「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第18回 巻き込む勇気も必要です

2014.10.29
山極 清子
株式会社wiwiw
社長執行役員

Winning Women Networkの企画・協力で、「旬刊経理情報」に「女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~」を連載しています。2014年8月20日・9月1日合併号に掲載された記事をご紹介します。

最近、多くのメディアで、女性の社会活躍について取り上げられることが多くなりましたが、そもそも女性が社会(企業)で活躍することが難しいのは、なぜなのでしょうか。筆者は、自身の先輩から後輩に至るまで、育児などで会社を辞めて、そのまま社会復帰しない女性を数多くみてきましたが、その最大の原因は、日本的雇用慣行(日本の企業構造)に端を発していると考えています。

簡単にいうと、日本的雇用慣行とは、すなわち、終身雇用、年功序列型賃金、企業別労働組合のことです。たとえば、終身雇用は、夫が一生同じ会社で朝から晩までがむしゃらに働き、妻は家事・育児を担当するという構造。では、何が問題なの? と聞かれたら、「女性が働く仲間からはずれていた」こと。このような「仲間はずれ」の企業構造が、女性の働く機会を奪っていたのです。さらには、周りの目(両親など)が「結婚して家庭に入るのが幸せ」という意識だったとしたら、それは、企業でキャリアを形成したい女性にとって、大きなプレッシャーになっていたのです。

一方でここ数年、企業の考え方には変化がみられてきています。女性が企業で活躍するための取組みに力を入れ始めてきました。なぜなら、男性ががむしゃらに働けば生産性が高まるといった時代はとうに終わり、モノを作るにしても、差異化しなければ売上につながらないということに気づき始めたからです。また、顧客層をみると、日常的な買い物の決定権の74%を握っているのが女性ですから、企業が「売れるモノ」を開発するために、女性の登用を考えるのは必然であったともいえます。

では、これから働く女性はどのようなスタンスでいたらキャリアアップできるのでしょうか。そのヒントになるかはわかりませんが、企業の意思決定ボードメンバーとして活躍したい若い女性に申し上げたいことは3つ。まずは、自分の関心事をつかむこと。自分が何をやりたいのかがわかれば、どんなに多くのエネルギーを注いだとしても疲れず、やり遂げられるから。次に、夢や目標を持つこと。高尚な夢、高い目標であっても、青写真を描けば、それに向かって努力するはずだから。そして3つ目、これが案外難しくて大事なポイント。それは、周囲を巻き込むということ。社会で活躍している大半の女性は、夫を家事・育児に巻き込み、社会インフラ(家事・育児代行など)を利用しているものです。なんでもかんでも、家庭のことは女性がやるべきという意識を持っている方もいまだにいらっしゃるようですが、家庭割合が仕事割合を超えるとキャリア形成は難しくなります。欧米の女性が活躍できているのは、夫を真のパートナーとして、つまり、家庭内がジェンダー平等になっているからです。1人で抱え込まず、周りに頼る勇気も必要なのです! ここだけの話、パートナー探しの条件にもなるかもしれません(笑)。

最後に、「女性らしく」、「男性らしく」というワードがよく飛び交いますが、結局は「自分らしく」が肝心なのです。「女性の幸せはこうあるべき」と決めつけられるものではありません。「あなたらしく生きればいい!」この言葉を社会で活躍したい女性にエールとして送ります。

(「旬刊経理情報」 8月20日・9月1日合併号より)

山極 清子氏

山極 清子(やまぎわ・きよこ)

株式会社資生堂から21世紀職業財団両立支援部事業課長として派遣され、復職後の1997年から2009年まで一貫して、株式会社資生堂のCSR部・人事部・各次長などに就いて男女共同参画、ワーク・ライフ・バランスに取り組んだ。厚生労働省労働政策審議会「職業安定分科会」専門委員、石川県知事主催「オフィスミニスター会議」議長等歴任、その他公職多数。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授を経て2014年4月1日より、昭和女子大学生活学部客員教授。