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「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等のポイント

2019.12.26
EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 大竹 勇輝

<金融庁から2019年12月12日に公表>

2019年12月12日に、金融庁から「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等(以下、「本改正案」という)が公表されています。

本改正案は、企業会計基準委員会(ASBJ)が策定・公表した企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」(2019年7月4日公表)等を踏まえ、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等について所要の改正を行うものです。

また、本改正案は2020年 1月14日(火)までコメントが募集されています。

1. 改正が予定される規則等

  • 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財務諸表等規則)
  • 中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(中間財務諸表等規則)
  • 四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(四半期財務諸表等規則)
  • 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(連結財務諸表規則)
  • 中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(中間連結財務諸表規則)
  • 四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(四半期連結財務諸表規則)
  • 附則
  • 「財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)
  • 「中間財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(中間財務諸表等規則ガイドライン)
  • 「四半期財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について
  • 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(連結財務諸表等規則ガイドライン)
  • 「中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(中間連結財務諸表等規則ガイドライン)
  • 「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について

2. 本改正案の概要

2019年7月4日に企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等を公表したことを受け、財務諸表等規則等について所要の改正を行うことが提案されています。

企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(以下、「金融商品時価開示適用指針」という)で、注記が求められている以下の事項に合わせて、関連する財務諸表等規則等について、次の開示項目の注記を求めることとされています。

  • 貸借対照表又は注記のみで時価評価する金融商品(財務諸表等規則第8条の6の2第1項第3号イ、ロ、中間財務諸表等規則第5条の3の2、連結財務諸表等規則第15条の5の2第1項第3号イ、ロ、中間連結財務諸表等規則第15条の2)
    1. 時価のレベルごとの残高
  • 貸借対照表又は注記のみで時価評価するレベル2の時価又はレベル3の時価の金融商品(財務諸表等規則第8条の6の2第1項第3号ハ、中間財務諸表等規則第5条の3の2、連結財務諸表等規則第15条の5の2第1項第3号ハ、中間連結財務諸表等規則第15条の2)
    1. 時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明
    2. 時価の算定に用いる評価技法又はその適用の変更の旨及びその理由
  • 貸借対照表において時価評価するレベル3の時価の金融商品(財務諸表等規則第8条の6の2第1項第3号ニ、中間財務諸表等規則第5条の3の2、連結財務諸表等規則第15条の5の2第1項第3号ニ、中間連結財務諸表等規則第15条の2)
    1. 時価の算定に用いた重要な観察できないインプットに関する定量的情報
    2. 時価がレベル3の時価に区分される金融資産及び金融負債の期首残高から期末残高への調整表(純損益に計上した未実現の評価損益を含む。)
    3. 企業の評価プロセスの説明
    4. 重要な観察できないインプットを変化させた場合の時価に対する影響に関する説明
    一方で、IFRS第13号では上記に加えて次の注記を求めているものの、金融商品時価開示適用指針では、これらの注記は求めないこととされています。
    1. レベル1の時価とレベル2の時価との間のすべての振替及びその振替の理由
    2. レベル3の時価について観察できないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の影響
    なお、企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」では、上述の①のうち貸借対照表において時価評価する金融商品について、企業の事業運営に当たっての重要な項目であり、かつ、前年度末と比較して著しく変動している場合に開示することとされています。
    当該内容に合わせて、四半期財務諸表等規則等についても改正がなされています(四半期財務諸表等規則第8条の2第3項、四半期連結財務諸表等規則第15条の2第3項)。
  • 期首残高から期末残高への調整表(財務諸表等規則ガイドライン8の6の2の2-1-3第4項、中間財務諸表等規則ガイドライン5の3の2、連結財務諸表等規則ガイドライン15の5の2、中間連結財務諸表等規則ガイドライン15の2)
    金融商品時価開示適用指針では、上述の⑤ 時価がレベル3の時価に区分される金融資産及び金融負債の期首残高から期末残高への調整表において、期首残高から期末残高への増減を、次の増減理由に分けて記載することが求められています。これに合わせて関連する財務諸表等規則等について、次の項目の注記を求めることとされています。
    1. 当期の損益又はその他の包括利益に計上した額
    2. 購入、売却、発行及び決済のそれぞれの額
    3. レベル1の時価又はレベル2の時価からレベル3の時価への振替額
    4. レベル3の時価からレベル1の時価又はレベル2の時価への振替額
    ただし、② 購入、売却、発行及び決済のそれぞれの額については、作成コストと便益のバランスの観点から、これらの純額で注記することも認められています。

3. 適用時期

公布の日から施行する予定とされています。

なお、本稿は本改正案の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

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