「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~ 

第3回 今女性は、大きな期待のなかにいます。~見守る企業・女子の皆さんへ~

2013.07.05
花形 照美
株式会社リクルートホールディングス
ソーシャルエンタープライズ推進室 室長

Winning Women Networkの企画・協力で、「旬刊経理情報」に「女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~」を連載しています。2013年6月1日号に掲載された記事をご紹介します。

安倍政権の成長戦略の要の1つに女性の活躍が掲げられました。私が勤務する(株)リクルートホールディングスでも「女性管理職任用目標」を昨年10月に公表し、グループ全体でダイバーシティの取組みを加速させています。女性がどうすればキャリアを積むことに意欲を持てるか、私自身の経験をもとにお伝えしたいと思います。

1992年、これほど長い期間働くとは夢にも思うことなくリクルートに入社しました。入社から2年間は、配属された求人広告営業の仕事で要求される仕事の量と成果に対して、結果もやる気も出すことなく過ぎました。3年目で、マーケティングスタッフ職に異動となり、営業職に比較すると地味に思えたこの仕事で、私は「仕事で成長する」きっかけをつかみました。探究心が強く、凝り性の性格がこの仕事と相性がよく、毎日が楽しくなり、それに合わせるように周囲からの信頼も得るようになりました。その様子を見ていた当時の上司の「お前はこの仕事が向いている」の一言が、私に大きな自信を与えました。

私の仕事に対する考え方は、リクルートで出会った何人かの上司の影響を強く受けています。その上司たちはみな「やさしい上司」ではなく、「厳しい上司」でした。高い要望を与え、辛抱強く見守り、最初の成果が出るまで伴走してくれたという点で共通しています。「なぜそうなのか」の問いに窮する私に対して、その問いに答えるために、貴重な会議時間すべてを使い、必要な材料とプロセスを手ほどきしてくれる上司もいました。

昨年、社内で5,000名規模の大規模な社員アンケートを実施した際、最も男女の回答差が出た設問は、「より高い役職を担いたいか」という項目です。ほとんどの男性社員は「担いたい」、女性は「どちらともいえない」と回答しています。女性は育てられ方の影響もあり、「会社に入って偉くなる」という志向が弱く、ゆえに周囲からも期待されていないと考えがちです。「女性が上位ポジションに就く」には、本人の努力だけでなく、会社と上司の努力も相当必要だと思います。私は、リクルートという会社のなかで、仕事のしかたも成果を出す方法もすべて教えてもらい、ようやく「自分が今なすべきこと、会社・社会に対して何を返していくか」をみつけることができたように思います。

このアンケートで、数は少ないですが「より高い役職を担いたい」と回答した女性たちは、「社会に対して、個人として強く実現したいことがある」と回答し、強い相関があることがわかりました。リクルートには、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という創業者の言葉があります。女性がキャリアを掴むポイントは、「何を実現したいのか」を自分自身に問い続けること、その一番の近道は目の前の仕事をやりきることであり、会社・上司はあきらめずに要望・伴走し続けることの3つだと考えます。

今、女性は、社会からも企業からも大きな期待を寄せられています。皆さんが、軽やかに、ポジティブに自身のキャリアを切り開いていかれることを心から応援しています。

(「旬刊経理情報」2013.6.1より)

花形照美氏 花形 照美(はながた・てるみ)
株式会社リクルートホールディングス ソーシャルエンタープライズ推進室 室長
1992年新卒で株式会社リクルートに入社。2年間求人広告営業を経験後、現住宅情報事業部門に異動。マーケティング、営業企画、人事等の多くの職種を経験。2009年に全社事業開発室に異動。新事業・新組織立上げも含めた統括業務を経験。2011年よりコーポレート人事・CSRを担当。2013年4月より現部署にて「CSRとダイバーシティの融合、社会への発信・影響力強化」に挑戦中。