新興市場の成長を取り込むべく、ユーロ圏で今こそ構造改革へ
「この先、ビジネスにとって、どのようなリスクやチャンスが待ち受けているのだろうか」 という問いかけは、グローバル企業のエグゼクティブに共通しています。
"Ernst & Young Eurozone Forecast"初版の発表以来、ユーロ圏の情勢は目まぐるしく変化しました。このような状況の中で欧州の経済界は当然のことながら、財政の弱体化のみならず政府の対応にも懸念を示しています。
Ernst & Young Eurozone Forecast では、四半期ごとにユーロ圏情勢に関する情報を、実務的かつビジネスに即した財務予測の形で提供しています。ユーロ加盟国ごとのレポートや比較チャートなどもご覧いただけますので、是非ご活用ください。
Ernst & Young Eurozone Forecast (英語)
Eurozone Forecast Winter 2011
ユーロゾーン2011年冬号 要旨
2011年12月9日にEU首脳会議で合意された、財政規律の強化と追加的な資金調達を提供するユーロ圏の改革は、正しい方向への第一歩を踏み出しました。これらの改革が迅速に、そして信頼できる方法で実施されることが不可欠です。
今後しばらくは不確実性とボラティリティが高まる可能性が大きく、短期的な成長見通しは引き下げられましょう。弊社のベースライン予想では、2011年第4四半期および2012年第1四半期に、ユーロ圏経済は再びリセッション入りするとみられます。しかし、ギリシャ債務が着実に整理され、12月9日の欧州各国の合意事項が実施される場合、2012年末にかけてユーロ圏の景気は再び穏やかに回復し、2012年に経済成長率がほぼゼロ%となった後、2013‐15年に成長率は1.4%‐2.0%まで上昇するとみられます。また、失業者数は今後長期間にわたって高止まりが予想され、我々は、失業率は2015年までは10%を割り込むことはないと見ています。
欧州中央銀行(ECB)は、2011年初めの利上げから、年後半には利下げへと舵を切りました。今後、銀行に流動性をさらに供給するための措置とともに、さらなる金融緩和が必要となる可能性があります。さらに、特定国による必要な改革の実施能力が引き続き疑問視されていることから、こうした危機下においてECBの重要な役割の一つであると考えられている、債務国の国債買入れを継続する必要があるかもしれません。しかし、債券市場のボラティリティが極めて高く、2012年は低成長が見込まれ、借入れの必要性も高いことから、ECBはユーロ圏分裂のような、より深刻な問題を回避しようとする場合、最後の貸し手としての役割を果たす可能性があります。
ギリシャ、イタリア、スペインでは、事態進展への希望が見えてきましたが、一方で、ユーロ圏の国々のすべてが、公的債務の削減と新興国経済における初期段階の消費者市場の力強い成長を取り込むことができるよう、構造改革を迅速に実施することが必要不可欠です。構造改革としては、労働市場変革等が挙げられます。IMFでは、今後数年間の、世界のGDP成長分の70%は新興国市場が占め、中国とインドが牽引役となるとともに、2014年にも世界のGDPシェアで新興国市場が先進国を上回ると予想しています。弊社では、先進国経済の成長市場向け輸出額は今日の9.3兆米ドルから17.6兆米ドルに増加し、先進国からの総輸出の33%を占めると予想しています。
成長市場経済が中期的に成熟するにつれて、成長市場経済の成長率の構成変化が、ユーロ圏の企業に重要な機会をもたらすでしょう。特に、成長市場における中産階級の台頭により、流通、観光、外食など、消費者の目線に立った製品や食品などで新たな市場が広がるでしょう。他に新興国市場で大きな伸びが期待されるセクターには、欧米企業が強みを持つ金融やビジネスサービスが挙げられます。
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