「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第26回 想像と創造で新たなチャレンジを!

2015.06.22
山岡 万佑子
株式会社ファンケル 取締役 専務執行役員 兼
株式会社ファンケル化粧品 代表取締役社長

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2015年5月1日号に掲載された記事をご紹介します。

私はビジネスにおいて、男女をあまり意識していません。性別はさまざまな個性の1つであると考えているからです。

しかし、私が大卒で就職する時代はまだ男女雇用機会均等法が施行されておらず、男女の性別により最初から仕事内容や給与が異なっているのが、当たり前でした。「このような条件では就職したくない」と思い、起業して、自らの力でチャンスを切り開いていこうと考えていました。そこで経営ノウハウやマネジメント力をマスターすべく、メンズアパレルの会社に入社しました。

入社して気がついたことは、やはり女性の管理職がいないということでした。女性には男性と同じ昇格のチャンスがないことを不思議に感じ「この状況を変えたい!」と思い、当時の人事部長に自分の営業成績などを話し、また自分と同じような想いの先輩社員がいることへの見解を問いました。その結果、先輩社員を含めて、前職で初の女性管理職が数人誕生しました。「チャンスは自分でつくるものであり、そのために制度を変える必要があれば、変えたらよい」。改革することで、会社に新たな価値を提案することができ、会社に貢献できると実感しました。

このようなビジネス社会でのスタートを切った私は変化する会社の状況のなかで、会社の成長と自分のキャリアやノウハウを活かし成長できる仕事を提案して、チャレンジを続けてきました。その1つとして、ダイレクトマーケティング事業の検討がありました。当時は時期早尚という結論となりましたが、成長チャネルである通販事業に従事したい、また違う会社で自分がどのくらい通用するのかチャレンジしたいとの想いから、前の会社を退職し、自分流の転職活動の後、FANCLと出会いました。

私はビジネスをしていくうえで、「想像力と創造力」が大切だと感じています。「この商品を手にされたらお客様はどう感じるだろう?」という当事者視点での仮説を持つ想像力と、その視点から明らかになった課題を解決する、またはもっと満足していただくために必要な物や事をつくり出す創造力で、適切な物や事がないのならば、新しく開発すればいい。まさにFANCLはそういう会社でした。創業当時、化粧品による肌トラブルが社会問題であった頃、肌に安全な化粧品がないのならばつくる。防腐剤を添加していないデリケートな化粧品を生産する工場がなければ工場をつくる。デリケートな処方の化粧品を腐らないようにする容器が世の中にないのならば、容器を開発し自社専用容器をつくる。FANCLはこのような創業者池森会長のマインドでできた会社です。私は深くそのマインドに傾倒した1人であり、そのマインドを多くのメンバーに日々の仕事を通して伝えています。大卒時には起業して経営者になろうと考えていましたが、今は経営者になることが私の目標ではなく、「男女問わず、メンバーがそれぞれの夢をもち、いきいきと働け、どなたかのお役に立ち、成果の上がる会社」にすることが目標です。

最後に、仕事は人生を豊かにします。そして人生は選択の連続です。自分がどうなりたいかの明確なビジョンを想像することで価値のある選択(創造)をし、チャレンジを可能にすると心に留めておいてほしいです。

(「旬刊経理情報」2015年5月1日号より)

山岡万佑子氏

山岡 万佑子(やまおか・まゆこ)
株式会社ファンケル 取締役 専務執行役員 兼 株式会社ファンケル化粧品 代表取締役社長

1995年株式会社ファンケル入社。化粧品事業における商品企画から販売・広告などのマーケティング全般のほか、本社管理部門である人事や購買の責任者を担当。2008年に取締役執行役員 化粧品カンパニー長、2013年3月に取締役専務執行役員 ビューティカンパニー長を歴任し、2014年4月より新設した株式会社ファンケル化粧品代表取締役社長へ就任、現在に至る。