「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第17回 意志あるところに道は開ける

2014.10.15
林 美香子
慶應義塾大学大学院
システムデザイン・マネジメント研究科特任教授

Winning Women Networkの企画・協力で、「旬刊経理情報」に「女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~」を連載しています。2014年8月1日号に掲載された記事をご紹介します。

農学部卒業後、放送局のアナウンサーになり、その後、長男を出産し、体調などの事情から退社。フリーでキャスターの仕事をしながら、大学院で博士号を取得し、大学教授に...という私の略歴を説明すると、少なからず驚かれます。

大学卒業時に抱いた「仕事と家庭を両立したい」という願いを胸に、悩みながら一歩ずつ進んできたら、思いがけない人生になりました。私の経験を語ることで、若い方達のこれからの人生に少しでもヒントになればと思います。

① チャレンジすることが大切

農学部で食品化学を学び、食品会社の広報や新聞記者になりたいという夢を持っていましたが、オイルショックで、女子学生はほとんど採用がなかった時代。就職したいという熱意は人一倍ありました。親の忠告に従って薬学に進んでいればと悔やんだことも。...そんなとき、女子アナの退職が続いたため5人も採用という地元放送局の告知を聞き、専門的な勉強をしていなかったものの、思い切ってトライ。会社は、可能性を買ってくれたのでしょう。無理だとあきらめずに、まずはチャレンジすることが大切と痛感。その後の人生のモットーとなりました。

② チャンスを活かす

次男を出産後、本格的にフリーで活動を開始。テレビやラジオのレギュラー番組と並行して、地域づくり関連のフォーラムの仕事が増えていきました。難しいテーマに躊躇したとき、担当者から、「せっかくのチャンスを断わるのですか。別の人を探しますよ」とクールに言われ、やる気が湧いてきました。大きなチャンスを受けるも断るも、自分次第。めぐってきたチャンスをしっかりと活かしてください。成果を出すためには、それなりの覚悟と努力が必要なのはもちろんですが...。

③ 本当にやりたいことは何か

長く担当していたラジオの生番組を降板することになった48歳のとき、相当に落ち込みました。講演や司会の仕事はありましたが...。別の番組の企画を実現すると同時に、私が選んだ道は大学院進学でした。余暇を大切にする生き方もありますが、周りの友人たちが社会人大学院生として生き生きと研究をする姿をみて、いつか地域づくりをもっと総合的に学びたいという夢を持ち始めていたのです。

今こそ実現するときと決断し、50歳で北海道大学大学院工学院社会人博士課程に進学。キャスターの仕事をしながら、3年で博士号を取得しました。それは、想像以上に骨の折れる大変な日々でしたが、大きな充実感がありました。そして、2008年に新設された慶應義塾大学大学院SDM研究科の特任教授として、札幌在住のまま、農業・農村・地域活性のゼミを担当することになったのです。

ポジティブであきらめない気持ちを持っていたからこそ、こうして仕事を続けてこられたのだと思います。「意志あるところに道は開ける」を実感しています。みなさんもどうぞご自分の夢をあきらめないで、とエールを送ります。

(「旬刊経理情報」2014.8.1より)

大河原愛子氏

林 美香子(はやし・みかこ)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任教授

札幌市生まれ。北海道大学農学部卒業後、札幌テレビ放送株式会社にアナウンサーとして入社。退社後、キャスターになる。エフエム北海道「MIKAKOマガジン」出演の他、執筆活動も多数。「食」、「農業」、「環境」、「地域づくり」などのフォーラムにパネリスト・コーディネーターとしても参加。「農村と都市の共生による地域再生」の研究で北海道大学大学院にて、博士(工学)を取得。現在は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科特任教授。北海道大学大学院農学研究院客員教授。著書に『農村へ出かけよう』(寿郎社)、『農業・農村で幸せになろうよ』(安曇出版)など多数。札幌市在住。