「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第7回 「女性目線」を経営に ~サービス業における女性の活かし方

2013.11.12
荻野 小波
株式会社サンザ
代表取締役社長

Winning Women Networkの企画・協力で、「旬刊経理情報」に「女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~」を連載しています。2013年10月1日に掲載された記事をご紹介します。

今から15年前のある日、主人から「横浜にホテルを買った。君が社長をやりなさい、僕に何かあった場合のためにも会社のことを覚えて欲しいから。」と突然に言われてからが、私の社長業の始まりでした。

これまでに登場されてきた方々とは、まったく違うキャリアで専業主婦からいきなり社長です。

それまでは、経営者でもある主人のサポート、3人の娘の育児に追われている一専業主婦の毎日でした。ただ、今から思い起こしてみますと、神様がくださった丁度よいタイミングだったというか、末娘が小学校に入った時期と重なったので、よい機会だったような気がします。実は、私の実家が伊豆で小さな旅館を営んでおりましたので、もともと接客業は大好きでしたが、規模的にホテル経営となるとどうなるものかと不安でした。

そこで、少しずつ経営に参加していくことにしました。グループ代表である主人と二人三脚での会社経営の始まりです。幹部社員のほとんどは男性ですので、たった1人の女性経営幹部として、日々悪戦苦闘してきました。男性社員にはわからない、女性ならではの視点から、いろいろと積極的に発信してまいりました。

特にこだわったのが、清掃面、「キープクリーン」です。女性がホテルやレストランで一番気にするところは間違いなく「トイレ」です。毎日毎日、呪文のごとく、「感動するくらいに綺麗」にするよう言い続けております。弊社店舗の「トイレ」を利用された方々の多くが、「ここのトイレは凄い!」と言ってくださります。綺麗なだけではそんなに感動はされません。清潔という必要条件に加え、そこに「あったらいいなー」と思われる女性目線の色々なもの、さらなる十分条件が備わっているからこその評価と思われます。ホテルやレストランを利用される方の半分以上は女性です。女性の意見が完璧にとおる店舗でなければ、絶対の支持は得られないものです。

次に、「カスタマーズハート」。弊社の一番の強みです。直訳すると「お客様の心」となり、常にお客様の心を惹きつける接客はできているか、お客様の目線で店舗運営ができているか、感動を与える努力をし、自分の喜びよりお客様の喜びを優先し、結果として自分も満たされる・ ・・そんな話を社員には言い続けております。お客様の先をみての「お声掛け」や「気づき」を心掛けすること。ホテルでの滞在時間は、お客様の夢のひととき。弊社ホテルでは、積極的に社員1人ひとりに、それぞれのやり方で、言葉掛けを強いています。けっしてハードが立派なホテルではありませんが、お客様は館内での滞在時間をスタッフとともに楽しんでおられます。

お蔭様で今では沢山のお客様にご利用いただけるホテルになってまいりました。お客様からの感謝のメッセージなどをいただくと、この仕事をやっていて本当によかったと思います。

頑張る女性の皆様への応援メッセージとしては、明るく美しい心と身近な人たちを思いやる優しさ。「感謝」して、される人であって欲しいと思います。「ありがとう」を素直に素敵に言える方は、周りを明るくします。そして、困った時は周りが進んで助けてもくれます。

(「旬刊経理情報」2013.10.1より)

荻野小波氏 荻野 小波(おぎの・こなみ)
株式会社サンザ 代表取締役社長
短大卒業後、家業の手伝いを経て、結婚。専業主婦歴15年。
1998年より(株)サンザ代表取締役社長に就任。伊豆温泉ホテル4軒、リゾート風シティホテル7軒、カプセルホテル2軒、エステ3軒経営。社員数120名。グループ代表である夫、荻野勝朗は、「複合ストーリー経営」を掲げ、カラオケ、レストラン、ホテル、ブライダル事業、アミューズメントを手懸ける。三児の母。