「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第23回 女性活用の裏側

2015.03.06
岩崎 裕美子
株式会社ランクアップ 代表取締役

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2015年2月1日号に掲載された記事をご紹介します。

先日、あるセミナーで男性の社長数人と話をしました。「これからは女性の時代ですよ。わが社の新卒採用は半分以上が女性です」、「うちのトップ営業は女性です」など、女性活用についての会話になりました。私は、この話を聞くと少し嫌な気持ちになります。

女性は結婚や出産で働き方が変化するもの

というのも、世の中の多くの社長は今でこそ「女性活用」に積極的ですが、女性の「働きやすい体制づくり」においては、まだまだ積極的とはいえないからです。「女性活用」といって女性をどんどん採用するのはいいのですが、女性が定年まで働くことを真剣に考えて採用しているのか?と不安になります。女性はいつか結婚したり出産したりすることで、必ず働き方が変わります。そのときのことまで考えて女性を採用して欲しいのです。社長のなかには、本音では「はっきりいって出産したら退職してほしい」と思っている方も多く、本当の女性活用はまだまだ遠いと感じてしまいます。

キャリアを活かせない現実

女性が一生活躍して働くにはどうしたらいいのか?私は真剣に考え取り組んでいます。世の中には、本当に頑張って活躍している女性がたくさんいます。でも、まだまだ出産したら辞めるしかない、または閑職へ異動させられる人が後を絶ちません。女性が出産してしまうとキャリアを活かせないことに、私は本気で憤りを感じるのです。こう考えるようになったのは、前職での経験からです。前職の広告代理店では、深夜残業は当たり前。子どもを産んで働くなんて絶対に無理な環境だったので、子どもができたら退職するしかありません。

だから私は、なかなか結婚や出産に踏み切れませんでした。なぜなら、せっかく今まで15年間もキャリアを積んできたのに、出産をしたら、もう今の仕事はあきらめるしかない。私は本当に仕事が大好きで、今までずっと夢中で頑張ってきたのに、たった1人の子どもを出産するだけで、こんなに大好きな仕事を辞めなければならないことにとても悩んでいたのです。

そこで私は、いつか自分で起業したら絶対に「女性が働きやすい会社にしよう」と決めていました。具体的には女性が結婚しても安心して働けて、しかも「何人でも子どもが産める会社」です。

まずは残業ゼロを目指して

その後、私は37歳で独立し、今のランクアップを起業しました。そして「活躍する女性を救いたい!女性が一生活躍できる会社をつくりたい!」と真剣に考え、まずは長時間労働の撲滅に取り組みました。

そこで、最初に実行したのが、残業ゼロでした。社員全員が残業しなければ、ワーキングマザーも社員と比較されることもなく、みんなと肩を並べて活躍できます。最初は大変でしたが、今では社員全員が、集中して働く社風となり、残業しないのに売上は9年連続増収となりました。

私は、残業ゼロの会社が増えるように、当社のような働き方のモデルを世の中に積極的に発信していきたいと思っています。

(「旬刊経理情報」2015年2月1日号より)

岩崎 裕美子氏

岩崎 裕美子(いわさき・ゆみこ)

株式会社ランクアップ 代表取締役
1968年2月8日、北海道生まれ。広告代理店に15年間勤務。1997年からは同社の取締役営業本部長として多くの通信販売の化粧品会社を担当。キャリアウーマンとして多忙を極めるなか、自身が肌トラブルに悩まされたことをきっかけに一念発起し、株式会社ランクアップを設立。「肌の変化を確実に実感できる化粧品」をモットーにマナラ化粧品を開発、シミ、しわに悩む女性から絶大な支持を得て全国に広がっている。