「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~

第40回 英語保育園の世界展開から学んだこと

2016.08.10
中山 貴美子
(株)キンダーキッズ代表取締役社長

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2016年7月1日号に掲載された記事をご紹介します。

英語保育園「キンダーキッズインターナショナルスクール」は現在、全国に21校、海外にも展開しています。創業のきっかけは「自分の子どもをバイリンガルに育てたい」という想いでした。

当時のインターナショナルスクールは両親が英語を話せないと入学さえ難しく、英会話教室といえば週1回1時間程度。「日本に住む子どもが英語環境のなかで学ぶ場がないのなら、つくればいい」。そんな発想が原点です。あちこちで起業の夢を語っていたある日、願ってもない申し出が舞い込みました。「東大阪の体操教室の2階が空いている。保証金なしで家賃は折半」。物件をみてもいないのに、「やります」と返事をしました。手作りのチラシを新聞に折り込むと、問い合せの電話が鳴りやまず、数カ月で定員になったのです。東大阪校の開校から2カ月後には、2校目の八尾校を立ち上げました。

以来、全国展開し、関西、関東、名古屋、2016年には福岡にオープンしました。さらに、2014年には初の海外校であるカナダ校を開校しました。よく質問されるのが「現地の日本人の子どもに英語を教えるのですか?」。そうではなくて、現地の英語圏の子ども達に、私たちが日本で開発したカリキュラムを提供しています。北米の幼児教育のレベルはそれほど高くなく、キンダーキッズの子ども達の読み書きのレベルの高さや楽器、組体操といった日本式の保育のよさは海外でもニーズがあるだろうとの判断です。おかげさまで、カナダ校は現在満席の状態で、今後も北米の他、ハワイ、東南アジア、韓国といった海外展開を見据えています。

振り返ると、母親としての想いから創業し、最初は1校立ち上げるのにいくらお金が必要かもわからず始めましたが、逆にいろんな知識を持っていたら怖くて起業できなかったと思います。他人の子どもを預かることの重責から事業を辞めたいと思ったこともあります。しかし、そのたびに社内を整備し、不安を取り除いてきました。

こうした経験から、「後輩たちへのメッセージ」として私が言えることがあるとしたら、次のようなことでしょうか。

【実行する前から勉強しすぎない】
何か大きなことを成し遂げようと思ったら、当然、リスクがあります。勉強することで、かえって前に進めなくなることがあると思います。

【能力に自信がなくても大丈夫】
多くの仕事は、実際にやりながら覚えるものです。大事なのは成果を出したい、という情熱ではないでしょうか。

【失敗は必ずするものと心得る】
私は十数年間、会社を経営してきましたが、いまでもたくさん失敗をします。どんな仕事でも、失敗はつきものです。重要なのは、その失敗を引きずらないで、次の一手をすぐに打つことだと思います。

日本には、女性ならではの視点で改善、改革ができる組織、会社はたくさんあると思います。職場がキレイになったり、作業着がオシャレになったり、男性では気づかないような、きめ細やかさを女性は持っています。今後、ますます女性の活躍の場が増えていけばいいですね。

(「旬刊経理情報」2016年7月1日号より)

中山 貴美子

中山 貴美子(なかやま・きみこ)
(株)キンダーキッズ代表取締役社長

1968年兵庫県出身。大学卒業後、就職内定を断り、カナダへ留学。そこで、自身がいかに軽い気持ちで留学したかを痛感し、猛勉強に励む。帰国後、旅行会社を経て英会話スクールの営業・運営責任者を担当し、仕事の面白さを知る。結婚後、自身の子どもに英語を学ばせたい想いをきっかけに、2000年、英語保育を事業とする会社を設立。