Winning Women ビジネスセミナー(第4回)「女性経営者に学ぶ成功のポイント」セミナー後記

2013.05.28
公認会計士 高島 静枝

3月27日に4回目となるWinning Womenビジネスセミナーおよび交流会を開催し、総勢50名を超える女性経営者およびエグゼクティブの方々にお集まりいただきました。今回のセミナーは、前半では女性の強みに関する講演、後半では激動のIT業界で起業されたカリスマ社長によるセッションを行いました。
以下、セミナー後記をご覧いただき、ご出席できなかった方もエネルギーあふれるセミナーの様子を感じていただけますと幸いです。

「創業補助金」「ひとづくり支援」について

はじめに、経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室 係長(男女共同参画・子育て担当) 関 万里さんより、「創業補助金」と「ひとづくり支援」に関するご説明がありました。「創業補助金」は、女性ならではの視点で地域経済を活性化する方への補助金、「ひとづくり支援」は、再就職を希望する主婦の方のインターンシップを支援する助成金です。ご興味がある方は「創業補助金」は中小企業基盤整備機構または各地域事務局、「ひとづくり支援」は全国中小企業団体中央会までお問い合わせください。

女性の強みを生かしたリーダーシップのあり方「今、女性リーダーに求められるコンピテンシーとは?」

会場1SAPジャパン株式会社 チャネル営業本部 本部長 金田博之さんにお話いただきました。
入社当時の直属の女性上司の方がきめ細やかに周りの変化を注視し、そこに価値を見いだし、引き出すことで個々人を育成されていた点、また、SAP社の女性ExecutiveやVice Presidentの方がグローバルな視点で価値やビジョンを考え、描く力がある点が女性の強みと感じたとのお話で、非常に興味深くおうかがいしました。

変動激しいIT業界をリードするカリスマ社長によるセッション

ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役兼CEO 石黒不二代さん、株式会社ブレインパッド 代表取締役 草野隆史さん、株式会社VOYAGE GROUP 代表取締役CEO 宇佐美進典さん、モデレーター WWN代表 金子裕子によるセッションを行いました。

まずは、皆さまの自己紹介から。

石黒さん:
石黒さんはデジタルマーケティング戦略を立案するネットイヤーグループ株式会社を起業され、現在は日本を代表する大手グローバル企業とも取引されています。印象的だったのは、石黒さんの大学時代の求人募集がすべて「男性」のみであったため、就職が困難な時代を乗り越えていらっしゃることです。明確なビジョンを描き、信念を持っていらっしゃる様子は、石黒さんを内面から輝かせているように見受けられました。

草野さん:
「大量データ分析にかかるムダをなくすことで、より良い社会を」との思いからデータ分析などを手掛ける株式会社ブレインパッドを起業されました。ご自身いわく「理系な感じの文系社長」とのことです。偉業を成し遂げたスティーブ・ジョブズも、まさに理系と文系の狭間の人でした。偉業は、そのようなリベラルな感覚から生まれるものかもしれません。

宇佐美さん:
株式会社サイバーエージェントからのMBOを経て設立された株式会社VOYAGE GROUPで、ネット分野に特化した事業開発を展開されています。「オープンでフラットな会社」をモットーとされているという言葉のとおり、社内のコミュニケーション活性化のための社内バーは、社名にかけて、船をかたどっており、センスの良さを感じました。

続いて、皆さまに創業時の苦労をおうかがいしました。

石黒さん:
創業時は、採用が順調で、特に間接部門でいい人材をかなり採用することができ、資金調達も順調であった反面、船頭が多過ぎてしまい、組織をどう運営していくか、という点で苦労されたとのことです。

草野さん:
起業はご友人と4人でされ、資金面で苦労されたとのことです。また、当時は近年のビッグデータ市場の賑わいが到来する前で、大量データ分析のニーズがあるかどうか、不透明な手探りの時代だったそうです。その時代を乗り越えた経験から、ニーズを丁寧に確認し、成長が目に見えるかたちになるまで試行錯誤しながら進むことが大切である、とのお言葉は大変深みのあるものでした。

宇佐美さん:
ご友人と2人で起業し、事業を進めていく中で、ご友人とそれぞれの方向性に違いが生じ始め、それを1つに絞ることが大変であった、との経験談をうかがいました。ビジネスを行う上では、同じ目的・同じ思い・同じベクトルが必要との結論は説得力がありました。

続いて、皆さまに人材採用や組織づくりについて、おうかがいしました。

宇佐美さん:
人材採用は、ひと言でいえば、各企業の努力につきる、とのことでした。人材を育てる方針は、本人の思いをサポートすること、目標設定・振り返り・個人のチャレンジをサポートすること、というお人柄あふれる方針をうかがいました。

草野さん:
「社長は選挙で選びたい」という言葉が印象的でした。その理由は、「一方的なトップダウンによるリーダーシップは組織を硬直させてしまう。現場から離れた人は意思決定ができなくなる傾向にある」というものであり、非常に納得感のあるものでした。

石黒さん:
会場2人事制度については試行錯誤をされているそうで、人事施策に完璧なものはなく、制度に翻弄されてしまう面がある、とお話いただきました。
なお、石黒さんはお子さんを連れて米国留学をされています。日本で子育てしながら働くことは難しいが米国ならできる、ということで出された結論でした。米国は子育てしながら働ける社会の仕組みが存在するだけでなく、文化そのものから醸成されていることを、あらためて実感する機会となりました。そして、目の前にある環境だけで結論を出さず、外に目を向け、挑戦し、今をつくり上げてこられた石黒さんの経験から、「視野さえ広ければ人は何でもできる」というメッセージをいただきました。それは非常に心に残るとともに、日本という社会で女性が働きやすい環境をつくるには、「まず、その文化や風土といったものからの変革が必要では?」と考えさせられました。

質疑応答の時間では、会場の皆さまから多くの質問が寄せられました。
特に、「社長としてではなく、個人としてのご自身をどう表現されるか?」という質問への回答に、私も「自分自身」を持っていたい、と強く思いました。

会員の方による会社紹介

今回は以下の4社の皆さまの会社紹介を行いました。

  • せんべい・お菓子の企画・販売等をされている「株式会社つ・い・つ・い」の遠藤貴子代表取締役
  • セルフチケッティングサービスを展開されている「株式会社ネットスケット」の芥川みゆき取締役
  • SNSを活用したサービスを展開されている「ウォンテッド株式会社」の仲 暁子代表取締役兼CEO
  • 感動演出サービスを展開されている「感動演出プランナー」の村上賢太さん

交流会・名刺交換会

セミナーの後の交流会では、セミナーに参加された方々に加え、登壇者の金田さん、セッションのパネリストの草野さん、宇佐美さんにもご参加いただき、おいしいアップルパイとともにFace to Faceにて情報交換を行いました。
皆さまのネットワーク構築の一端となっていただければ幸いです。