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役員報酬等の開示を改正する開示府令改正案等のポイント

2010.02.17
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
吉田 剛
<金融庁が平成22年2月12日に公表>

平成22年2月12日に、金融庁より「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)」(以下、開示府令改正公開草案)等が公表されています。開示府令改正公開草案では、有価証券報告書等の「コーポレート・ガバナンスの状況」における開示の充実が提案されており、この平成22年3月期からの適用が予定されています。また、関連するガイドライン(「企業内容等の開示に関する留意事項について」のA 基本ガイドライン(以下、開示基本ガイドライン))についても、併せて改正が提案されています。

なお、開示府令改正公開草案等、同日に公表された一連の公開草案に対しては、平成22年3月15日(月)までコメントが募集されています。

1. 改正(案)の概要

(1) 有価証券報告書等の「コーポレート・ガバナンスの状況」において、コーポレート・ガバナンス体制に係る以下の事項の開示を義務付ける提案がなされています(開示府令改正公開草案 第二号様式 記載上の注意(57)a~c)。
コーポレート・ガバナンス体制の概要、当該体制を採用する理由
財務および会計に関する相当程度の知見を有する監査役または監査委員の有無
内部統制部門、内部監査、監査役(監査委員会)監査および会計監査との相互連携
社外役員(社外取締役・社外監査役)の員数、提出会社との関係、社外役員がコーポレート・ガバナンスに果たす役割、社外役員と内部統制部門および監査との連携。また、社外取締役を設置していない場合にはその旨、その理由および代替的社内体制など
(2) 有価証券報告書等の「コーポレート・ガバナンスの状況」において、役員報酬に係る以下の事項の開示を義務付ける提案がなされています(開示府令改正公開草案 第二号様式 記載上の注意(57)d)。
役員ごと(報酬等の額が1億円以上である者に限ることができるとされています)の報酬の種類別(金銭報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金等の別)の額
役員の役職ごと(取締役・監査役・執行役の別、社外役員がいる場合には左記に加えて社内と社外の別)の報酬の種類別の額
報酬等の額またはその算定方法に係る決定方針の有無、方針がある場合にはその内容および決定方法
(3) 有価証券報告書等の「コーポレート・ガバナンスの状況」において、提出会社の株式の保有状況として、以下の事項の開示を義務付ける提案がなされています(開示府令改正公開草案 第二号様式 記載上の注意(57)e)。
純投資以外の目的で保有する株式について、銘柄数および貸借対照表計上額を記載するとともに、一定の要件(貸借対照表計上額の上位30銘柄、または当期(または前期)の貸借対照表計上額が資本金の1%超)を満たす場合には、銘柄、株式数、保有目的、貸借対照表計上額
純投資目的で保有する株式について、当該株式の上場・非上場の別に、当期および前期の貸借対照表計上額、当期の関連損益(受取配当金、売却・評価損益)および保有目的を変更した場合には一定の事項
提出会社が持株会社である場合には、上記①の株式計上(保有)額が最大の連結子会社について、一定の要件により除外される場合を除いて、①と同様の事項
(4) その他、以下の事項の改正が予定されています。
臨時報告書において、株主総会(定時株主総会直後に開催される取締役会を含みます)における議案ごとの議決権行使の結果を開示することとされています(開示府令改正公開草案第19条第2項第9号の2、開示基本ガイドライン改正案24の5-23)。
投資法人および特定目的会社に係る有価証券報告書等の「投資リスク」の項目において、投資法人等が将来にわたって営業活動等を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象(「重要事象等」)が存在する場合には、その旨およびその内容等を開示することとされています(「特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令」改正(案) 第四号の三様式 記載上の注意(25))。
有価証券報告書を定時株主総会前に提出する場合、有価証券報告書の記載事項が定時株主総会の決議事項になっている場合に、一定の記載が求められる規定となっていましたが、その範囲に定時株主総会直後に開催が予定されている取締役会の決議事項を含むことが提案されています(開示府令改正公開草案 第三号様式 記載上の注意(1)e)。

2. 適用時期

上記の改正事項については、平成22年3月31日施行予定であり、同日に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用予定であることが示されているため、3月決算会社では平成22年3月期決算からの適用が想定されていることとなります。


本稿は「『企業内容等の開示に関する内閣府令(案)』等の公表について」の概要を記述したものであり、その詳細については、以下の金融庁のウェブサイトをご参照ください。



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