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「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」のポイント

2015.03.13
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
西野 恵子

<企業会計基準委員会が平成27年3月11日に公表>

平成27年3月11日に企業会計基準委員会(ASBJ)から改正実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」(以下「本実務対応報告」という。)が公表されました。
平成26年6月30日に公表された実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告第31号」という。)において、契約変更時の借手の会計上の取扱いについて別途定めることとしていたことから、実務対応報告第31号の公表後に、契約変更時の借手の会計上の取扱いがASBJにおいて検討され、今般、本実務対応報告の公表が承認されたため、公表されたものです。

1. 本実務対応報告の概要(改正部分)

(1) 日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)に基づき実施する施策としての新たなスキーム(以下「本リース・スキーム」という。)におけるリース契約の変更の取扱い

① ファイナンス・リース取引かどうかの再判定(本実務対応報告第6項、第7項)

リース取引開始日後にリース取引の契約内容が変更された場合のファイナンス・リース取引かどうかの再判定にあたっては、契約変更日に、契約変更後の条件に基づいてリース取引開始日に遡って判定を行います。
当該判定を行うにあたって、借手が現在価値基準を適用する場合において現在価値の算定のために用いる割引率は、借手が契約変更後の条件に基づいてリース取引開始日における貸手の計算利子率を知り得るときは当該利率とし、知り得ないときは契約変更後の条件に基づいてリース取引開始日における借手の追加借入に適用されていたであろうと合理的に見積られる利率とします。

② オペレーティング・リース取引からファイナンス・リース取引への変更(本実務対応報告第8項、第9項)

リース取引開始日後にリース取引の契約内容が変更された結果、オペレーティング・リース取引からファイナンス・リース取引となるリース取引については、契約変更日より通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行います。
契約変更日にリース物件とこれに係る債務をリース資産及びリース債務として計上する場合の価額は、原則としてAのとおりとしますが、Bのとおりとすることもできます。

A. リース資産及びリース債務をそれぞれ以下のとおり算定された価額で計上し、リース資産とリース債務との差額は損益として処理します。

    ア.リース資産
    契約変更後の条件に基づく当初のリース取引開始日からの将来のリース料(残価保証がある場合は、残価保証額を含む。)を「① ファイナンス・リース取引かどうかの再判定」において借手が現在価値基準を適用する場合に用いた割引率で割り引いた現在価値と当初のリース取引開始日における借手の見積現金購入価額とのいずれか低い額から、リース取引開始日から契約変更日までの減価償却累計額相当額を控除した価額によります。

    イ.リース債務
    契約変更後の条件に基づく契約変更日からの将来のリース料(残価保証がある場合は、残価保証額を含む。)を、「①ファイナンス・リース取引かどうかの再判定」において借手が現在価値基準を適用する場合に用いた割引率で割り引いた現在価値によります。

B. リース資産及びリース債務をAイに従って算定されたリース債務の価額で同額で計上します。

(2) その他のリース取引に係る現行の取扱いへの影響(本実務対応報告第10項)

上記の本リース・スキームにおけるリース契約の変更の取扱いは、本リース・スキームによるリース取引にのみ適用されるものであり、その他のリース取引に係る現行の取扱いに影響を与えるものではない旨、留意が必要です。

2. 適用時期(本実務対応報告第16-2項)

公表日以後適用されます。

なお、本稿は本実務対応報告の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。


「リース手法を活用した先端設備等導入促進補償制度推進事業事務取扱要領」についてはこちらをご参照ください。

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