「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第19回 3つのオススメ

2014.11.17
呉 文繍(サンドラ・ウー)
国際航業株式会社
代表取締役会長

Winning Women Networkの企画・協力で、「旬刊経理情報」に「女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~」を連載しています。2014年10月1日号に掲載された記事をご紹介します。

まず、ポジティブ・シンキングについて。
「あなたは恵まれていたからいいけど、私は恵まれていなかったのよ」
確かに傍からすると、私は今まで多くの仕事をやり遂げることができ、恵まれていたかのように見えたかもしれません。ところが実際は、自分がやりたい仕事を選べるようになったのは最近の話で、必然的に与えられた仕事をやってきただけなのですが・・・。
ただ一方で、私はある意味では「恵まれていた」のかもしれません。というのは、多くの機会を与えられ、その機会を前向きに捉え、チャレンジできたからです。もしかしたら周りの方々には、些細なことで、チャンスにみえないようなことでも、私は「前向きに取り組んでみましょう」と捉えることにしています。そのおかげで、ビジネスチャンスもつかめ、今では「恵まれていたのだ」と実感しています。
1つ具体例を挙げてみると、私の会社が日本に進出する際、日本子会社の管理の、マネジメントに関するところを任されました。当時、日本の企業社会は女性に優しくなく、まして証券会社のマネジメントを女性がするなんてとんでもないと思われていました。しかし、このような状況を逆に前向きに捉えたのです。むしろ日本で勤める女性がいないからこそ、成果を残せば注目されるのではないか、と。前向きにチャンスだと捉えるポジティブ・シンキングが私を成長させ、次のステップへ進む原動力になったのです。

次に、他人の考え方や経験に学ぶ。
まるでゲームのような感覚ですが、子どもの頃から政治家の窮地における判断や歴史上の偉人の決断などに対して「自分だったらどのように行動していたか(今からどうするか)」を考えることがよくあります。そして仮に、その判断や決断が自分自身で思いもよらなかったことだったら、その考え(ノウハウ)を取り込めるように勉強します。他人の判断や決断、意見などをとおして、自分が学び、さらに成長することができるのです。

3つ目に、集中する。
物事は「難しいこと」と「簡単なこと」の2つに大きく分けることができますが、しいて一番難しいことを挙げるならば、自分自身が急激に成長するときにやらなければならないことだと考えています。私の場合、ビジネススクールでの勉強や就職したばかりの頃の仕事を覚えることが、とても難しいことでした。このように、新しい環境に対応し、自分を成長させることは大変に難しいわけですが、成果を出すための時間も限られていますから、一心不乱に集中することが大切になるのです。

以上の3つは、経理・財務の現場の最前線で活躍している方々が、現在抱えているさまざまな悩みや苦労を乗り越え、成長するために私の経験からオススメしたいことです。日本企業のあり方や取り巻く環境は、社会で性別を問わず活躍できるグローバルスタンダードに日々、近づいています。3つの処方箋が今後の手助けとなり、若い女性がハングリー精神をもって社会(世界)貢献できることを願っています。

(「旬刊経理情報」2014年10月1日号より)

呉 文繍氏

呉 文繍(サンドラ・ウー)

国際航業株式会社 代表取締役会長
国立台湾大学文学部卒業。1998年日本アジアグループの創設に関わり、2001年に東京証券取引所取引参加会社初の外国人女性代表取締役社長となる。世界経済フォーラムのアクティブメンバーで、Infrastructure &Urban DevelopmentグループおよびGlobal Agenda Council on Infrastructureに参画。また、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)の民間企業諮問委員(Private Sector Advisory Group)の委員。2013年7月より議長を任命。2015年仙台市で開催する国連防災世界会議に向けて、民間企業の防災・減災意識向上に努めるとともに、民間企業の意見を国連の場で発信し続けている。