旬刊経理情報 連載『女性リーダーからあなたへ』

第45回 迷ったら、恐れずにチャレンジすべし ~トライ&ファインドの精神で~

2021.04.01
中島 好美
ヤマハ(株)・イオンフィナンシャルサービス(株)・(株)アルバック・(株)JR貨物 社外取締役/事業構想大学院 客員教授
Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性リーダーからあなたへ』を連載しています。2020年12月1日号に掲載された記事をご紹介します。

女性活躍が注目を得る以前の、夜明け前どころか、太陽は昇るのだろうかという時代に私はキャリアをスタートしました。企業や社会が期待するジェンダー別の役割分担、同調圧力には、強い戸惑いを覚え、先が見えず戸惑う状況を、「グラスシーリング(ガラスの天井)どころか、アイアンシーリング(鉄の天井)の時代だった」と今では笑い話にしています。鉄の天井の先はまったく見えないことが、私にとってはキャリアの原動力になりました。

2020年も終わろうとしている今、社会はどのように変わっていくのでしょうか?

BUCAの時代、人々がキャリアをデザインしてチャレンジを続ける姿に勇気づけられます。それを応援する社会や企業が増え、個人としての生き方が尊重されるようになってきています。一方でまだまだ女性の活躍や仕事の評価制度等では、改善すべき点が多々あるように思えます。優れた才能やリーダーシップがあるのに、発揮する機会を得られない人や、潜在的な能力に気付くことなく埋もれてしまう人材も多いのではないでしょうか。

自身の体験といただいた助言から、皆さんへ私から3つのアドバイスです。

その1 アンコンシャスバイアスを認識してそれを捨てる努力。

誰もが持っているアンコンシャスバイアスは、知らず知らずのうちに私たちの考え方や行動に制限を加えてしまい、社会の期待や組織文化に大きく影響を与えています。ご自身のキャリアを作ろうとしている皆さんには、ぜひのびのびと、自分らしい生き方を貫いてほしいのです。

その2 ダイバーシティ・インクルージョンの意味と効果を理解し実践

国・性別・年齢を超え 自分とは違う個性や、考え方を持つ人との出会いは私たちに多くの気づきと勇気を与えてくれます。ぜひそれを楽しんでください。

その3 プライオリティをつける習慣

多忙を極めると、人間は思考停止となり正常な判断ができなくなります。すべてのことをやろうとせず、本当に今すべきことを見極める力をつけてください。プライオリティは状況によって変わるはずです。特にライフステージの変化は、プライオリティに影響します。仕事を数年間セーブすることもあるでしょう。描いていたキャリアを変更することもあるでしょう。プライベートな時間とのバランスもしっかり考える必要があります。

今日、自分自身のキャリアを振り返ると「いろいろなチャレンジができて楽しかった」という思いと「年齢、キャリアの枠をこえた多くの人との出会いが大きなサポートと影響を与えてくれた」という感謝の気持ちでいっぱいになります。大学入学時には、英語嫌いで弁護士になろうと思っていた自分が、マーケティングに興味をもち、外資系企業の経営者となるまでには、キャリアの軌道修正や、予期せぬチャンスの到来、危機もありました。そんな中で、今日がある最大の理由は何だろうかとあらためて考えると「迷っているくらいならチャレンジするということを実行してきたから」だと思います。3つのアドバイスに以下を加えたいと思います。

今思うようにいかなかったとしても、そこに気付きと学びがあれば、それは失敗ではありません。自分が何をしたいのかという目標を持って、失敗を恐れずに行動すれば、道は必ず開けるはずです。興味の幅を広げて、チャレンジを楽しみましょう。応援しています。

(「旬刊経理情報」2020年12月1日号より)
(企画・協力 EY新日本有限責任監査法人 EY Entrepreneurial Winning Women)

中島 好美

中島 好美(なかじま・よしみ)
現在はヤマハ(株)・イオンフィナンシャルサービス(株)・(株)アルバック・(株)JR貨物の社外取締役、事業構想大学院の客員教授を務める。

早稲田大学法学部卒業、1980年安田信託銀行(みずほ信託銀行)でキャリアをスタート。外資系化粧品会社、電通グループ、ディズニーグループ等を経てシティバンク、ソシエテジェネラル証券の外資系金融で経営に携わる。アメリカン・エキスプレスにおける日本人初の海外拠点のカントリーマネジャー(シンガポール社長)となる。元アメリカン・エキスプレス上席副社長、元アメリカン・エキスプレス・ジャパン代表取締役社長。