旬刊経理情報 連載『女性リーダーからあなたへ』

第15回 自ら動くと見える先がある

2018.07.09
天沼 幸子
ファモニィ(株) 代表取締役
Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性リーダーからあなたへ』を連載しています。2018年6月1日号に掲載された記事をご紹介します。

今の私を知る人からは驚かれますが、20歳くらいまではとても引っ込み思案でした。消極的だった私の行動や考え方が変わるターニングポイントとなったのがアメリカ留学と起業でした。いくつかの経験と気づきから、3つのことを大切に活動しています。

1つ目は「自分から動く」こと。
留学前は日本で英会話学校に通い、自分は基礎的な語学力を持っていると信じていましたが、現地に着くと何を言っているのか全くわからず愕然としました。不安に思ってばかりはいられない。2年間は必死で英語と向き合うと決め、メモを片手に、寮で隣の部屋のドアをノックして話しかけることから始め、さまざまな集まりに参加して人に話しかけ、わからない言葉があると聞いてメモをとりました。何も発さなければ自分のことに気づいてもらえない環境。でも続けていると気にかけてくれる人が増え、2年も経つと、自宅でパーティーを開くと50人近くの友人が来てくれるほどに。何事も「自分から動く」ことで新しい出会いがあり、新しい情報に触れ、始めた頃はできないと思えたことができるようになります。変化のないところに新しいことは生まれません。まずは一歩を踏み出すことを大切にしています。

2つ目は「諦めない」こと。
現在は美容室や整体院など、小さなお子さんのいるママにとって利用しづらかった場所に子連れで安心して来店しリフレッシュしていただけるよう、プロの保育スタッフによる「ママトコタイム」という託児サービスを運営しています。しかし、1つ目の事業は自分が想定していた結果を出すことができず、大きな赤字を出してしまいました。この先どうしようかと考え落ち込んだとき、一番身近な存在である主人が「もう少し続けてみたら」と背中を押してくれました。その言葉が力となり、今につながります。あの時に諦めてしまっていたら今の自分はありません。サービス内容は変わりましたが、「ママになったら諦めるのではなく、ママになってもできる!があたり前の社会をめざす」という目的を今でも追い続けています。「継続は力なり」は、私の力になっている言葉です。

3つ目は「小さなことからやってみる」。
1つ目の事業では最初からシステム開発に費用をかけ、赤字を出してしまいました。その時の失敗を繰り返さぬよう、次の事業ではテストマーケティングから始め、サービスを形にしていきました。また当初は、託児を外部の保育事業会社に委託していましたが、ママたちに「また利用したい」という感動を届けたいと思い自社で託児サービスも開始しました。「小さなことからやってみる」を大切に、まずやってみたことで、今では私たちの思いを詰め込んだ保育を提供できるようになりました。

新しいことを始めるとき、課題へ立ち向かうとき、できることからまず行動し、できる方法を探して諦めない。小さな積み重ねはおおきな結果をうむことができると思っています。

(「旬刊経理情報」2018年6月1日号より)

天沼 幸子

天沼 幸子(あまぬま・さちこ)
ファモニィ(株) 代表取締役

デンバー大学院経営学修士(MBA)を取得後帰国し、アビームコンサルティング(株)入社。その後(株)三井物産戦略研究所にて、新規事業開発を担当。2009年にファモニィ(株)を創業。ママにとって利用しづらかった美容室などでプロの保育スタッフがお子様をお預かりする託児サービス「ママトコタイム」を運営。ママになったら諦めるのではなく、ママになってもできる!があたり前の社会を目指し、新しい仕組みづくりを進めている。