「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~

第44回 グローバル化に向けて、忘れてはいけないこと

2017.01.30
垣内 美都里
(株)ぐるなび 取締役執行役員

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2016年11月1日号に掲載された記事をご紹介します。

「グローバル」という文字を目にしない日はないほど、この言葉は今や一般用語となり、大学や高校でもこれをテーマとした学部等が新設されるなど、世のなかに広く浸透しているようです。私のキャリアを振り返ると、グローバルがまだ一般的でなかったときから日本人以外の方々と仕事をする機会が多く、その時の経験が今の私の根底になっています。

グローバルと聞くと、何となく外国の方々と英語を駆使してビジネスを進めること、特に「英語が話せる」ことのみが意識されているのではないでしょうか。もちろん、語学は大事ですが、真のグローバル化を目指すのであれば、忘れてはいけないことが2点あります。1つは、チャレンジし、変化をおそれない気持ちを常に忘れないこと、もう1つは、自分の国のことをきちんと語れるようになること、です。

日本人は、もともと、外の文化・技術を積極的に勉強し、それをうまく自分たちの生活に合わせて取り入れていくのが上手な民族でした。漢字から生まれた平仮名、日本で発展した囲碁、ものづくり技術など、世界に誇れるものがたくさんあります。ところが、最近、世界をけん引するようなアイデア、製品、サービスが出てくることが減ったように思います。これはとても残念なことです。本来、アイデアも技術も持っている(と私は信じています)日本人なのに、なぜでしょうか? 理由はいくつかあると思いますが、現状を変えることに対し消極的になり、自ら働きかけて何かを変えようとするチャレンジ精神が弱くなっていること、また、自分たちの想いを積極的にコミュニケーションすることにあまり熱心でないこと、がその原因の1つではないでしょうか。日本は、面積は小さな国ですが、文化・技術を大きく育んできました。その力を活かし、日本の持つ素晴らしさを正しく伝えていければ、まだまだ世界のなかで強みを出していけるのではないでしょうか。

そのためには2つ目のポイントである、自国のことを語れる能力が大事になります。想像してみてください。とても日本語の上手な海外の方が、日本人も驚くほど日本の文化や習慣のことをよく知っていたとします。その方に、「ところであなたの国ではどうですか?」と質問し、ほとんど回答がない、あるいはわからない、と返事をされたら、とても奇異な印象を受けませんか? 自国には語れるようなことがないのだろうか、と思われるかもしれません。海外のことを理解することはとても大切です。しかし、その前に、日本の素晴らしい文化を理解し説明できるようになりましょう。自国を正しく理解することは、尊重する気持ちを生みますし、自国の文化を愛する人は、他国の文化も同じように尊重する気持ちが芽生えてくるのです。

真のグローバル人というのはどういう人か? 築いてきた文化を尊重する姿勢とともに、知らないことは何でも吸収したいという旺盛な好奇心をベースに、新しいことにも積極的にチャレンジできる人ではないでしょうか。

私自身も、今、自分は積極的に物事に取り組めているか、内向きになっていないかを常に問いかけつつ、研鑚しています。みなさんも一緒に真のグローバル人になる努力をしてみませんか。

(「旬刊経理情報」2016年11月1日号より)

垣内 美都里

垣内 美都里(かきうち・みどり)
(株)ぐるなび 取締役執行役員
日産自動車(株)を経て、平成26年7月に(株)ぐるなびに入社。現在は、管理本部人事部門長、管理本部法務コンプライアンス室長を兼任している。また、ダイバーシティの推進役として女性のキャリア支援や多様な人材が活躍できるしくみづくりに取り組んでいる。