企業会計ナビ

四半期簡素化に対応する四半期会計基準等の改正案のポイント

2010.12.24
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
森 さやか

<企業会計基準委員会から平成22年12月22日に公表>

平成22年12月22日に、企業会計基準委員会(ASBJ)より「四半期財務諸表に関する会計基準(案)」等が公表されました。
本公開草案は、平成22年6月に閣議決定された「新成長戦略」において、四半期報告の簡素化が盛り込まれたことを受け、「四半期財務諸表に関する会計基準(案)」等につき見直しを行うにあたり、広くコメントを集めることを目的として公表されたものです。

本公開草案に対しては、平成23年1月25日(火)までコメントが募集されています。

1. 改正が予定される会計基準等

  • 企業会計基準公開草案第45号(企業会計基準第12号の改正案)「四半期財務諸表に関する会計基準(案)」(以下、「会計基準案」)
  • 企業会計基準適用指針公開草案第42号(企業会計基準適用指針第14号の改正案)「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針(案)」(以下、「適用指針案」)
  • 企業会計基準公開草案第46号(企業会計基準第20号の改正案)「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第41号(企業会計基準適用指針第4号の改正案)「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第43号(企業会計基準適用指針第15号の改正案)「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第44号(企業会計基準適用指針第16号の改正案)「リース取引に関する会計基準の適用指針(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第45号(企業会計基準適用指針第19号の改正案)「金融商品の時価等の開示に関する適用指針(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第46号(企業会計基準適用指針第21号の改正案)「資産除去債務に関する会計基準の適用指針(案)」

2. 改正の主な内容

(1) 第1、第3四半期(連結)会計期間における四半期(連結)キャッシュ・フロー計算書の省略(会計基準案第5-2項、第6-2項、第19項(20-2)、第25項(19-2)、第36-2項)

第1四半期(連結)会計期間及び第3四半期(連結)会計期間においては四半期(連結)キャッシュ・フロー計算書を省略することができると提案されています。なお、省略する場合、期首からの累計期間に係る減価償却費及びのれんの償却額を注記することが提案されています。これは、キャッシュ・フローを推測するための補完的な情報を求める四半期財務諸表利用者の要請に配慮したものです。

(2) 四半期(連結)損益計算書の開示対象期間(会計基準案第7項(2)、第7-2項、第37-2項、適用指針案第37-2項)

四半期報告書に含まれる四半期(連結)損益計算書及び四半期(連結)包括利益計算書(又は四半期(連結)損益及び包括利益計算書)の開示対象期間は、期首からの累計期間並びに前年度における対応する期間とすることが提案されています。
なお、これまで開示が義務付けられていた3か月情報は、任意で期首からの累計期間と併せて開示することができるものとされています。

(3) 注記事項の簡素化(会計基準案第55-2項等)

以下の注記事項(四半期損益計算書の開示対象期間見直しを伴うものを除く。)について簡素化を行うことが提案されています。

①削除が提案されている注記事項

 
表示方法の変更
簡便的な会計処理に係る記載
1株当たり純資産額
発行済株式総数等
ストック・オプション関係
担保資産の注記
(以下、前年度末と比較して著しい変動があった場合の注記)
賃貸等不動産の時価等
資産除去債務
リース注記
開示対象特別目的会社に関する注記

②記載内容の見直しが提案されている注記事項

1 重要な企業結合に関する事項の項目から、当該企業結合が当年度の期首に完了したと仮定したときの影響の概算額等の記載を求めない。
2 四半期会計期間の情報を四半期(連結)損益計算書及び四半期(連結)包括利益計算書(又は四半期(連結)損益及び(連結)包括利益計算書)で任意開示する場合における四半期会計期間に係る注記も任意開示する。
(注:包括利益を表示する計算書については、当面連結のみの適用)
3 企業集団又は企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適切に判断するために重要なその他の事項の例として示す事項について、下記の通り見直しを行う。
例示から削除するもの 日本公認会計士協会監査委員会報告第77号「追加情報の注記について」で記載されている事項
例示内容を見直す事項 貸倒引当金や減価償却累計額などで資産の控除項目として表示されていない科目の記載については、貸倒引当金のみ記載する。
子会社の決算日の変更の記載について、当該変更により四半期損益に重要な影響を及ぼす場合に記載する。
有価証券、デリバティブ取引、金融商品の時価情報の記載については、金融機関等を除く企業集団(企業)においては、第1四半期会計期間及び第3四半期会計期間の開示は省略することができるものとする。

(4)適用時期(会計基準案第28-10項)

平成23年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の第1四半期会計期間から適用することが提案されています。



情報量は適当ですか?

文章はわかりやすいですか?

参考になりましたか?