企業会計ナビ

「四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」等の改正のポイント

2009.07.08
新日本有限責任監査法人 会計監理レポート
吉田 剛
<内閣府令第41号が平成21年7月8日に公布>

平成21年7月8日に「四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第41号)が公布されています。また、この改正を踏まえて、関連するガイドラインも所要の改正が行われています。

内閣府令では、継続企業の前提に関する注記について、平成21年3月期から適用された年度での取り扱いを踏まえた改正がなされています。

なお、本改正の公開草案は平成21年5月18日に公表され、平成21年6月17日までコメントが募集されていました。


1. 改正された主な規則等

  • 四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下、四半期財規)
  • 四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下、四半期連結財規)
  • 中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下、中間財規)
  • 「四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(以下、四半期財規ガイドライン)
  • 「中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(以下、中間財規ガイドライン)
  • 企業内容等の開示に関する内閣府令(以下、開示府令)
  • 企業内容等の開示に関する留意事項について

2. 継続企業の前提に関する注記

四半期連結財規および四半期財規については、改正企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」の公表を受けて改正が行われたものであり、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合には、年度の(連結)財務諸表と同様に以下の事項を注記するものとされています。ただし、四半期貸借対照表日(四半期連結決算日)後において、重要な不確実性が認められなくなった場合は、注記することを要しないとされています(四半期財規21条および四半期連結財規27条)。

  • 当該事象または状況が存在する旨およびその内容
  • 当該事象または状況を解消し、または改善するための対応策
  • 当該重要な不確実性が認められる旨およびその理由
  • 当該重要な不確実性の影響を四半期(連結)財務諸表に反映しているか否かの別

併せて改正された四半期財規ガイドラインにおいては、年度の取り扱いと同様に、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるか否かに係る総合的かつ実質的判断の要請の規定(四半期財規ガイドライン21(2)(財規ガイドライン8の27-3を準用))や後発事象に該当する場合の規定が設けられています(四半期財規ガイドライン21(6))。その他の四半期固有の規定のうち、実務上重要と考えられる改正点を下表にまとめます。

【図表】 四半期財規ガイドラインの主要な改正点

項目 改正後の取り扱い 従来の取り扱い
前会計期間(※1)において注記した重要な不確実性が四半期貸借対照表日において認められる場合 当四半期会計期間末までの重要な不確実性の変化も含めて記載し、特段の変化がない場合には、前会計期間の注記を踏まえて記載する。
(四半期財規ガイドライン21(3))
前事業年度において注記を行っていた場合に、重要な疑義を抱かせる事象又は状況の変化を含めて記載するものとされていた。
対応策の記載 上記において前会計期間の注記を踏まえる必要がある場合を除き、少なくとも翌四半期会計期間末日までの対応策を記載する必要がある。
(四半期財規ガイドライン21(4))
前事業年度に存在した重要な疑義を抱かせる事象又は状況に変化がない場合は当事業年度末まで、当該事象等に大きな変化があった場合又は新たに事象又は状況が発生した場合は1年間の経営者の対応を記載する必要があるとされていた。
経営者の評価期間と対応策の策定期間との相違に係る記載 前会計期間の決算日における継続企業の前提に関する重要な不確実性に大きな変化があった場合又は当四半期会計期間に新たに重要な不確実性が認められることとなった場合であって、当四半期会計期間末日から1年にわたって継続企業の前提が成立するとの評価に基づいて四半期財務諸表を作成する場合には、具体的な対応策が未定であることや、対応策を超えた期間についても継続企業の前提が成立すると評価した理由等を含めて記載する。
(四半期財規ガイドライン21(5))
(新設)
(※1)前事業年度又は前四半期会計期間をいうものとされ、すなわち当該四半期会計期間末日の3か月前の日を末日とする決算を指す。

なお、中間財規および中間財規ガイドラインにおいても、同様の改正が行われています(中間財規5条の18および中間財規ガイドライン5の18-2から5の18-5)。


3. 「経理の状況」以外の記載事項

「経理の状況」以外の個所における記載事項に関しても、年度の財務諸表の取り扱いを踏まえた改正がなされています。

「経理の状況」において、継続企業の前提に関する注記を記載していない場合にも、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況等が存在する場合には、四半期(半期)報告書において新設された「事業等のリスク」の項に、年度の財務諸表等と同様、当該事象等(重要事象等)が存在する旨やその具体的内容を分かりやすく記載する必要があります。さらに、四半期(半期)報告書の「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の項(半期報告書における当該項目は新設)においても、当該事象等についての分析および検討内容並びに対応策を記載する必要があります。(開示府令 第四号の三様式 記載上の注意 (9-2)b および(11)b 並びに第五号様式 記載上の注意 (11-2)b および(13-2)b)。


4. 公開草案より修正された主な点

四半期財規ガイドライン21(3)(前会計期間において注記した重要な不確実性が四半期貸借対照表日において認められる場合の記載)において、公開草案では従来の取り扱いを継続することが提案されていましたが、最終的には当四半期会計期間末までの重要な不確実性の変化も含めて記載し、特段の変化がない場合には、前会計期間の注記を踏まえて記載することに修正されました。

また、公開草案段階では特に提案のなかった四半期財規ガイドライン21(5)の規定(経営者の評価期間と対応策の策定期間との相違に係る記載(2.の【図表】参照))が追加されています。

なお、これらは中間財規ガイドラインについても同様です。


5. 適用時期

平成21年6月30日以後終了する四半期会計期間(または中間会計期間)から適用するものとされています。従って、3月決算会社の平成21年6月第1四半期決算に適用されるほか、例えば12月決算の会社における平成21年6月第2四半期決算など、平成21年6月30日以後の四半期決算(または中間決算)にはすべて適用となる点に留意が必要です。


本稿は「『四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)』等に対するパブリックコメントの結果等について」の概要および主な論点を記述したものであり、詳細については、以下の金融庁のウェブサイトをご参照ください。



情報量は適当ですか?

文章はわかりやすいですか?

参考になりましたか?