「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第14回 成長へのヒント

2014.06.17
中川 順子
野村ホールディングス株式会社 執行役員
グループ・インターナショナル・オーディット担当

Winning Women Networkの企画・協力で、「旬刊経理情報」に「女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~」を連載しています。2014年5月1日号に掲載された記事をご紹介します。

「女性の活躍推進」が、安倍政権の「日本再興戦略」での重要な柱の1つとされ、目に耳にする機会がより増えていると思います。「でも、自身の日常が変わる気配はない」と思っておられるかもしれません。おそらく、自身が少しだけ変わっていくことをあきらめないで続けることは有効だと思います。起業してその会社を経営し成長させることや、昇進できるか、に直結するパスポートではなく、ちょっとしたヒント程度の話ですが、私の経験をお話しします。

心がけ:「Keep Working、Keep Smiling、Enjoy working」。働くにあたり心に留めてきたことです。仕事は楽しくなければ続けられません。"楽(らく)"ではなく、厳しいことを越え、その達成感を味わうことが、仕事の楽しいところで、もちろん、そう思えるのはなんとか苦難を乗り切った後ですが。そうした機会を任せてくれる上司・仲間がいたら、前向きに受けてきました。振り返ると、それが自身の成長ポイントでした。厳しい局面があったら、笑顔で、楽しく、です。

自分でキャリアを作っていく:若い頃は次のように目標を3種もつことが習慣でした。当時、会社で半年に1回程度の定期人事異動が組まれていたこと、また評価が至らなければ自身でアクションを起こす必要性を考えていたためです。

①「長期の目標」
こんな風に仕事をしていたい、というもので、夢・憧れで十分です。目の前の仕事に意義が見出せなくなりそうなときにも一助となります。私の場合は、学生時代のアルバイトで国際会議の受付業務を手伝ったときにみた風景が、最初のものでした。

②中期の目標(2~3年後)
少し具体的に。今の場所・仕事での目標と、もし、別の環境を求めたい場合には、そのために助けとなる目標も。

③短期の目標(6カ月)
極力具体的に。かつ達成可能だと思うもの。今、任されている仕事での目標に、今の組織に対する貢献を1つ組み込みます(課題解決:業務改善、効率化、育成など)。私生活の目標(夢・計画)も、あれば。

これらの目標を6カ月ごとに見直し、また、6カ月間の自身の実績を、できるだけ簡潔に記録します。これは、自分で自身を評価する(褒める)のに役立ちますし、少し続けると自分の大切な職歴書にもなります。これは、転職のためのものではありません。人の記憶のなかでは、"いい話"は薄れてしまいがちですが、一方で、「こんないい仕事ができた」と思って書いた記録を振り返ると、成長を感じることができます。

人には、女性に限らず、ライフ・イベントがいくつもあります。中期の目標は、振り返るごとに、環境に応じて柔軟に変更します。先をみる、チャンスがきたときに迷ったら掴んでみる。おそらく壁に何度もぶち当たると思いますが、それが自身を成長させ、キャリアにさらに迫力を加えることになるはずです。

(「旬刊経理情報」2014.5.1より)

中川順子氏

中川 順子(なかがわ・じゅんこ)
野村ホールディングス株式会社 執行役員
グループ・インターナショナル・オーディット担当

神戸大学文学部卒、野村證券入社。支店営業、人事部、投資銀行部門、財務部門を経験し、2004年にいったん退職した後、2008年野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリーに復帰。同社代表取締役社長、野村ホールディングス共同副CFOを歴任。2011年4月野村証券グループ初の女性役員として、野村ホールディングス執行役財務統括責任者および野村證券執行役財務統括に就任。2013年4月より現職。同年7月、日本経済団体連合会企業行動委員会、女性の活躍推進部会長に就任。