、本会計基準等においては、IFRS第15号における検討を考慮するとともに、これらの注記の便益とコストを比較し、次の対応を図った上で、本会計基準等に含めることとされています。

    1. 契約資産及び契約負債の残高等(改正会計基準第80-20項及び第192項並びに改正適用指針第106-8項及び第192項)
      当期中の契約資産及び契約負債の残高に重要な変動がある場合には、その内容について注記することになります。

      また、IFRS第15号においては、当該記載には、定性的情報と定量的情報を含めなければならないとされていますが、本会計基準等では、当該注記には必ずしも定量的情報を含める必要はないとされています。

    2. 残存履行義務に配分した取引価格(改正会計基準第80-21項から第80-24項及び第193項から第205項)
      残存履行義務に配分した取引価格の注記(以下「残存履行義務の注記」という。)においては、IFRS第15号と同様に、当初に予想される契約期間が1年以内の契約の一部である履行義務を残存履行義務の注記に含めないことを認める等、IFRS第15号に基づく実務上の便法を定めています。また、FASB Accounting Standards Codification(米国財務会計基準審議会(FASB)による会計基準のコード化体系)のTopic 606「顧客との契約から生じる収益」に定められている実務上の便法も含めています。

      なお、開示目的に照らして残存履行義務の注記に含めるか否かを決定するにあたっては、収益の分解情報を区分する単位(分解区分)ごと(複数の分解区分を用いている場合には分解区分の組み合わせ)又はセグメントごとに判断することも考えられる旨、この場合には残存履行義務の注記に含めた分解区分(分解区分の組み合わせ)又はセグメントを注記することが考えられる旨が結論の背景に記載されています。

  • (注記事項)工事契約等から損失が見込まれる場合(改正適用指針第106-9項、第106-10項及び第193項)
    企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」(以下「工事契約会計基準」という。)は、本会計基準等が適用される時に廃止されることとなるため、工事契約会計基準に定める次の注記を引き継ぐこととされています。
    1. 当期の工事損失引当金繰入額
    2. 同一の工事契約に関する棚卸資産と工事損失引当金がともに計上されることとなる場合、棚卸資産と工事損失引当金の相殺の有無と関連する影響額
  • 3. 連結財務諸表を作成している場合の個別財務諸表における表示及び注記事項(改正会計基準第80-25項及び第80-27項、第206項及び第207項)

    連結財務諸表を作成している場合の個別財務諸表においては、改正会計基準第78-2項、第78-3項及び第79項の表示及び注記に関する定め(上記「1.表示」参照)を適用しないことができます。

    また、収益認識に関する注記の定めにかかわらず、改正会計基準第80-5項に掲げる項目のうち、(1)「収益の分解情報」(上記「2.注事事項(3)収益認識に関する注記③」参照)及び(3)「当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報」(上記「2.注事事項(3)収益認識に関する注記⑤」参照)については、注記しないことができます。

    さらに、改正会計基準第80-5項(2)「収益を理解するための基礎となる情報」(上記「2.注事事項(3)収益認識に関する注記④」参照)の注記を記載するにあたり、連結財務諸表における記載を参照することができます。

    4. 範囲及び会計処理

    (1) 適用範囲の見直しを行ったもの

    • 暗号資産及び電子記録移転権利に関連する取引(改正会計基準第3項(7)及び第108-2項)
      2019年10月に公表した公開草案に寄せられたコメントの中には、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)における仮想通貨に関連する取引と本会計基準等との関係について見直すべきとの意見がありました。審議の結果、2018年会計基準から適用範囲の見直しが行われ、これらに関連する取引が本会計基準等の範囲から除外されています。

    (2) 会計処理の見直しを行ったもの

    • 契約資産の性質(改正会計基準第77項及び第150-3項)
      2018年会計基準においては、契約資産を金銭債権として取り扱うこととしていましたが、本会計基準等においては、IFRS第15号における取扱いを踏まえ、契約資産が金銭債権に該当するか否かについて言及せず、改正会計基準に定めのない契約資産の会計処理について、金融商品会計基準における債権の取扱いに準じて処理すること、また、外貨建ての契約資産に係る外貨換算について、企業会計審議会「外貨建取引等会計処理基準」の外貨建金銭債権債務の換算の取扱いに準じて処理することとされています。

    (3) 用語の見直しを行ったもの

    • 契約の識別(改正会計基準第21項、第80-22項(1)、第80-24項(1)、第119項、第119-2項等)
      2018年会計基準においては、2018年会計基準の対象となる契約の期間について、「契約の当事者が現在の強制力のある権利及び義務を有している契約の存続期間を対象として適用される。」とされていました。改正会計基準では、「契約の存続期間」という表現が「契約期間」に変更されていますが、これは2018年会計基準の取扱いを変えることを意図するものではない、とされています。
    • 契約の解約時の取扱い(改正適用指針第11項及び第122-2項)
      2018年適用指針においては、一定の期間にわたり充足される履行義務であるか否かの判断の要件の1つである、履行を完了した部分について対価を収受する強制力のある権利を有している場合の説明について、「契約期間にわたり、企業が履行しなかったこと以外の理由で契約が解約される際に、少なくとも履行を完了した部分についての補償を受ける権利を有している場合である。」とされていました。改正適用指針においては、契約を解約する主体が「顧客又は他の当事者」であることが明記されていますが、当該変更は、2018年適用指針の取扱いを変えることを意図するものではない、とされています。

    5. 適用時期及び経過措置(改正会計基準第81項から第89-4項及び第208項から第216項)

    • (1)本会計基準等は、2018年会計基準の適用日を踏襲し、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用となります。
    • (2)早期適用として、2020年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から本会計基準等を適用することができます。なお、早期適用については、追加的に、2020年4月1日に終了する連結会計年度及び事業年度から2021年3月30日に終了する連結会計年度及び事業年度までにおける年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から本会計基準等を適用することができます。
    • (3)本会計基準等の適用初年度の前連結会計年度の連結財務諸表(注記事項を含む。)及び前事業年度の個別財務諸表(注記事項を含む。)(以下合わせて「適用初年度の比較情報」という。)について、新たな表示方法に従い組替えを行わないことができます。
    • (4)本会計基準等の適用初年度においては、本会計基準等において定める注記事項を適用初年度の比較情報に注記しないことができます。

    なお、2018年会計基準等について、本会計基準等が公表された時点で適用時期を迎えていません(すなわち、2018年会計基準等の早期適用が可能です。)。したがって、2018年会計基準に定められていたとおり、2018年会計基準等は、2021年3月31日以前に開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用できます(ただし、本会計基準等を適用している場合を除きます。)。

    6. 設例及び開示例

    (1) 追加した設例及び開示例

    本会計基準等においては、次の設例及び開示例が追加されています。

    • 設例
      [設例27]履行により契約資産が認識される場合
      [設例28]履行により顧客との契約から生じた債権が認識される場合
    • 開示例
      [開示例1]収益の分解情報
      [開示例2]残存履行義務に配分した取引価格の注記
      [開示例3]残存履行義務に配分した取引価格の注記-定性的情報

    (2) 見直した設例

    本会計基準等においては、次の設例が変更されています。

    • (1) [設例12]価格の引下げ
    • (2) [設例13]数量値引きの見積り

    [設例12]について、2018年適用指針では仕訳が示されていましたが、2019年10月に公表した公開草案において当該仕訳に関する貸借対照表科目についてコメントが寄せられました。審議の結果、当該設例の主な趣旨は収益を認識する金額を示すことであり、仕訳を示すことによりかえって混乱する可能性があるため、当該内容は文章で示すこととし、仕訳を削除することとされました。また、[設例13]について、[設例28]を新設したことに伴い、仕訳が一部変更されています。

    7. 四半期財務諸表における注記(改正四半期会計基準第19項(7-2)、第25項(5-3)及び第58-4項から第58-9項)

    本会計基準等では、既存の四半期会計基準の注記事項の定め及び国際的な比較可能性を考慮した結果、すべての四半期の四半期連結財務諸表及び四半期個別財務諸表において、年度の期首から四半期会計期間の末日までの期間に認識した顧客との契約から生じる収益の分解情報の注記を求めています。

    なお、報告セグメントの売上高に関する情報(改正四半期会計基準第19項(7)及び第25項(5-2))が、本会計基準等における収益の会計処理の定めに基づいており、かつ、収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性に影響を及ぼす主要な要因に基づく区分に分解した情報として十分であると判断される場合には、収益の分解情報は、報告セグメントの売上高に関する情報に追加して注記する必要はないものとされています。

    このような状況において、収益の分解情報に関する事項を、セグメント情報等に関する事項に含めて記載している場合には、収益の分解情報に関する事項を記載するにあたり、当該注記事項を参照することができます。

    なお、本稿は本会計基準等の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

    企業会計基準委員会(ASBJ)ウェブサイトへ


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