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IFRSの任意適用要件の緩和を図る連結財務諸表規則等の改正案のポイント

2013.08.29
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
吉田剛

<金融庁から平成25年8月26日に公表>

平成25年8月26日に、金融庁から「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等(以下「本改正案」という。)が公表されています。
本改正案は、平成25年6月20日に企業会計審議会から公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を受け、IFRSの任意適用が可能な会社(特定会社)の要件を緩和し、IFRS任意適用会社の範囲の拡大を図るべく、公表されたものです。
また、本改正案は平成25年9月25日(水)までコメントが募集されています。

1. 改正が予定される規則等

  • 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(連結財務諸表規則)
  • 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
  • 四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(四半期連結財務諸表規則)
  • 四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
  • 中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則
  • 中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
  • 企業内容等の開示に関する内閣府令(開示府令)
  • 財務諸表等の監査証明に関する内閣府令
  • 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令
  • 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件
  • 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について
  • 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について

2. 本改正案の概要

(1) 連結財務諸表規則等の改正

①IFRS任意適用要件の緩和(連結財務諸表規則第1条の2)
これまで、IFRSを任意適用するためには、以下の要件を満たすこととされていました。

  • a)上場会社であること
  • b)有価証券報告書において、連結財務諸表の適正性を確保するための特段の取組みに関わる記載を行っていること
  • c)IFRSに関する十分な知識を有する役員又は使用人を置いており、当該基準に基づいて連結財務諸表を作成することができる体制を整えていること
  • d)国際的な財務活動・事業活動を行っていること(外国に資本金が20億円以上の連結子会社を有していることなど)

改正後は、a)及びd)の要件が撤廃され、この結果、IFRSの任意適用が可能になる会社数は大幅に増加することが見込まれています。
また、特定会社の子会社についてもIFRSを任意適用できるとするいわゆる「みなし特定会社」の規定も、要件が緩和されたことを受け、廃止されています。

②IFRS適用時期の制限の緩和(四半期連結財務諸表規則第1条の2)
これまでは、年度末又は第1四半期からのみIFRSを任意適用できるものとされ、第2・第3四半期からの適用は認められていませんでした。今回の改正によりこの制限が廃止され、各四半期からIFRSを任意適用できることとされ、上場時からIFRSを任意適用できることになります。

(2) 開示府令の改正

(1)②の改正を受け、四半期報告書等に四半期連結財務諸表等の適正性を確保する取組みに関する記載を行うことができるよう、所要の改正が行われます(開示府令 第四号の三様式(記載上の注意)(18)fなど)。

3. 適用時期

公布の日から施行する予定とされています。

なお、本稿は本改正案の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。


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