これだけは知っておきたい!会計入門 

第6回 主な人件費

2013.06.14
公認会計士 松尾 絹代

※今回はココを勉強します

損益計算書、貸借対照表

1. 今回のポイント

今回は、人件費について勉強します。前回勉強した「賃借料」と同じ、販管費の項目で、その中心となる重要な項目です。

2. 代表的な人件費

皆さん、ご存じのとおり、人件費とは会社の人員のためにかかるコストです。すぐに思い浮かぶ従業員やパートの方の給料だけでなく、ボーナスや会社が負担しなければならない社会保険料も人件費です。今回は、給料を中心に勉強します。

あなたの会社の従業員に毎月支払われる給料は、支払われるたびに、例えば「給与」という項目に計上されます。毎月毎月「給与」を計上すると、決算日直前の「給与」には、12カ月分の給料が集計されます。会社の決算日が3月31日で、毎月の給料の支払日が25日の会社の場合、決算日直前の「給与」は下の図のような状態です。
4月25日から翌年3月25日までに支払った給料が、「給与」に計上されています。

図2

給料は後払いされることが一般的です。例えば「月末締めの翌月25日払い」というパターンは、下の図のような関係です。4月25日に支払われる給料は、3月に働いてもらった分の給料です。3月31日を決算日とすれば、決算日時点では、会社は3月分の給料を払っていません。言い換えれば、会社は決算日時点で、3月分の給料を支払う義務を負っているのです。

図3

次に、決算書の作成を考えてみます。毎月の会計では、支払った給料を「給与」に計上しますが、決算書の作成には少し調整が必要です。それは決算書に載せる「給与」の金額には、決算期間(4月1日から翌年3月31日まで)に会社が受け取った労働サービスの金額を正確に反映したいからです。そして、その金額は1年間に支払った給料の金額とは少しずれがあります。そのずれと調整の仕方を下の図で見てみましょう。

図4

決算日直前の「給与」は1年間に「支払った」分となっているわけですから、「労働サービスを受けた分」に調整をします。その結果、次の4月25日の支払分を「給与」に加え、貸借対照表の「未払費用」という項目にします。さらに、1年前の4月25日の支払分は、前の決算期(3月分)に労働サービスを受けた分となりますので、「給与」から除きます。こうして、決算で費用とされる「給与」の金額を計算します。

このように、決算書の作成に当たって必要となる調整を決算処理あるいは決算整理などと呼びます。今回は、給料を使って決算処理を勉強しましたが、未払いの項目は、基本的に同じように調整をします。例えば、人件費の中には、ボーナスや社会保険料も含まれます。ボーナスや社会保険料も毎回の支払いは、例えば「賞与」や「社会保険料」などの項目に計上します。その上で、決算書を作成する時に、決算処理が必要かどうかを考えます。

後払いのボーナスや社会保険料が未払いとなっている時には、先ほどと同じように未払費用という項目を使って調整をすることがあります。ボーナスの場合には「賞与引当金」という項目を使うこともあります。また、従業員から預かった社会保険料などは「預り金」という項目を使うこともあります。

販管費の勉強は今回で終了となります。次回は、「借入金」について勉強します。お楽しみに。