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「連結財務諸表に関する会計基準(案)」等のポイント

2010.09.10
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
佐伯 洋介
<企業会計基準委員会が平成22年9月3日に公表>

平成22年9月3日に、企業会計基準委員会(ASBJ)より「連結財務諸表に関する会計基準(案)」等が公表されています。
本公開草案は、コンバージェンスの検討を進めてきた中で、「連結財務諸表制度における子会社及び関連会社の範囲の見直しに係る具体的な取扱い」(以下、子会社等の範囲の見直しに係る具体的な取扱い)三の取扱いを見直すための所要の改正を行うこととしたものであり、広くコメントを集めることを目的として公表されたものです。

また、平成22年11月4日(木)までがコメント募集期間とされています。

なお、ASBJは、今回の改正とは別に国際会計基準審議会(IASB)において開発中の連結基準とのコンバージェンスを引き続き検討していく予定としています。

1. 改正が予定される会計基準等

(1) 完全支配関係を有する国内会社間の資産の譲渡損益の繰延べに関する改正

  • 企業会計基準公開草案第44号(企業会計基準第22号の改正案)「連結財務諸表に関する会計基準(案)」(以下、会計基準案)
  • 企業会計基準適用指針公開草案第39号(企業会計基準適用指針第15号の改正案)「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第40号(企業会計基準適用指針第22号の改正案)「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針(案)」
  • 実務対応報告公開草案第35号(実務対応報告第20号の改正案)「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い(案)」

2. 主な改正の内容

(1) 子会社等の範囲の見直しに係る具体的な取扱い 三の改正(会計基準案第7-2項)

子会社等の範囲の見直しに係る具体的な取扱い 三では、一定の要件を満たす特別目的会社については、当該特別目的会社に対する出資者および当該特別目的会社に対する資産を譲渡した会社の子会社に該当しないものと推定するとされていますが、この取扱いを資産の譲渡者のみに適用することが提案されています。

子会社等の範囲の見直しに係る具体的な取扱い 三(抜粋)
特別目的会社(中略)については、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立されており、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に対する出資者及び当該特別目的会社に資産を譲渡した会社(中略)から独立しているものと認め、(中略)子会社に該当しないものと推定する。

 ※取消し線の部分(「当該特別目的会社に対する出資者及び」)を削除

なお、当該改正については、専門委員会および本委員会の複数の委員より、連結財務諸表作成における支配概念等の検討が行われていない中で、SPCの取扱いのみを変更しなくともよいのではないかとの意見が出ました。


(2) ノンリコース債務の開示(会計基準案第43項)

連結の範囲に含めた特別目的会社に関して、当該特別目的会社の資産および当該資産から生ずる収益のみを裏付けとし他の資産等へ遡及しない債務(ノンリコース債務)については、その金額を注記することが提案されています。なお、当該注記に代えて、連結貸借対照表上、他の項目と区別して記載することもできると示されています。
また、ノンリコース債務に対応する資産については、担保資産の注記に準じて注記することが示されています。


(3) 適用時期(会計基準案第44-4項(1)(2))

平成24年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用することが提案されています。また、平成24年4月1日より前に開始する連結会計年度の期首から適用することができるとされています。


(4) 経過措置(会計基準案第44-4項(3)(4))

適用初年度における経過的な取扱いとして、適用により新たに連結に含められる子会社については、適用初年度の期首において子会社の資産および負債のすべてを連結財務諸表上の適正な帳簿価額(過年度において会計基準案が適用されていたのであれば、支配を獲得したものと見なされる支配獲得日以降、当該子会社を連結に含めていたものとして算定した金額)により評価し、当該子会社の資産と負債の純額と親会社が保有する当該子会社に対する投資とを相殺消去し、差額が生じる場合には、当該差額を適用初年度の期首の利益剰余金に直接加減することが提案されています。
ただし、適用初年度の期首において子会社の資産および負債のすべてを時価により評価し、当該子会社の資産と負債の純額と親会社が保有する当該子会社に対する投資とを相殺消去し、差額が生じる場合には、当該差額を適用初年度の期首の利益剰余金に直接加減できるとされています。


(5) 匿名組合の取扱い(実務対応報告公開草案第35号Q1のA3)

営業者および匿名組合がいずれも匿名組合員の子会社に該当する場合、当該匿名組合の事業を営む営業者の損益のほとんどすべてが匿名組合員に帰属するようなときは、同様の効果を有する特別目的会社や信託を用いる場合との関係を考慮して、営業者ではなく匿名組合自体を連結の範囲に含めることが適当であると示されています。


本稿は公開草案の概要を記述したものであり、詳細については以下の財務会計基準機構/企業会計基準委員会のウェブサイトをご参照ください。



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