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「持分法に関する会計基準」および「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」のポイント

2008.06.03
新日本監査法人 会計監理トピックス
<企業会計基準委員会が平成20年3月10日に公表>

企業会計基準委員会は、平成20年3月10日に、「持分法に関する会計基準」および「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」を公表しました。本会計基準等は、平成19年11月に公開草案として公表された後、寄せられたコメント等の分析を経た上で公表されています。

なお、本稿において意見にわたる部分については、執筆者の私見であり、当法人の公式見解ではありません。

公開草案から最終公表に至るまでの大きな変更点は、次のとおりです。

  • 統一のために必要な情報を入手することが極めて困難と認められる場合の当面の取り扱いが、持分法適用非連結子会社に適用されないことが明記されました。
  • 国内関連会社であっても、会計処理統一のために必要な情報の入手が極めて困難な状況が生じることを否定するものではない旨を記載しています。
1.本会計基準等の概要

(1)

現行
投資会社と持分法適用被投資会社(持分法適用関連会社、非連結子会社)の会計処理は「統一することが望ましい」と解されてきました(持分法実務指針第5項)。

(2)

本会計基準等
「同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、投資会社(その子会社を含む。)及び持分法を適用する被投資会社が採用する会計処理の原則及び手続は、原則として統一する」こととされています(会計基準第9項)。

連結子会社の会計処理の原則及び手続の統一を行う場合の当面の取扱い(監査・保証委員会報告第56号、実務対応報告第18号)を持分法適用被投資会社にも適用することとしています。
持分法適用関連会社について、統一のために必要な情報を入手することが極めて困難と認められるとき(注)は、当面の間、「統一しないことに合理的な理由がある場合」にあたるものとしています。
(注)次のような例が記載されています。
  • 在外関連会社の場合で、投資会社の他に支配株主が存在するようなとき(国内関連会社の場合であっても、統一のために必要な情報の入手が極めて困難な状況が生じることを否定するものではない)
  • 上場会社の株式を追加取得することで関連会社としたとき(個別の事情の合理性を実質的に判断)
2. 適用時期等

(1)

適用時期
平成22年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度から適用(平成22年3月31日以前に開始する連結会計年度および事業年度からの早期適用可)

(2)

適用初年度の会計処理
適用初年度の期首に、本会計基準等の適用により生じた純資産の変動額については、利益剰余金に係るものは適用初年度の期首の利益剰余金に、評価・換算差額等に係るものは当該評価・換算差額の該当する科目に加減することとされています。
在外関連会社との会計処理の統一に際し、修正のために必要となる過年度の情報を入手することが極めて困難と認められるときは、過年度の処理について次のような簡便的な処理ができることとされています。

項目 簡便的な処理 原則的な処理(参考)
  • 持分法適用関連会社ののれん
  • 時価評価されている投資不動産
  • 再評価されている固定資産
適用初年度の期首のB/S計上額に基づき新たに計上されたものとして扱う 過年度の計上時に遡って要修正額を計算し、期首の利益剰余金に加減
退職給付会計において純資産に直接計上された数理計算上の差異 全額が過年度において損益として修正されているものとして扱う 同 上

本稿は企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」及び実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」の公表の概要および主な論点を記述したものであり、詳細については、以下の財務会計基準機構/企業会計基準委員会のウェブサイトをご参照ください。



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