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「1株当たり当期純利益に関する会計基準」等の改正のポイント

2010.07.05
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
西田 久仁子

<企業会計基準委員会が平成22年6月30日に公表>

企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成22年6月30日に、以下の会計基準等の改正を公表しています。

  1. 改正企業会計基準第2号「1株当たり当期純利益に関する会計基準」(以下、会計基準)
  2. 改正企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」(以下、適用指針)
  3. 改正実務対応報告第9号「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い」(以下、実務対応報告)

これらの会計基準等の改正は、企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下、企業会計基準第24号)を受けての所要の改正のほか、会計基準のコンバージェンスの観点から、国際会計基準審議会(IASB)の今後の検討でも影響を受けないと考えられる国際財務報告基準(IFRS)との既存の差異やわが国の市場関係者から実務上の対応要請のある点について短期的に対応するため、既存の会計基準等が改正されたものです。
なお、本改正に係る公開草案に対しては、平成22年5月31日(月)までコメントが募集されていました。

1. 改正内容の概要

(1)企業会計基準第24号関連

  1. 当期および当期の貸借対照表日後に株式併合または株式分割が行われた場合、普通株式の期中平均株式数および普通株式増加数は、表示する財務諸表のうち、最も古い期間の期首に当該株式併合または株式分割が行われたと仮定して算定します(会計基準 第30-2項、第30-3項、第31項、適用指針第16項、第41項)。
  2. 会計方針の変更または過去の誤謬(ごびゅう)の訂正が行われた場合、遡及(そきゅう)適用または修正再表示の影響を1株当たり当期純利益、潜在株式調整後1株当たり当期純利益および1株当たり純資産額に反映します(会計基準第30-4項、第30-5項、適用指針第36-2項)。

(2)その他

  1. ストック・オプションに関しては、潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、自己株式方式を用いる際に、ストック・オプションの権利の行使により払い込まれると仮定された場合の入金額には、ストック・オプションの公正な評価額のうち、将来企業に提供されるサービスに係る分を含めます(適用指針第22項)。
  2. 子会社等が発行する親会社の潜在株式が存在する場合、希薄化効果がある場合には、連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に当たり、親会社の潜在株式に含めます(適用指針第33項)。
  3. 親会社が発行する子会社等の潜在株式が存在する場合、連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に当たっては、当該潜在株式について、当期純利益の調整額のほか、想定される転換の結果、子会社等の普通株式増加に起因する親会社の損益の変動についても普通株式に係る当期純利益に加減します(適用指針第33-2項)。
  4. ワラントの行使価格等が期中に修正された場合、期中における行使価格(転換価格)の修正を考慮します(実務対応報告Q5-2)。

2. 公開草案から見直された主な点

  1. ストック・オプションに関する取扱いについて、設例が追加されました(適用指針設例2-2)。
  2. 子会社等が発行する親会社の潜在株式および親会社が発行する子会社等の潜在株式が存在する場合について、一部表現が見直されました(適用指針第33項、第33-2項)。
  3. 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱います(会計基準第34-3項)。

3. 適用時期

各会計基準等の適用時期は、企業会計基準第24号同様、平成23年4月1日以後開始する事業年度からとされています。


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