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特別目的会社を活用した不動産流動化実務指針の改正のポイント

2014.11.11
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
吉田 剛

<日本公認会計士協会から平成26年11月4日付で公表>

平成26年11月4日付で、日本公認会計士協会(会計制度委員会)から会計制度委員会報告第15号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」及び関連するQ&Aの改正(以下「本改正」という。)が公表されました。本改正では、現行の関連法令との整合性を図る修正や字句・体裁等の修正のほか、記載内容の見直しや表現・取扱いの明確化が図られています。

1. 改正された実務指針等

  • 会計制度委員会報告第15号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」(以下「不動産流動化実務指針」という。)
  • 「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針についてのQ&A」(以下「不動産流動化Q&A」という。)

2. 本改正の概要

本改正により、現行の関連法令との整合性を図る修正や字句・体裁等の修正のほか、以下の事項が改正されています。

  • 不動産流動化取引に係る特別目的会社が発行する証券等の期限到来に伴う更新(リファイナンス)の際の判断基準等の適用及び会計処理の明確化が図られています。具体的には、当該更新が譲渡人のスキーム開始当初におけるリスク負担の金額の増加を伴わないものである場合を除き、更新時の適正な価額に基づきリスク負担割合を算定し、5%ルールに基づく判定によって、リスクと経済価値のほとんど全てが移転していると認められない場合には、更新時に適正な価額によって買戻しが行われたものとして処理することが明確化されました(不動産流動化実務指針第21-2項)。
  • 平成13年3月31日までに行われた不動産流動化取引に係る経過措置が削除されました(不動産流動化実務指針第24項)。また、これに対応し、不動産流動化Q&AのQ5が削除されました。

なお、本改正に伴い、監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」が併せて改正され、Q16(更新(リファイナンス)時の会計処理に関する留意点)が削除されていますので、ご留意ください。

3. 適用時期等

改正後の不動産流動化実務指針については、会計処理の明確化のために実務対応が必要なものを含むため、平成27年4月1日以後開始する事業年度から適用することとされています。

4. 公開草案からの主な変更点

文言等の軽微な変更に加え、以下の点が公開草案から変更されています。

  • 寄せられたコメントを踏まえ、更新に際して譲渡人のスキーム開始当初におけるリスク負担の金額の増加を伴わない流動化スキームの変更については、当初のリスクと経済価値の移転に係る判断に影響を及ぼさないと考えられることから、不動産流動化実務指針に従って行われた当初の会計処理を見直す必要がないことが示されました。
  • 公開草案公表時には、確定版の公表日以後に適用することが予定されていましたが、会計処理の明確化のために実務対応が必要なものを含むため、平成27年4月1日以後開始する事業年度から適用することとされました。

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