「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第28回 人生というギフト

2015.08.11
湯川 智子
株式会社サピエント 代表取締役社長

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2015年7月1日号に掲載された記事をご紹介します。

23歳で起業し32年・・・。この春、最愛の母を亡くしました。若い女性社長など誰もがわらう時代の創業、唯一の味方は母でした。「仮にあなたがあと60年生きるとすれば、約20,000日。好きなこと、やりたいことを思いっきりやりなさい。そうすれば苦労なんて楽しくなるのよ。」人生を日数で数えると何と短いのかと愕然としたものです。

人は生きているそれぞれのステージで多くのことに悩み、迷い、怒ります。これらをブレイクスルーするには運のないことすらも自分のせいだと思い、学ぶべきこと、直すべきことをみつけて自己向上し、選択し、決別し、自らの足で進むしかないと私は思います。

誰かのせいにしない

何かに行き詰まったときや失敗したとき、その原因にはあなた以外の多くの要素があると思います。でもあえて自分にフォーカスして反省をする習慣を身につけると結果として自分が成長します。あなた以外の要素に対して変革を試みるより、自分に投資しましょう。

嫉妬心を持たない

自分より能力の高い人、自分より機会を多く与えられている人に悔しい気持ちを持つことはとてもよいことです。でもそれが嫉妬になり、その人の陰口を言うようになることは避けましょう。自分を自ら格下げしているのと同じだからです。あなたが言った陰口は独り歩きし、やがてあなたに牙をむいてくるし、賢い人はあなたを遠ざけるようになるでしょう。

環境のせいにしない

自分で言うのもおかしな話ですが、私はかつて相当優秀な中学3年生でした。しかし、受験前夜と当日に両親の離婚の話をこっそり聞いてしまい、合格確実といわれた受験校に落ちました。

すべり止めで入った私立高校は学費が高かったので母の負担を考えて1年生の1学期で自主退学をし、不本意でしたが都立高校の募集人員1名枠の編入試験を受けて60倍の倍率を突破しました。その後、当時就職をするのに有利な短大に希望どおり入学しましたが、志望した企業は私のような家庭環境では入社実績がなく、両親を恨みました。

しかし、生まれてきたこと、人生というギフト自体に謙虚に感謝をすればよかったと、後悔しています。今思えば、若いときに苦労を突破したことは何物にも代えがたいよい経験でした。そして、生まれ持っていないなら、自分自身で「運」を呼び込んでしまおうと努力をしました。私の取った方法は自分から「先に」相手を幸せにする姿勢を継続することです。待っていては駄目。自分から幸せのキャッチボールをスタートしてください。

チャレンジをおそれない

偉そうなことを言っている私も最近大きな失敗をし、再チャレンジをしています。
もう1回、人生というギフトに感謝をして、苦しいことも嬉しいことも楽しんで精一杯生きようと思っています。人によって幸せの尺度は違いますが、この人生は1度だけ。運を呼び込んでたくさんの幸せを抱きしめてください。

(「旬刊経理情報」2015年7月1日号より)

湯川 智子氏

湯川 智子(ゆかわ・ともこ)
株式会社サピエント 代表取締役社長

東京都出身。上智大学短期大学部英語科卒。自動車メーカー宣伝部販促課勤務を経て、1982年MICE専門の人材サービス会社を創業。その後大手企業JVで人材育成・マーケティング関連企業を2社設立。2012年8月に株式会社サピエントを設立し、代表取締役社長に就任。また、一般社団法人東京ニュービジネス協議会副会長、公益社団法人経済同友会幹事、学校法人上智学院評議員。