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旬刊経理情報 連載『女性リーダーからあなたへ』

第13回 自分にできることをする ~対話と信頼をベースにした働き方へ

2018.05.01
礒村 奈穂
(株)サイバー・バズ 常勤監査役/公認会計士
Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性リーダーからあなたへ』を連載しています。2018年4月1日号に掲載された記事をご紹介します。

今までの私の行動を振り返ると、目的達成のために必ず実施してきたプロセスが2つありました。1つ目は現状の自分や目的、環境、相手を理解し、受け入れること。2つ目はそれに対して自分は何ができるのかを考え実施すること。この繰り返しでした。

私の前職の経験に、結果的に今でいう働き方改革につながったものがあります。当時の状況は、長時間働き続けるには男性よりも劣り、一方でクライアント数が15社ほどと多かったこと、品質向上の施策により業務が増えていたこと、早く仕事の実績を出す必要があったことでした。これに対して自分ができることは、今までどおりの品質を保つ効率的な働き方やチームメンバーの育成、クライアントとの関係を重視してきたことを活かすことでした。結果としては、チームメンバーは1つ上のレイヤーの仕事をこなすようになり、電話に出ることも拒否していたクライアント先の役員から直接相談されるほど信頼され、監査品質も向上し、さらに監査の時間は3分の2となりました。繁忙期には妊娠中でしたが、残業も、仕事を軽減することも不要でした。

何をするにも大切なことは対話をベースにし、自分ができることをする、相手にもそれを提供してもらうこと。そして、その関係が成立することが働くことだと考えています。これは対等な立場での関係構築であり、守る守られる関係でも縛る縛られる関係でもありません。また、この前提はみてみぬふりをしないこと、ありのままの声を聴く姿勢だと考えています。現在は監査役として従事していますが、特に今の役割にとって必要なことだと実感しており、経営陣に意見が偏らないこと、従業員との対話による現状の把握、第三者として客観的にゴルフのキャディーのような立場で効率性の提案をすることなどを心がけています。また、今後はいっそうステークホルダーとの対話も重要になってくるでしょう。いずれはこのポジションとしてだけではなく、社会から無関心によるリスクを軽減することに寄与したいです。

思い返せば、私はもがき続けながら進んでいました。その状況はマイナスであると捉われがちですが、そのなかで得たスキルや成長がありました。今はそれほど熱中する何かがあることは幸せだという考えのもと、もがきながら働き続けたいと考えています。

今、私がお伝えできることは、ありのままの自分に価値があることを理解し、それをラブレターのつもりで相手に伝えられるようにしてみましょう、ということです。いじけず、卑下せずに自分を棚卸すること、私はこんなに素敵な人間です、こんなビジョンを持っています、あなたにとってこうしたメリットがあります、と伝えられる状態にしておくことはすぐにできることではありません。プロフィールでも経歴書でもどのような形でも、自分をコンテンツとして明白にし続けることが自分の軸、助けになります。

最後に、私が大切に思う言葉を記載します。
 「誰のものでもない、自分の人生をいきること」

(「旬刊経理情報」2018年4月1日号より)

礒村 奈穂

礒村 奈穂(いそむら・なほ)
(株)サイバー・バズ 常勤監査役/公認会計士
2008年横浜国立大学卒業、あずさ監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)に入社。上場企業の監査、IPO支援(4社上場)、海外で子会社の内部統制支援に携わる。また、生産性向上のため、ワークライフバランスコンサルタント資格取得、コーチングの手法を取り入れながら繁忙期チーム残業ゼロ、年間監査時間を3分の2にする。2017年に(株)サイバー・バズの監査役に就任し、信頼と対話を重視した効率的監査に力を注いでいる。現在1児の母である。