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金融商品取引法施行令の改正(組織再編成対象会社の範囲の変更)のポイント

2010.01.06
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
吉田 剛
<政令第303号が平成21年12月28日に公布>

平成21年12月28日に金融商品取引法施行令(以下、施行令)が改正されています。この改正は、同日に公布された政令第303号「金融商品取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」に含めて行われたものです。

政令第303号は、平成21年の金融商品取引法の改正(信用格付業者に対する規制の導入や金融ADR制度の創設など)に伴い、その他一連の政令・府令とともに公布されたものです。これら一連の改正のうち、開示制度に係る重要なものとして、組織再編成に係る開示規制に関連し、開示義務の対象となる組織再編成対象会社の範囲が変更されている点が挙げられます。

なお、この一連の改正に係る公開草案は平成21年10月16日に公表され、平成21年11月16日までコメントが募集されていました。

1. 組織再編成対象会社の範囲の変更

組織再編成による株式等の発行・交付のうち、一定の場合については、有価証券の募集または売出と同様の開示規制が行われます(金融商品取引法(以下、法)第2条の2、第4条第1項)。組織再編成には、合併、会社分割、株式交換および株式移転が含まれ(法第2条の2第1項、施行令第2条)、組織再編成対象会社の範囲は、これまで吸収合併消滅会社、新設合併消滅会社、吸収分割会社、新設分割会社、株式交換完全子会社および株式移転完全子会社とされていました(法第2条の2第4項第1号、改正前施行令第2条の2)。

今般の改正で、前述の吸収分割会社および新設分割会社は、当該会社分割における吸収分割契約または新設分割計画において、剰余金の分配(会社法第758条第8号ロ、第760条第7号ロ、第763条第12号ロ、第765条第1項第8号ロ)を定めた場合に限るものとされました。このような場合の会社分割は、いわゆる「分割型分割」に該当する会社分割に相当することから、いわゆる「分社型分割」の場合の吸収分割会社または新設分割会社は、組織再編成対象会社の範囲から除外されることとなり、法の規定に基づく継続開示の対象となっていない吸収分割承継会社または新設分割設立会社が一定の場合に課される有価証券届出書の提出義務がないものとされました。


2. 施行時期(政令第303号附則第1条ただし書き、同条第1号)

公布の日から施行するものとされています。

本稿は組織再編成対象会社の範囲の変更に関する改正の概要を記述したものであり、その詳細または同日に公布された一連の政令・府令の内容については、以下の金融庁のウェブサイトをご参照ください。



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