「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第10回 チャンスは自らつくる!つかむ! ~輝ける女性へのエール~

2014.01.29
金子 靖代
株式会社シーボン
代表取締役 兼 執行役員社長

Winning Women Networkの企画・協力で、「旬刊経理情報」に「女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~」を連載しています。2014年1月1日号に掲載された記事をご紹介します。

2005年12月に社長に就任した当時、女性社長はまだまだ少なく、よく驚かれました。特に私の経歴が一美容部員からスタートしたこともあり、あり得ないとも言われたものです。各業界のトップが集うパーティでの名刺交換の際、初めてお会いした方に「オーナーの奥様ですか」と訊かれたことも。失礼な話ですよね(笑)。女性社長なら親族か同族だろうと思われる風潮に絶句したものです。化粧品といえば、ほぼ100%女性が使うものですし、販売するのも女性。そう考えると女性エグゼクティブが活躍していておかしくない状況ですが、周りを見回してみるとそのとおり、化粧品業界であっても男性社長ばかりです。

シーボンという会社は女性比率が96%、女性の管理職も全体の80%を超えます。また、取締役においても7名中4名が女性。昨今の世のなか、クオータ制の推進等、もっと女性が活躍する場を・・・と躍起になっていますが、何よりもまず、男女を問わず優秀な人材を評価できる土壌が必要なのではないでしょうか。

私自身の過去を振り返ってみると、特に役職者になりたいと意気込んでいたわけでも、出世欲があったわけでもありません。やりたい人を応援してくれる社風のもと、置かれた場所や立場で、一生懸命仕事をしてきただけ。ただ、影響を与えてくれた人の存在は大きかったですね。未熟な私に、根気強く適切な助言や指導をしてくれたからこそ、今があると実感しています。当時、管理職だったその女性の、「会社で友達をつくろうと思うな」という言葉はいまだに忘れられません。

仕事をしていると誰でも、「嫌われたくない」、「悪者になりたくない」と、嫌が応にも人の顔色をみてしまうことも。ですが、仕事を進めるなかで困難な状況に直面した時など、それを乗り越えるためには、嫌がられるようなことも推進していかなくてはならない場面があります。皆に好かれたいと顔色を伺っていては何も進みません。多少の反対は押しのけ、正しいと思ったことを進めるための主張が必要です。

以前、課長としてがんばっている頃、当時の部下に、周りから自分が何と言われているか尋ねたら、「海千山千」だと・・・。目的のために手段を選ばないといった意味合いのあるこの言葉に、「えーっ」とショックを受けましたが、今では最高の誉め言葉だと思って気に入っています(笑)。なぜなら、力を認めている人にしか言わない言葉ですから。仕事で成果を出すためには誤解を恐れない、周りからの言葉に動じない。そう割り切れるようになった時、本当の意味で仕事ができるようになったような気がします。

いまだに、女性に管理職のオファーをすると断る人も少なくありません。家事や育児、介護と仕事の両立は大変だ、難しいと刷り込まれ、自分を過小評価しているのではないでしょうか。確かに両立するのは本当に大変かもしれませんが、完璧にやる必要はないのでは。むしろ好きなことは全部やるという気持ちで、前向きにチャレンジする女性がもっと増えて欲しいですね。

(「旬刊経理情報」2014.1.1より)

金子靖代氏 金子 靖代(かねこ・やすよ)
(株)シーボン 代表取締役 兼 執行役員社長
1984年(株)シーボン入社。札幌店で美容部員として2年間販売・接客を行った後、本社へ異動し、ネイリスト等の仕事を経て、製品企画へ。約13年間製品の企画開発を担当した後、取締役に抜擢され、管理部を担当し、上場準備のリーダーとなる。2002年専務取締役、2004年取締役副社長を経て、2005年12月に代表取締役社長に就任。2009年ジャスダックに上場、東証二部を経て、2013年3月東証一部上場。