7月16日開催 WWN&DBJ-WEC共催セミナー後記

2014.10.28
公認会計士 入交 佐和子

WWNは株式会社日本政策投資銀行(DBJ)と、「女性起業家のためのビジネス実践講座~経営を学ぶシリーズ」と題してセミナーを共催しています。
本シリーズとして、7月16日に「これだけは知っておきたい!マーケティング入門」をテーマにセミナーを開催いたしました。

今回は、一橋大学准教授の山下裕子さんによる基礎理論の講演の後、日産自動車株式会社 常務執行役員 コーポレート市場情報統括本部長の星野朝子さんと、株式会社日経リサーチ 執行役員 ソリューション本部長の小島知香子さんをパネリストに加え、実践的な観点でディスカッションを行いました。

まず、山下さんの基礎理論の講演ですが、普段、男子学生が多い一橋大学で教鞭をとっていらっしゃることから、今回のような女性向けセミナーは新しい境地と、非常に楽しそうにお話を始められました。

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講演では、起業時のマーケティング、マーケティングとは何か、日本のマーケティングの実態などについての説明がありました。その中でも、「女性による起業は生業的だ」という分析結果、すなわち女性による起業は非常に小規模になりがちで、個人として生活の糧を得るためのものが多いという分析結果を紹介されました。そして、そこから企業として成長させるためには、マーケティングを行い、飛躍することが重要である点や、マーケティングは販売することではなく選択することである点、日本企業はまだマーケティングを重視できていない点が印象に残りました。

その後、「これだけは知っておきたい!マーケティング入門」についてのパネルディスカッションでは、まず星野さんから「勝つために必要なルール」として、効果的なマーケティングの法則に関してのお話がありました。中でも「一番手の法則」として、「マーケティングの基本課題は一番になれる部分の創造である」というお話は、富士山を例えにした分かりやすく興味深いものでした。それは、「富士山は日本で一番高い山として誰もが知っているが、二番目に高い山となると、ほとんどの人が知らない」というもので、興味と関心は一番のものに向かうというものでした。よって、マーケティングは売りたいものに関して、それの何が一番なのかということをクライアントに伝えることが重要であると説明されていました。

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また、星野さんからは、「大きな会社と小さな会社」の違いについて、「小さな会社は社長のパッションがものすごく大事である」とのご意見もありました。星野リゾートを経営されている夫の佳路さんを創業当時にサポートした経験に基づくお話に納得された方も多かったのではないかと思います。選択と集中をしてこそ企業が成長していくというお話は、星野リゾートが経営者の強いパッションの下で苦しい中でも、それを実行し続けたから成長できたという実感が伝わってきました。

次に、小島さんからは、「ニーズのつかみ方」について、「お客さまが何をかなえたいか」を捉えること、ニーズをデータで裏付けること、裏付けのデータは事業のスタート時点では公的統計が市場理解やターゲットセグメンテーションのオープンデータとして有用であることなどの説明がありました。マーケティングに活用できるデータとしては、その他にも業界団体、企業がリリースする統計・調査、有料のマーケティング・データ・バンク(MDB)や日経テレコンなどがあること、公的統計は政府統計の総合窓口の「e-Stat」から入手できることが紹介されました。

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その後は会場からの質問に移りました。無形資産のブランディング方法についての質問があり、それに対して、星野さんが、無形資産は在庫として繰り越すことができないため、サービス業を例に挙げ、今日、売ることが必要で、そのためには適切なプライシングとフロントラインに立つ人のマネジメントが重要であるとのご回答をされました。

最後に、会員の方のPRタイムを設け、ロイヤルブルーティ代表取締役社長の吉本桂子さんに自社商品のPRをしていただきました。
今後も本ネットワークのセミナーを経営やネットワークづくりにご利用ください。