企業会計ナビ

「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」等の公表に伴う他の会計基準等(四半期会計基準等)の改正案のポイント

2010.04.06
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
吉田 剛
<企業会計基準委員会が平成22年4月2日に公表>

企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成22年4月2日に、以下の会計基準等の改正案(以下、公開草案)を公表しています。

企業会計基準公開草案第41号「四半期財務諸表に関する会計基準(案)」(企業会計基準第12号の改正案)(以下、基準案第41号)
企業会計基準適用指針公開草案第37号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針(案)」(企業会計基準適用指針第14号の改正案)(以下、指針案)
企業会計基準公開草案第42号「セグメント情報等の開示に関する会計基準(案)」(企業会計基準第17号の改正案)(以下、基準案第42号)

これらの会計基準等の改正案は、平成21年12月の企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下、企業会計基準第24号)および同適用指針の公表を受け、企業会計基準第24号における取り扱いや表現と平仄(ひょうそく)を合わせる観点から行われたものです。

なお、本公開草案に対しては、平成22年5月31日(月)までコメントが募集されています。

1. 改正内容の概要

(1)

四半期財務諸表に関する会計基準(案)および四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針(案)

会計方針の変更の取り扱い(基準案第41号第10-2項および第21-2項)
  会計方針を変更した場合、過去の年度・四半期会計期間に新たな会計方針を遡及(そきゅう)適用するものとされています。
ただし、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更において、会計基準等に経過措置が定められている場合には、その取り扱いに従うことになります。
遡及適用の原則的取り扱いが実務上不可能な場合(基準案第41号第10-3項および第21-3項)
  遡及適用の原則的な取り扱いが実務上不可能な場合には、企業会計基準第24号第9項の定めに準じて取り扱うものとされています。
このとき、累積的影響額が算定できる場合には、実行可能な最も古い期間の期首時点で累積的影響額を算定し、その時点から将来に向かって新たな会計方針を適用します。また、累積的影響額が算定できない場合には、当年度の期首以前の実行可能な最も古い日から、将来に向かって新たな会計方針を適用します。
なお、当年度の期首時点においても新たな会計方針を適用できない場合には、翌年度の期首時点で会計方針の変更を行いますが、そのときには翌期首以前の実行可能な最も古い日(当期首よりも後の時点になります。)から将来にわたり新しい会計方針が適用されます。
1株当たり情報(指針案第51-2項~第53項および第55-2項~第57項)
  公開草案と同日に公表された企業会計基準公開草案第40号「1株当たり当期純利益に関する会計基準(案)」等に合わせ、会計方針の変更・過去の誤謬(ごびゅう)の訂正および株式併合または株式分割が行われた場合の取り扱いについて、年度と同様の取り扱いとすることが示されています。
注記事項
  会計上の変更を行った場合の、四半期(連結)財務諸表における注記事項が定められています(基準案第41号第19項および第25項ならびに指針案第36項)。
影響額の記載としては、新たな会計方針の遡及適用により影響を受ける前年度の期首からの累計期間に係る税金等調整前(税引前)四半期純損益等への影響を記載することになりますが、これには前年度の期首の純資産に反映された遡及適用による累積的影響額が含まれるものと考えられます(指針案第104-2項)。また、遡及適用の原則的な取り扱いが実務上不可能な場合の影響額は、当年度と前年度同四半期の会計方針が同じか否かにより、異なる場合(前年度同四半期より後の日付から新たな会計方針を適用している場合)には前年度と当年度の、同一の場合には前年度のみの、期首からの累計期間への影響額を注記するものとされています(指針案第33項)。
その他
  量的な重要性の変化により、報告セグメントとして開示される事業セグメントの範囲が変更される場合について(年度の取り扱いについては(2)参照)、新たな区分による前年度同四半期の情報が最高経営意思決定機関に対して提供され、使用されている場合には、当該情報を開示することが考えられる旨が示されています(指針案第106項)。
なお、表示方法の変更または過去の誤謬の訂正に関する会計上の取り扱い(おのおの、財務諸表の組替えまたは修正再表示を行う)については、四半期財務諸表においても年度と同様の取り扱いとすることが示されています(基準案第41号第18-2項および第24-2項ならびに第16-2項および第22-2項)。

(2)

セグメント情報等の開示に関する会計基準(案)

量的な重要性の変化により、報告セグメントとして開示される事業セグメントの範囲を変更する場合、その旨と変更後の区分による前年度のセグメント情報を開示することが提案されています。

ただし、この場合にも、当年度の区分による情報の開示が実務上困難な場合、セグメント情報に与える影響を開示することができるものとされています(基準案第42号第16項)。

2. 適用時期

適用時期については、企業会計基準第24号と同様(平成23年4月1日以後開始する事業年度の期首以後に行われる会計上の変更等から適用され、早期適用は認められません)とすることが提案されています。

なお、1.(1)③の1株当たり情報に係る改正のうち、株式併合・株式分割に係る取り扱いについては、同日に公表された企業会計基準公開草案第40号「1株当たり当期純利益に関する会計基準(案)」と同時に適用(平成23年4月1日以後開始する事業年度から適用)することが示されています。

本稿は「企業会計基準第24号『会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準』等の公表に伴う他の会計基準等の改正案の公表 」の概要を記述したものであり、その詳細については、以下の財務会計基準機構/企業会計基準委員会のウェブサイトをご参照ください。



情報量は適当ですか?

文章はわかりやすいですか?

参考になりましたか?