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「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その3)(案)」のポイント

2008.04.02
新日本監査法人 会計監理トピックス
<割引率の取り扱いを見直し>

企業会計基準委員会は平成20年3月21日に、企業会計基準公開草案第24号「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その3)(案)」を公表しました。

この公開草案は、割引率の基礎とする長期の債券の利回りについて、一定期間の変動を考慮する取り扱いを削除することについて、広く一般から意見を求めることを目的としており、平成20年5月16日までコメントを募集しています。

なお、本稿において意見にわたる部分については、執筆者の私見であり、当法人の公式見解ではありません。

1. 適用時期等(第3項)
  • 平成21年4月1日以後開始する事業年度の年度末から適用されます。
  • 平成21年3月31日以前に開始する事業年度の年度末から適用することができます。

適用初年度に発生する退職給付債務の差異の取り扱い

  • 数理計算上の差異として会計処理
  • 当該差異の当期費用処理額および未認識数理計算上の差異残高は会計方針の変更が財務諸表に与えている影響として注記(重要性が乏しい場合を除く)
2. 改正点(第2項)
現 行 本公開草案
(注6)
割引率の基礎
・安全性の高い長期の債券の期末日時点の利回り
一定期間の利回りの変動を考慮(なお書き)
(注6)
割引率の基礎
・安全性の高い長期の債券の期末日時点の利回り
 (削除)
3. 企業に与える影響

これまで、なお書きの定めにより、過去5年間の債券の利回りの平均値が広く用いられてきました。本公開草案では原則どおり、期末の利回りしか認められないことになります。

ただし、割引率の見直しを求めるのは退職給付債務を10%以上変動させるような利回りの変動があった場合にだけとする、重要性基準は見直されていません。このため、現実的には、本公開草案が企業に与える影響はないという指摘もあります。

なお、本稿は企業会計基準公開草案第24号「「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その3)(案)」の概要および主な論点を記述したものであり、詳細については、以下の財務会計基準機構/企業会計基準委員会のウェブサイトをご参照ください。



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