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2020年3月期 決算上の留意事項

2020.03.06
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士
髙平 圭、松下 洋、横井 貴徳

収益認識会計基準編

Q8
収益認識会計基準の早期適用

2020年3月期より収益認識会計基準を早期適用する場合の適用初年度の留意事項を教えてください。

A8

収益認識会計基準は2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からの原則適用となりますが、2019年4月1日以後開始事業年度からの早期適用も認められています。2020年3月期の期首から早期適用する場合の主な留意点は以下のとおりです。

なお、顧客との契約から生じる収益に関連して、主に表示及び注記事項を改正するために、収益認識の開示に関する公開草案が公表されていますが、2020年1月10日までに寄せられたコメントを踏まえた検討を行った上で、最終的な会計基準等として公表される予定です。収益認識の開示に関する公開草案の適用時期については、Q10をご参照ください。

(1) 適用初年度の取扱い

収益認識会計基準の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱い、原則として、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用することとされています(以下「原則的な取扱い」という。)(収益認識会計基準84項本文)。ただし、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を、適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用することができるとする経過措置が定められています(収益認識会計基準84項ただし書き)。この適用初年度の取扱いをまとめたものが<図表>です。

<図表> 収益認識会計基準の適用初年度の取扱い (クリックすると拡大します)

図表 収益認識会計基準の適用初年度の取扱い

収益認識会計基準を遡及適用する場合、比較年度から収益認識会計基準を適用することになりますので、システム変更や内部統制の見直し等が必要となる企業においては、導入スケジュールにも影響が及ぶ可能性があります。したがって、適用初年度において、遡及適用するのか、適用初年度の期首から新たな会計方針を適用するのかの方針については早めの検討が必要となることに留意が必要です。

(2) 原則的な取扱いに従って遡及適用する場合

原則的な取扱いに従って遡及適用する場合であっても、以下①から③の方法の1つ又は複数を適用することができるとされています(収益認識会計基準85項)。遡及適用する企業においても以下のいずれの方法で遡及適用するのか、早めの検討と対応が必要になると考えられます。

  • 適用初年度の前連結会計年度及び前事業年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約について、適用初年度の前連結会計年度の連結財務諸表及び適用初年度の前事業年度の個別財務諸表(以下、これらを合わせて「適用初年度の比較情報」という。)を遡及的に修正しないこと
  • 適用初年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に変動対価が含まれる場合、当該契約に含まれる変動対価の額について、変動対価の額に関する不確実性が解消された時の金額を用いて適用初年度の比較情報を遡及的に修正すること
  • 適用初年度の前連結会計年度及び前事業年度の期首より前までに行われた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき、次の処理を行い、適用初年度の比較情報を遡及的に修正すること
    ⅰ履行義務の充足分及び未充足分の区分
    ⅱ取引価格の算定
    ⅲ履行義務の充足分及び未充足分への取引価格の配分

(3) 適用初年度に経過措置を選択する場合

適用初年度に経過措置を選択する場合、適用初年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しないことができるとされています(収益認識会計基準86項本文)。

また、経過措置を選択する場合、契約変更について、次のいずれかを適用し、その累積的影響額を適用初年度の期首の利益剰余金に加減することができることとされています(収益認識会計基準86項また書き)。

  • 適用初年度の期首より前までに行われた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき、上記 (2) ③ のⅰからⅲの処理を行うこと
  • 適用初年度の前連結会計年度及び前事業年度の期首より前までに行われた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき、上記 (2) ③ のⅰからⅲの処理を行うこと

(4) IFRS又は米国会計基準を連結財務諸表に適用している企業の適用初年度の取扱い

IFRS又は米国会計基準を連結財務諸表に適用している企業(又はその連結子会社)が当該企業の個別財務諸表に収益認識会計基準を適用する場合には、適用初年度において、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」又はTopic 606「顧客との契約から生じる収益」のいずれかの経過措置の定めを適用することができることとされています(収益認識会計基準87項本文)。

また、IFRSを連結財務諸表に初めて適用する企業(又はその連結子会社)が当該企業の個別財務諸表に収益認識会計基準を適用する場合には、その適用初年度において、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」における経過措置に関する定めを適用することができるとされています(収益認識会計基準87項また書き)。

(5) 消費税等の会計処理に関する経過措置

収益認識会計基準は、消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の会計処理として税込方式を認めていないため、税抜方式のみとなります(収益認識会計基準47項及び161項)。

適用初年度において、消費税等の会計処理を税込方式から税抜方式に変更する場合には、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱うこととされています。したがって、消費税等の会計処理も遡及適用することが原則となりますが、適用初年度の期首より前までに税込方式に従って消費税等が算入された固定資産等の取得原価から消費税等相当額を控除しないことができるとする経過措置が定められています(収益認識会計基準89項)。

Q9
収益認識会計基準の早期適用時の表示・開示

2020年3月期より収益認識会計基準を早期適用する場合の表示・開示の取扱いを教えてください。

A9

早期適用時における表示及び注記事項に関しては以下の定めが設けられています。

(1) 表示及び注記事項

① 表示

収益認識会計基準においては、契約資産、契約負債又は債権を適切な科目をもって貸借対照表に表示し、これらを区分して表示しない場合は、それぞれの残高を注記することとされています(収益認識会計基準79項)。ただし、収益認識会計基準を早期適用する場合においては、契約資産と債権を貸借対照表において区分表示せず、かつ、それぞれの残高を注記しないことができるとされています(収益認識会計基準88項)。

また、収益認識会計基準を早期適用する場合には、我が国の実務において現在用いられている売上高、売上収益、営業収益等の科目を継続して用いることができるものとされています(収益認識会計基準155項)。

② 注記事項

顧客との契約から生じる収益については、企業の主要な事業における主な履行義務の内容及び企業が当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)を注記することとされています(収益認識会計基準80項)。上記以外の注記事項については、原則適用時までに検討することとされています(収益認識会計基準156項)。

また、収益認識会計基準の適用は会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に該当するため、企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」10項に従い、<図表>のような注記が必要となります。

<図表> 会計方針の変更の注記例(当期から収益認識会計基準を早期適用した場合)

  原則的な取扱い(収益認識会計基準84項本文) 経過措置(収益認識会計基準84項ただし書き)
会計方針の名称 収益認識会計基準を早期適用する旨
会計方針の変更の内容
  • 約束した財又はサービスの支配移転時に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとした旨
  • その他具体的な変更の内容
経過的な取扱いの適用の旨及びその概要
  • 収益認識会計基準85項の定めを適用する場合にはその内容
  • 経過措置(収益認識会計基準84項ただし書き)を適用した旨
  • 収益認識会計基準86項を適用する場合はその内容
主な表示科目への影響額(例示)
  • 前期の損益への影響額
  • 利益剰余金の前期首残高への影響額
  • 当期の損益への影響額
  • 利益剰余金の当期首残高への影響額

(2) 財規等及び計規の改正

収益認識会計基準の公表に伴い、財規や計規も以下のとおり改正されていることに留意が必要となります。なお、いずれも適用時期は収益認識会計基準の適用と同様とされ、早期適用する企業においては、2020年3月期から下記の改正が適用されることになります。

① 財規等の改正

収益認識に関する注記として以下の事項が追加されています(財規8条の32、連結財規15条の26)。

  • 顧客との契約から生じる収益については、企業の主要な事業における主な履行義務の内容及び企業が当該履行義務に関する収益を認識する通常の時点

また、収益認識会計基準等の適用により企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」、企業会計基準適用指針第18号「工事契約に関する会計基準の適用指針」が廃止されることから、たな卸資産及び工事損失引当金の注記に関しての規定が削除されています(財規54条の4、連結財規40条、中間財規31条の3、中間連結財規43条)。

さらに、収益を認識するための5ステップの適用及び割賦基準に基づく収益計上が認められなくなることに伴い、以下の規定が削除されています(財規72条、73条)。

  • 総売上高の項目を示す名称を付した科目及びその控除科目として売上値引及び戻り高を示す名称を付した科目で掲記することができるとする規定
  • 割賦販売売上高の表示を定めた規定

② 計規の改正

収益認識に関する注記として以下の事項が追加されています(計規115条の2)。

  • 会社の主要な事業における顧客との契約に基づく主な義務の内容
  • 当該義務に係る収益を認識する通常の時点
Q10
収益認識の開示に関する公開草案の適用時期

2020年3月期より収益認識の開示に関する公開草案が2020年3月末までに最終化された場合に、当該基準を適用することはできますか。

A10

顧客との契約から生じる収益に関連して、主に表示及び注記事項を改正するために、ASBJは2019年10月30日に収益認識の開示に関する公開草案を公表しています。収益認識の開示に関する公開草案は、2020年1月10日までに寄せられたコメントを踏まえた検討を行った上で、最終的な会計基準等として公表される予定です。

  • 企業会計基準公開草案第66号(企業会計基準第29号の改正案)「収益認識に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第66号(企業会計基準適用指針第30号の改正案)「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)」

適用時期は、基本的に、収益認識会計基準等の適用日を踏襲していますが、以下のとおり、2020年3月期は早期適用が認められてないことに留意が必要となります。

(原則適用)
  • 2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
(早期適用)
  • 2020年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2020年4月1日に終了する連結会計年度及び事業年度から2021年3月30日に終了する連結会計年度及び事業年度までにおける年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用

時価算定会計基準編

Q11
時価算定会計基準の概要

2019年7月に公表された時価算定会計基準の概要について、教えてください。

A11

(1) 経緯

我が国では、金融商品会計基準等において、時価の算定が求められてきましたが、時価の算定方法に関する詳細なガイダンスは定められていませんでした。一方、IFRSや米国会計基準では、公正価値測定についてほぼ同じ内容の詳細なガイダンスが定められています。また、IFRSや米国会計基準で要求されている公正価値に関する開示の多くは日本基準では定められておらず、特に金融商品を多数保有する金融機関において国際的な比較可能性が損なわれているのではないかとの意見があったことから、ASBJは時価に関するガイダンス及び開示についての検討を開始し、2019年7月4日に時価算定会計基準等を公表しました。また、同日付で、日本公認会計士協会(以下「JICPA」という。)の金融商品実務指針等が改正されています(<図表>参照)。

<図表> 新設及び改正された主な会計基準・実務指針等

  新設された会計基準等 改正された会計基準等(※)
ASBJの会計基準等 時価算定会計基準
時価算定適用指針
改正棚卸資産会計基準
改正金融商品会計基準
改正時価開示適用指針
改正四半期適用指針
JICPAの実務指針等 改正外貨実務指針
改正金融商品実務指針
改正金融商品Q&A
  • 上記の他、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」、企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」、実務対応報告第6号「デット・エクイティ・スワップの実行時における債権者の会計処理に関する実務上の取扱い」について、実質的に内容を変更するものではありませんが、用語等の形式的な修正が行われています。

(2) 主な内容

国内外の企業間における財務諸表の比較可能性を向上させる観点から、IFRS第13号の定めを基本的にすべて取り入れることとされました。ただし、その他有価証券の減損を行うか否かの判断にあたっては、期末前1か月の市場平均に基づいて算定された価額(以下「1か月前平均価額」という。)を引き続き用いることができるなど、一部の項目については我が国でこれまで行われてきた実務に配慮し、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で、個別の取扱いを定めています。また、時価算定会計基準では、「公正価値」ではなく、従来どおり、「時価」の用語を用いています。これは、我が国における他の関連諸法規において「時価」が広く用いられていることを踏まえたものとされています。なお、時価の定義はIFRS第13号における「公正価値」と整合的なものとされています。

Q12
時価算定会計基準の適用範囲

時価算定会計基準の適用対象となる項目の範囲について、教えてください。

A12

金融商品とトレーディング目的で保有する棚卸資産の時価に適用されます(時価算定会計基準3項)。なお、時価算定会計基準は、時価をどのように算定すべきかを定めるものであり、どのような場合に時価で算定すべきかについては、他の会計基準の定めに従うこととされています。

なお、投資信託の時価の算定については、関係者との協議等に一定の期間が必要と考えられるため、会計基準公表後概ね1年をかけて検討を行うこととし、それまでは現行の取扱いを踏襲することができるとされています。また、組合等への出資の時価注記の取扱いについても、投資信託の取扱いを改正する際に明らかにすることとされています(時価算定適用指針26項、27項)。

Q13
時価算定の方法

時価算定の方法の概要について教えてください。

A13

(1) 時価の定義及び算定単位

「時価」とは、算定日において市場参加者で秩序ある取引が行われると想定した場合の、当該取引における資産の売却によって受け取る価格又は負債の移転のために支払う価格とされています(時価算定会計基準5項)。また、資産及び負債の時価を算定する単位は、それぞれの対象となる資産又は負債に適用される会計処理又は開示によることとされており、一定の要件を満たす場合には、金融資産及び金融負債のグループを単位とした時価を算定することができます(時価算定会計基準6項、7項)。

時価の定義について、このような考え方が取り入れられたことから、現行のその他有価証券の期末の貸借対照表価額に1か月前平均価額を用いることができる定めは廃止されました(改正前金融商品会計基準(注7)参照)。ただし、減損を行うか否かの判断にあたっては引き続き、1か月前平均価額を用いることができるとされています(改正金融商品実務指針91項)。なお、この場合であっても、減損損失の算定には期末日の時価を用いることとなります。

(2) 時価の算定方法・レベル

時価の算定にあたっては、状況に応じて、十分なデータが利用できる評価技法(例えば、マーケット・アプローチやインカム・アプローチなど)を用いることとされ、評価技法を用いるにあたっては、関連性のある観察可能なインプットを最大限利用し、観察できないインプットの利用を最小限にすることが求められます(時価算定会計基準8項)。

  • レベル1のインプット ... 時価の算定日において、企業が入手できる活発な市場における同一の資産又は負債に関する相場価格であり、調整されていないもの
  • レベル2のインプット ... 資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットのうち、レベル1のインプット以外のインプット
  • レベル3のインプット ... 資産又は負債について観察できないインプット

そして、算定した時価は、その算定において重要な影響を与えるインプットが属するレベルに応じて、レベル1の時価、レベル2の時価、レベル3の時価に分類します。なお、時価の算定に重要な影響を与えるインプットが複数含まれる場合は、重要な影響を与えるインプットが属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに分類することとなります(時価算定会計基準12項)。

(3) 市場価格のない株式等の取扱い

時価のレベルに関する概念が取り入れられたことにより、「時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券」は想定されなくなったことから、この定めが削除されました。しかし、「市場価格のない株式等」に関しては、従来の考え方を踏襲し、取得原価をもって貸借対照表価額とする取扱いとされています(改正金融商品会計基準19項)。

Q14
時価算定会計基準に基づく注記

時価算定会計基準の適用により、新たに開示が必要となる注記事項はどのようなものでしょうか。

A14

時価算定会計基準の適用により、以下の事項について、注記が求められます(<図表>参照)。基本的にはIFRS第13号の開示項目との整合性が図られていますが、一部の開示項目についてはコストと便益を考慮し取り入れられていません。

なお、重要性が乏しいものは注記を省略することができ、連結財務諸表において注記している場合には、個別財務諸表においては記載することは要しないとされています。

<図表> 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項(改正時価開示適用指針5-2項)

    <全体的な項目>
  • 時価のレベルごとの合計額
  • 時価の算定に用いた評価技法とインプットの説明
  • 時価の算定に用いた評価技法又はその適用を変更した場合、その旨及び変更の理由
<レベル3の時価に関する項目>
  • 重要な観察できないインプットに関する定量的情報
  • 期首残高から期末残高への調整表(以下に区分)
    • 当期の損益に計上した額及び科目
    • 当期のその他の包括利益に計上した額及び科目
    • 購入、売却、発行及び決済のそれぞれの額(純額表示可)
    • レベル3の時価への振替額及び振替の理由
    • レベル3の時価からの振替額及び振替の理由
  • 企業の評価プロセスの説明
  • 重要な観察できないインプットを変化させた場合に時価が著しく変動するときの時価に対する影響に関する説明
Q15
時価算定会計基準の適用時期、適用初年度の経過措置

時価算定会計基準の適用時期及び適用初年度の経過措置の内容について、教えてください。

A15

(1) 適用時期

原則適用は、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からとされています(時価算定会計基準16項)。

ただし、2020年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から、また、2020年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用することができます。なお、これらのいずれかの場合には、時価算定会計基準と同時に改正された金融商品会計基準及び棚卸資産会計基準についても同時に適用する必要があります(時価算定会計基準17項)。

(2) 適用初年度の取扱い

時価算定会計基準が定める新たな会計方針は、原則として将来にわたって適用することとされています。この場合、その変更の内容について注記することとされています(時価算定会計基準19項)。

ただし、時価の算定にあたり観察可能なインプットを最大限利用しなければならない定めなどにより、時価算定会計基準の適用に伴い時価を算定するために用いた方法を変更することとなった場合で、当該変更による影響額を分離することができるときは、会計方針の変更に該当するものとし、当該会計方針の変更を過去の期間のすべてに遡及適用することができるとする経過措置が定められています。また、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、適用初年度の期首の利益剰余金及びその他の包括利益累計額又は評価・換算差額等に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用することもできるとされています(時価算定会計基準20項)。

新たに設けられた金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項に関する注記について、適用初年度の比較情報の開示は不要とされています。また、時価がレベル3の時価に分類される金融資産及び金融負債の期首残高から期末残高への調整表については、時価算定会計基準を年度末の財務諸表から適用する場合には、適用初年度は省略可能とされています(改正時価開示適用指針7-4項、7-5項)。


情報量は適当ですか?

文章はわかりやすいですか?

参考になりましたか?