「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~

第37回 経営者として伝えたい成功する新人像

2016.05.23
立川 真由美
(株)ディーフィット 代表取締役社長

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2016年4月1日号に掲載された記事をご紹介します。

私の実家は明治時代から金沢市で金箔製造業を営んできました。金箔づくりの大敵は湿気です。良質の金箔をつくるため、夏でも窓を閉め切った無風の部屋でストーブを焚き、極度の高温・乾燥状態のなかで手作業をする母たちの姿を見て育ちました。

私は上京後に結婚。それから数年が経った頃、金箔業界全体に斜陽の影が色濃く差しはじめ・・・。昔ながらの金箔製造業の継続が困難となるなか、私の夫も含めて、何度となく家族会議を繰り返し、そこから生まれたのが"まかないこすめ"という和コスメのブランドでした。

極度の乾燥状態のなか、肌荒れに悩まされながら手作業を続けてきた金箔屋の女性たちが、それでも美しい肌を保つために自分たちなりの手づくり化粧品で肌ケアをしてきた歴史。そんな、金箔屋のまかない(裏方)で培われてきた化粧品のノウハウをいかして、和コスメのブランドを立ち上げよう、という発想から"まかないこすめ"が誕生したのです。 家業を継ぐというよりは、新規事業を立ち上げるような形で会社をつくり、経営者になった私。いつか起業したい、という思いを抱いていたわけでもなかった私は経営のイロハも知らないまま船出して、必要に迫られながら知るべきことを知り、今日に至っています。

成功者といえるほどの立場にいるわけではない私が、読者の皆様に何を語ればいいのかとも思うのですが、どこの会社にもそろそろ新人たちが入ってくる時期ですので"こんなタイプの新入社員が将来的に仕事で評価されて成功する"という類型を私なりにこれまで感じてきたことのなかから3つほど挙げてみようと思います。

【雑用を上手にこなせる人】
雑用を任されたときに、「えっ、こんな単純な仕事を・・・」と不服そうにするのではなく、丁寧に段取りよくこなせるのが能力の高い人です。状況に応じて「単純な仕事」を的確にこなせないような社員に、もっと難しい仕事を任せる上司はいません。

【チャンスの女神と向き合える人】
チャンスが来たら、迷わずすぐにつかまないと逃してしまうという意味で「チャンスの女神に後ろ髪なし」ともいわれます。チャンスの女神は、その人の準備が整う前に不意打ちで現れることが多いので「準備不足だから、次のチャンスが来るまで待とう」とする人が多いのですが、そうすると女神の機嫌を損ねることになります。たとえ準備不足でも、チャンスと必死に向き合おうとする人のところへ女神は何度も訪れます。

【自分に対する評価を育てられる人】
「こんなに頑張っているのに認めてもらえない」、「だから、やる気が出ない」と、すぐに愚痴を言い始める人の多くは、評価を得ることにせっかちな人。何度も結果を出し続けることによって、評価は形づくられ、確かなものになっていきます。評価を積み重ねて、だんだん大きく育てていける人が、大きく飛躍できる人です。

・・・と、いろいろとわかったようなことを申し上げましたが、まだまだ私自身も修行の身。わかっているつもりのことを実行していけるように精進します。

(「旬刊経理情報」2016年4月1日号より)

立川 真由美

立川 真由美(たちかわ・まゆみ)
(株)ディーフィット 代表取締役社長

石川県金沢市出身。青山学院女子短期大学卒。新聞社、PR会社勤務を経て、1999年に起業。2004年に和コスメブランド"まかないこすめ"を立ち上げる。現在、直営10店舗、オンラインショップなどを展開。2014年からは海外にも進出。フランスの老舗百貨店、ボン・マルシェでの定番導入を皮切りに、イギリス、シンガポール、タイ、中国などで事業展開を進めている。