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包括利益の表示に関する会計基準等のポイント

2012.07.02
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
武澤 玲子

<企業会計基準委員会が平成24年6月29日に公表>

平成24年6月29日に、企業会計基準委員会(ASBJ)より改正企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」(以下「本改正会計基準」という。)等が公表されました。

本改正会計基準は、包括利益の表示について個別財務諸表へ当面適用しない旨を示したものです。

1. 今回改正された会計基準等

  • 改正企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」
  • 改正企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」
  • 改正企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」

2. 改正の主な内容

(1)本改正会計基準の主な改正点

平成22年6月に「包括利益の表示に関する会計基準」が公表された際、包括利益の表示の個別財務諸表への適用を1年後を目途に判断することとされ、その後、検討が行われてきました。本改正会計基準では、包括利益の表示の個別財務諸表への適用に関して市場関係者の意見が大きく分かれている状況や、個別財務諸表における包括利益に係る主な情報は現行の株主資本等変動計算書から入手可能でもあること等を総合的に勘案し、当面の間、包括利益の表示に関する会計基準を個別財務諸表には適用しないこととされています(本改正会計基準16-2項、39-2項及び39-3項)。これに対応し、四半期財務諸表に関する会計基準及びその適用指針についても、技術的な改正が行われています。

なお、平成23年(2011年)6月公表の改訂IAS第1号「財務諸表の表示」において、包括利益計算書の名称を変更し、1計算書方式の場合は「純損益及びその他の包括利益計算書」に、2計算書方式の場合は、「純損益計算書」と「純損益及びその他の包括利益計算書」にしたことから、改訂IAS第1号を参考にして名称を変更する案などが比較検討されましたが、現行の計算書の名称を維持することとされています(本改正会計基準37号)。

(2)適用時期

本改正会計基準は現行の取扱いを維持するものであるため、公表日以後適用することとされています(本改正会計基準16-3項及び42-2項)。

3. 公開草案から修正された主な点

為替予約の振当処理について組替調整額の注記を行う必要があるかどうかを記載すべきという公開草案に対するコメントに対応し、振当処理は実務に対する配慮から認められてきた特例的な処理であることを勘案し、組替調整額及びこれに準じた開示は必要ないと考えられる旨が追加されています(本改正会計基準31項(2))。

本稿は改正企業会計基準等の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。


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