「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~

第47回 決断に至った2つのモットー

2017.04.07
矢野 敦子
(株)クロスリンク代表取締役社長

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2017年2月1日号に掲載された記事をご紹介します。

2010年9月にクロスリンクを設立し、今期で7期目に入りました。「元気な人が人を元気にする」というビジョンのもと、ヘルスケア・リラクゼーション業界をITを活用して活性化し、人々がそして日本が元気になるサポートをしていきたいと考えています。あっという間の6年間でしたが、この間に2回の転機がありました。

1回目の転機は、クロスリンクの代表取締役社長に就任したことです。クロスリンクは事業会社の100%子会社として設立しているので、その前身となるプロジェクトのリーダーをやっていた私が社長をやるのか、他の方がやるのかは私の判断次第でした。もともと「社長」という役職になりたかったわけではないので、とても悩みました。「社長」という心構えを持っていなかった私が急に「社長」になってうまくいくのだろうか。この先の私の人生が大きく変わってしまうことになるのではないか、などの漠然とした不安が大きくありました。

2回目の転機は、親会社からManagement Buyout(MBO)を実施したことです。このことにより親会社からは完全に独立する形となるため、1回目の転機のとき以上に悩みました。社員のためには独立という形は取らないほうがよいのではないか。独立したいというのは私のわがままであって、それで会社が失敗したら社員に申し訳ない、などと10数名いた社員と自分のやりたいことを天秤にかけて、日々自問自答していました。

これらの悩みをどのようにして乗り越え今の私がいるのかを振り返ってみると、次の2つのモットーを元に考え決断していました。

【人生は1度きり。やっておけばよかったという後悔だけは絶対にしない】

「社長」という役職に就けるチャンスは何度もあることではないので、1度やってみてもいいのではないか。
他の人が社長になったとき、やっぱりやっておけばよかったと思わないか。


【考え抜いて、やり抜く】

「元気な人が人を元気にする」というビジョンを具現化するサービスを考え抜けているか。
会社設立時のビジネスモデル、ビジョンを具現化するサービスをやり抜けているか。

このように考えてみると、まだまだ「やり抜く」ということから遠いなと自分を客観的に見直すこともできました。

代表取締役社長に就任すること、親会社から独立することが私のモットーに合っている、という答えがみつかったとたん目の前がすっと開け、2つの転機を楽しめるようになりました。

女性には男性よりも多くの転機が訪れます。その時、ぜひ変化するほうを選択していただきたいと思います。変化することは不安も多いですが、人生は1度きり。やる前からいくら悩んでも挑戦してみないと答えは何もわかりませんし、他人が答えを出すこともできません。変化に対して考え抜いてやり抜けば、絶対に目の前に新たなステージは開けるはずです。変化を楽しんで新たな自分自身を発見していただきたいです。

(「旬刊経理情報」2017年2月1日号より)

矢野 敦子

矢野 敦子(やの・あつこ)
(株)クロスリンク代表取締役社長
大学卒業後、凸版印刷㈱へ入社。BtoC領域で女性視点を活かしたいと考え㈱エムアウトへ転職。さまざまな事業の立上げに参画後、2010年9月㈱クロスリンクを設立、代表取締役社長に就任。2012年10月MBO実施。
ヘルスケア・リラクゼーション業界専門の予約システム「ワンモアハンド」、求人サイト「キャリさぽ」を運営し、両サービスも業界最大級の規模まで成長。